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繊維について第8回「番手」

2020.01.24 02:30

こんにちは、株式会社フォーリンHP更新担当の野村です。


さて今回は「番手」ということで、糸の太さを表す数値について紹介しようと思います。

番手換算式の一覧もページ最下部に作っておりますので、ご活用ください。


さて番手ですが、なかなか日常生活では耳にすることのない単位ではないかと思います。

恥ずかしながら、私も入社するまで聞いたこともない単位でありました。


では早速番手についてですが、まず初めに毛番手、綿番手、麻番手の3つの番手を紹介しようと思います。これらはいずれも「恒重式」であり、番手の数字が大きくなればなるほど糸は細くなります。


毛番手

羊毛糸(梳毛紡績糸)に使用される番手で、8番単糸は「1/8」、12番双糸は「2/12」、48番双糸は「2/48」など分母部分に表記され、単糸双糸の分類は分子部分に表記されます。メートル番手またはフランス式番手などともよばれます。


計算方法は、重さが1kgで長さが1kmある糸はが1番手。1kgで48kmある糸は48番手(1/48)となります。

つまり メートル÷グラム=毛番手 という計算式になります。

メートルとグラムを使用しているため、もっとも手軽に計測できる番手です。


綿番手

綿糸(綿紡績糸)に使用される番手で、10番単糸は「10/1」もしくは10s、20番双糸は「20/2」もしくは20/2s、40番双糸は「40/2」もしくは40/2sなど、分子部分に番手が表記され、分母部分に単糸双糸の分類が表記されます。英式番手ともよばれます。


計算方法は、重さが1ポンドで長さが840ヤードの糸が1番手。1ポンドで16800ヤード(840ヤード×20)の糸は20番手となります。

計算式にすると メートル÷グラム×0.591=綿番手となります。

ちなみに1ポンドは約453.6g、1ヤードは約91.4㎝になります。


麻番手

麻糸に使われる番手で、表示方法は綿番手と同様になります。混同を避けるため、麻番手であることを明記することが必要になってきます。


計算方法は、重さが1ポンドで、長さが300ヤードの糸が1番手。1ポンドで18000ヤードの糸(300×60)が麻番手の60番手となります。

計算式にすると メートル÷グラム×1.654=麻番手となります。



他にも番手と同様に糸の太さを表す単位があります。

デニールとデシテックスです。

こちらは「恒長式」で、数字が小さくなるほど、糸は細くなります。

これらは主に長繊維に使われます。


デニール

デニールの表示方法は、60Dや80D等後ろにDを付けます。

計算方法は 長さが9000メートルで1グラムの時、1デニール。9000メートルの時50グラムなら50デニールです。

計算式は グラム÷メートル×9000=デニールとなります。



デシテックス

デシテックスの表示方法は、84Tや110T等後ろにT(もしくはdtex)をつけます。

計算方法は、長さが10000メートルで1グラムの時、1デシテックス。10000メートルの時110gなら110デシテックスとなります。


計算式は グラム÷メートル×10000=デシテックスとなります。


以上の5つが主に使用されている番手になります。

他の番手から、それぞれの番手へ換算する式が以下の通りです。


毛番手を求めるには

9000÷デニール

10000÷デシテックス

1.693×綿番手

0.6048×麻番手


綿番手を求めるには

5314.8÷デニール

5905.4÷デシテックス

0.5909×毛番手

0.3571×麻番手


麻番手を求めるには

14882÷デニール

16535÷デシテックス

1.654×毛番手

2.8×綿番手


デニールを求めるには

0.9×デシテックス

9000÷毛番手

5314.8÷綿番手

14882÷麻番手


デシテックスを求めるには

1.111×デニール

10000÷毛番手

5905.4÷綿番手

16535÷麻番手


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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