分かり方を考える。
こんにちは。雨の日が続きましたが、今日は打って変わって綺麗に晴れましたね!今日は面白い本を読んだので、それについてお話ししたいなーと思ってこれを書いています。早速紹介していきますね!
今日紹介するのは、佐藤雅彦さんの「新しい分かり方」(中央公論新社)、という本。どんな本かというと、人間がどのようにして物事を理解するかを浮き彫りにして「私はこんな風に理解していたのか!」とか、「こんな分かり方があったのか!」といったことを「体感」させてくれるものです。
最初の1ページ目に数行の導入があって、それ以降はほとんど文字がない。ただ見開きで1枚か2枚の写真もしくはイラストが並べられていて、それが続いていくのです。文字がないから当然僕(←このブログを書いている僕ね。本の中の人物ではないですよ。)はその写真がどういうものなのか考えながら読み進めていくわけです。すると多くの場合はそのイラストに込められた「小ネタ」に気づき、自分がどうイラストを解釈したのかと同時に、どうしてそう解釈したのかが鮮明にわかります。普段であれば自動で繋ぎ合わされて意識することのない理解のプロセスが浮き上がってくるのです。
「僕、今、さてはバナナで釘を打とうとした!?」
と、ありえないような発想が自然に出てきて理解のプロセスを見せつけられます!
時にはおぉ!と声が出るような、時には筆者の手のひらの上で踊らされて悔しいような、時には友達に紹介したくなるような、いろんな面白さがあって気付けば夢中になっていました。中には自分が何を仕掛けられているのかわからないようなものもあってそれもまたワクワクします!
最後の章にはそれまでに紹介された「分かる方法」に関係した随筆があって、それが今まで感じた面白さにさらに味わいを深める働きをしています。なので、最後まで読んだ後は皆さんも「分かる」ってことがどういうことなのか考えさせられるでしょう。
教育学部の人間としては、こういうことを知った上で作る授業と知らずに作る授業では大きな違いが出てくるだろうなと感じました。どういう言葉を使って、どういう板書をして、どういう問題を作って生徒たちに伝えるか。この本を読むことで良い伝え方、悪い伝え方を知り考えるきっかけになるかと思います。とっても読みやすい本だったので、興味を持ってくれた方は是非一度読んでみてください!