【ふるほん紹介】深夜の散歩‐ミステリの愉しみ‐
2019.12.16 11:27
探偵小説愛読家である三人・・・ 福永武彦、中村真一郎、丸谷才一 ・・・が
探偵小説(翻訳ものの探偵小説)を読む愉しさを余すところなく語り尽くした名著。
エルキューㇽ・ポアロ、メグレ警部、フィリップ・マーロウ、怪盗ルパン、ミス・マープル
ブラウン神父、シャーロック・ホームズ...
知ってる名前も知らない名前もあるかもしれないが、名探偵が出てくる出てくる!
ミステリ好きにはそれだけでもう満腹。
『深夜の散歩』の元版が出たのは1963年、こちらの決定版が出たのは1978年です。
15年の時を経て新版が刊行されたのですが、この長い年月について丸谷氏があとがきで
こう書いています。
…本には読み頃ごろといふものがあって、刊行された当座だけが読みごろの本とか、
それ以後ずっとその調子がつづく本とか、ずいぶん長く経ってから読むとちょうどいい本とか
いろいろあるが、われわれの本はまさしくその第三項に該当する。…
たしかに、本には”読みごろ”というのがある。
1978年からさらに40年近く経ったわけだけれど、
今はさらに”読みごろ”になっていますよ、丸谷さーん!と言いたい。
ミステリは読んだことがない、興味があまりない、という方におすすめの一冊。
まずはトップバッターをつとめる福永武彦さんの「Quo Vadis?」を読んでみてください。
きっとミステリと ”深夜の散歩” がしたくなるはずです。
装幀・装画は和田誠さん。
扉絵の三氏の似顔絵や所々に出てくる作家の肖像画、これがすごくよく似ている。
さすが、和田さん!
『深夜の散歩‐ミステリの愉しみ‐』 【SOLD OUT】
著者:福永武彦 中村真一郎 丸谷才一
装幀・装画:和田誠
出版年:1978年 初版
発行:講談社