恐怖の小学生 (#169 wise)
wiseが荒川区の公園のベンチで『ニューヨーカーごっこ』をしていた時のことなんだけどさ。
ひとりでね
ん?
なんだい?
「ニューヨーカーごっこって何ですか?」
だって?
読んで字の如く
ニューヨーカーごっこだよ
現在地をセントラルパークと仮定し、スターバックスのコーヒーとサンドウィッチを胃に流し込んでいると仮定する。
さらにMacintoshノートパソコンのキーボードをブラインドタッチしていると仮定し時を過ごすという、
wiseオリジナルの遊びさ
すごく楽しいからhoney達もやってみてよ。絶対に、
ひとりでね
ひとりでやるってのが一番大事なんだ。
とにかく公園でニューヨーカーごっこをしていると、小学生の高学年くらいの子供達が6人程ゾロゾロと遊びに来たんだ。
ブランコをしたり追いかけっこをしたりしていた。
ニューヨーカーwiseは、
「ほう、あんな大きな小学生も公園で遊ぶんだなぁ。すごく小学生だよね?」
と、ブラインドタッチの手を休めると仮定し微笑ましく眺めていた。
やがてブラインドタッチを再開すると仮定したwiseは、公園の入り口の方から
なにやら異質なオーラ
を感じ、再びブラインドタッチの手を休めると仮定した。
近年稀に見るヤンキー
だった。
彼はひとりだったけど、もちろんニューヨーカーごっこをしにきたわけではなかった。
タバコ
『ヤニ』
驚くべき声が聞こえたんだ
例の小学生達の声だった。ヤニ切れ君からは20メートルくらいしか離れていない。
A君「やべー!カズレーザーみてーな奴がいる!」
B君「ほんとだ!カズレーザーみてーだ!」
C君「おいおいおいおいおいおい!本物のカズレーザーじゃねー!?」
Dちゃん「荒川にカズレーザーいないでしょ!」
Eちゃん「いないない!」
F君「そりゃそうでゲス」
wiseはハッとヤニ切れ君を見た。いや、ヤニはもう吸っていたからヤニ君だ。
小学生A~Dはかなりの声量。ヤニ君に聴こえないはずはない距離だ。
今考えるとヤニ君は、あんな見た目をしているけど優しいやつ。聴こえないフリをし、公園から去って行った。
wiseはスターバックスの濃い冷めたコーヒーを啜ると仮定しながら、「何事もなくて良かった」とヤニ君を見送った。
しかし
しかしである
小学生ってのは
これだけでは
終わるような
生優しい存在ではない
ヤニ君を追いかけるように
公園を飛び出したのだ
wiseは「ウソだろ?ウソですよね?」と立ち上がり、Macintoshにコーヒーをぶちまけたと仮定した。
ヤニ君は既にwiseからは見えない所まで歩いている。でもwiseからC君は見えている。
するとある音が聴こえてきたんだ。
"シャシャシャシャシャシャシャッ"
C君はスマホで
写メを連写していた
そして満足げに帰ってきたんだ。「カズレーザーじゃなかったわ!」と叫びながら。
知っているよ
そこにいる全員がね
カズレーザーなんかじゃない
wiseは「何事もなくて良かった」とMacintoshに溢したと仮定したコーヒーをハンカチーフで拭くと仮定しながら心底ホッとすると仮定した。
そしてwiseもニューヨーカーごっこを切り上げ、公園を後にした。
そして、
「いやぁ〜!!今時の小学生!!!すごく怖いよねぇ〜〜!!!!?」
と、ハイトーンのシャウトで叫びながら歩いていると、数メートル先のバス停で
ヤニ君がバスを待っていた
いや、もうヤニ君ではない。バス待ち君だ。
バス待ち君は今考えると良いやつ。小学生C君の連写攻撃にも耐え抜いたんだ。
もの凄い忍耐力を持つ
バス待ち君なのだ
心なしか猫背が最初より強くなっている気がした。