初心者のための現場管理の基本 その1
現場管理で重要なことは、第一に安全管理。そして効率よく現場を回す工程管理と施工の品質管理が任務となる。特にリフォーム工事は施主が住みながらの工事が多いので、途中で工事がストップすると、施主の生活そのものに支障をきたすことになる。問題が起こったらその時に考えればいいという「出たとこ勝負の工事」ではなく、不測の事態にもすぐに対応できるように準備を整えて工事に臨もう。
着工までの段取り
「段取り8分」といわれるほど着工前の段取りは重要だ。契約見込みの段階から職人の空き状況を確認したり、近隣の駐車場を借りる必要があるか確認するなど、契約後にドタバタしないように心がけたい。
申請手続きがあれば速やかに行う
●マンションの工事では管理組合への書類提出が必要だ。
●道路使用許可申請が必要な場合は書類を管轄の警察に届けることになる。足場を組む時と解体する時にトラックを長時間停車させるため、幹線道路を通る車を誘導する必要がある場合等、必要に応じて書類作成の準備をしよう。
工事に必要な確認事項
●工事中の駐車スペースを確認する。近隣の駐車場を短期契約することもある。
●資材置き場や廃材置き場の確保
●搬入経路の確認
●外部足場を隣地に建てる必要があれば隣家に許可をとる
●近隣挨拶をする範囲
●アスベストを含む建材を解体する場合は解体時や廃材処理時の決まり事があるため注意しよう。
在宅工事か仮住まいかにより工程が大きく変わる
●工事中に施主が仮住まいをするか否かを契約までに決定する必要がある。それにより工事期間が大きく変わる上、工事費用にも違いが出てくるからだ。在宅工事か仮住まい中の不在工事かが決まらないと工程表を組むことすらできない。
工程表を組む際の注意点
●工程表は不測の事態を想定して、予備日を設けるなどして余裕をもった計画を立てよう。
●マンション工事では、工事ができない曜日を確認しよう。最近は日・祝日に加えて土曜日も工事できないマンションが増えている。更に工事完了時間もマンションにより決まりがある場合が多い。5時まで完全撤退の場合は4時半ころまでしか作業が出来ないため、人工の計算に注意が必要だ。
●外で作業する工事では、季節による日没時間も考慮する。
●荷物移動の予定日を明確にするなど、お客様が直前になって慌てることが無いよう、工程表はお客様にとってもわかりやすい内容にする。
トラブルゼロを目指そう!!
●トイレ交換がある場合は工程の最後にもっていく。トイレ交換後は職人が使用できなくなるためだ。
●設備機器や内装の品番が決定してから仕様書を作成する。中途半端な仕様書を業者に配布すると、途中で書き直した仕様書と、書き直す前の仕様書が混在してミスが起こりやすい。