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小林研究室

研究紹介:ブラックホール

2019.04.05 08:48

皆さんこんにちは。M2小池です。

前回に引き続き研究紹介をしていきたいと思います。

今回は私が研究している「ブラックホール」についてお話しします。

ブラックホールと聞くと、「何でも吸い込んでしまう」、「名前の通り真っ黒である」といったイメージがあるのではないでしょうか。

ブラックホールは宇宙を舞台としたSF映画にもよく登場します。そのため、空想上の産物なのでは・・・?と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

実は観測から、ブラックホールが実際にこの宇宙に存在しているということがわかっています。では、なぜブラックホールがこの宇宙に存在するということがわかるのでしょうか。今回は「ブラックホールの見つけ方」について話していきたいと思います。

私たちが普段「ものを見る」際には、物体から出る光が目の網膜に当たり、その信号が脳に送られることによって、そこにものがあると知覚しています。しかし、ブラックホールからは物質はおろか自然界最速の光でさえ脱出することが出来ないため、その姿を見ることは出来ないと考えられます。

このようにブラックホール自体は「真っ黒」なのですが、ブラックホールに吸い込まれる物質の存在によって間接的にその存在を確かめることが出来ます。ブラックホールが物質を吸い込む際には、ちょうど洗面台に溜めた水が排水口に向かって流れていくように、物質はブラックホールの周りをぐるぐると回りながら落ちていきます。

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 (https://iekoma.com/part/sanitary/cy12706/)

その際にブラックホールに引き寄せられた物質同士が衝突することによって摩擦熱が生じることで温度が非常に高くなり、X線と呼ばれるエネルギーの高い電磁波が放出されます。意外なことに、ブラックホール(の周り)はとても明るいのです!(ただし、X線は可視光よりも波長が短いため、人の目には相変わらず真っ黒に見えます。)

これとは別に「ブラックホールを見つける」方法があります。それは重力波と呼ばれる時空のさざ波を観測するというものです。ブラックホールをはじめ重力が重要になってくる状況を説明するには、アインシュタインの一般相対性理論が必要となります。この理論では、物体があると時空(時間と空間)が歪み、その歪みによって周りの物質や光が引き寄せられるとして重力(万有引力)を説明します。

重力波とは、この時空の歪みが、水面に石を投げた際に広がる波紋のように伝わっていく現象のことをいい、およそ100年前に予言されました。そして、2015年にアメリカにあるLIGOと呼ばれる観測施設において、2つのブラックホールが合体する際に生じた重力波が観測され、電磁波による観測と合わせてブラックホールの存在が確かめられました!

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(https://www.nasa.gov/sites/default/files/thumbnails/image/ns_gw_art.jpg)

最近でも電磁波や重力波観測によってブラックホールとその候補天体がいくつも観測されており、私たちが住む宇宙にはたくさんのブラックホールが存在することがあきらかになってきています。しかし、ブラックホールの中を直接観測するには至っていないため、ブラックホールに吸い込まれた物質や光がその後どうなるのかについてはよくわかっていません。

私をはじめブラックホールを研究しているメンバーは、この謎を解決すべく様々な切り口から研究を進めています。今後は各々がどういったアプローチでこの謎に挑んでいくのか、楽しみにしていてください!