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井の中のなんとか

強くてニューゲーム

2019.12.19 09:54


今から水彩始めたいんだけど何色買えばいい?


かつて自分の頭を悩ませた疑問に、今なら答えられるのになぁ、と。



少々思うところがあり、透明水彩に触れて今まで、わけもわからず失敗してきた……とまでは幸い行きませんでしたが、紆余曲折諸々の経験抜きに、もし記憶を引き継いだまま今から水彩デビューできるとしたら自分はどの色を購入するかな、などと夢見がちに考えてみました。



この色早く出会いたかったなぁ、な気持ちを吐き出しついでに、万に一つこれから始めるどなたかのお役に立てたらなぁと思います。



或いは、水彩沼の方には今更なことばかりでお恥ずかしい限りですが、どこかにいるかもしれない物好きさんの暇潰しにでもなれたら幸いです。



当ブログにはジャンプリンク機能がないので気持ち程度の目次です




前置きと結論


考えるに至ったのは絵の具のセットを見ていて……ではなく、コピックツインズ企画のマイ12色セットの内容を考えていたことからだったり。


自分のためのセット、夢が有りますよね。

できるなら今の自分にお願いして選んで貰いたかった。


そんな過去の自分へ向けてのプレゼン記事だと思って生温かい目で見て頂ければ幸いです。



メーカーは、ひとまず流通随一であるホルベインさんの絵の具をメインにつらつら書き連ねて行こうと思います。


もう一つ前提として、これからおすすめするのは主にキャラクター系のイラストを塗るのに使いたい、と思っている方向けです。

風景画にはおそらく向かないのではと思いますのでご了承下さい。




以前FANBOXに上げたコピックについての記事にも書きましたが、セットが存在するのを知りつつおすすめを訊き、結果セット買えと言われて大人しく買う人がどれだけいるか。


一本でも使わなそうな色が入っているなら好きな色を買いたい、ウェブの色見本と現物の色味の違いに(´・ω・`)となりたくない、足りない色って何、現物を見てないのに自分の好きな色なんて分からないなどなど……


「まずセットを買って足りない色を買い足せばいいよ」、という真理では納得できないこともあるのです……。



触れて初めて足りない色に気付き買い足す、というのは必要且つ楽しい過程ですが、費用を抑えたい場合、セットを購入してあまり使わない色がいくつも入っていたら気落ちしてしまうのではと思いまして。

……水彩に一度嵌ってしまえば要らない色なんてなくなってしまうのですが(個人差がございます)



ここまで読んで頂いてお分かりかと思いますが、必要最低限と考えたせせこましい内容が多くなって参りますので、水彩好きな方にはもしかしたら余り見ていて気持ちの良いものではないかもしれません。

なぁんかなぁと思いましたらブラウザバック推奨です。



長い前置きですがもう少し続きます。


前置き抜きにおすすめを、という方は三原色のご紹介辺りまで飛ばして頂くか、結論ホルベインのフタロブルーイエローシェード、キナクリドンマゼンタ(ローズバイオレット)、イミダゾロンイエロー、ピロールレッド、チャイニーズホワイト、ピーチブラック、オペラ、コバルトターコイズライト、ウルトラマリンライトがおすすめです。世界堂オンライン価格でしめて1,779円。


水彩紙はストラスモアかTMKポスター紙がおすすめだよ! 紙選び大事!!



ここまで読むのに3分くらいでしょうか。

全体では10分掛かるか掛からないかくらいでした。そのくらいの分量が続きますのでそれを踏まえて大丈夫な方はどうぞ。



ホルベイン透明水彩


ウェブカタログはこちら


色名と色見本、顔料が載っています。手持ちと見比べたところ顔料に一部現在と違う箇所があるため完璧に正確とは言えないのですが、ご参考までに。



顔料って何??



って話ですが、水彩沼の方が市販の水彩絵の具に対し顔料と言って指しているのは=使用顔料、C.I.Name(カラー・インデックス名)のことです。


私も比較的最近知ったので大きいことは言えないのですが……今年のはじめの方ですね、ほやほやです。


表記のないメーカー絵具もいくつも存在しますが、大方チューブのどこかに書いてあります。


ホルベインさんのチューブはここ。

上が旧仕様パッケージ、下が現在の仕様です。




緑系の顔料ならPG(ピグメントグリーン)〇〇、青系の顔料ならPB(ピグメントブルー)〇〇、となります。


飽くまで記号的なものなのでこんな具合にそれぞれきちんと名前があるのですが、私名前まではまだ一割も覚えておりません。それでもなんとかなるのが顔料。


メーカーによってC.I.NameやPIGMENTなど表記に違いがありますがカロリーとエネルギーみたいなもので(?)、ざっくり言ってしまうとパッケージのどこかに「アルファベット+数字」があれば大方それが使用顔料です。ざっくり。

ざっくり言い過ぎて嘘だったらごめんなさい。



一本の絵の具に複数の顔料が使われているものを混合顔料、使われている顔料が一種類のみのものは単一顔料と呼ばれています。


始めに絵の具を揃えるのに、カタログ見てあっちこっち登場数の多い顔料の単一顔料絵の具を主に揃えるのも有りだなぁと今なら思います。混色が捗りそう。



因みにこの記事内で言う混色というのは複数色の絵の具を水で溶き混ぜて色を作ることではなく、複数の絵の具を絞り出してそのまま混ぜ混ぜしてパレットに固めてしまおう、という意味の混色です。


正攻法ではないかもですが、せっかく水彩やるんです、コピックや色鉛筆ではできないことをしちゃいましょう。


組み合わせようではそんなつもりがなくてもうっかり分離色が作れてしまうかもしれませんがそれも味です。



前置きはここまでにして本題のおすすめ色に入ります。()内は使用顔料です。



三原色



ホルベインさん、調べてみると三原色が2種類あるそうで。


まず印刷でお馴染みCMYᏦ方式からM(マゼンタ)Y(イエロー)C(シアン)の三色。


M= キナクリドンマゼンタ(ローズバイオレット)(PR122)

Y= イミダゾロンイエロー(PY154)

C= フタロブルーイエローシェード(PB15)



RYB方式から


R=ピロールレッド(PR254)

Y=イミダゾロンレモン(PY175)

B=フタロブルーレッドシェード(PB15)



二種類の三原色、どちらを選んでも様々な色が混色で作れますが、MYCのほうがメジャーだと思うので右に倣え精神で購入して良いと思います。



ただ、ピロールレッドは買いです。



絵の具に限らず色鉛筆などもそうなのですが、セットの中に入っている赤って朱色寄りだったり臙脂色だったり、赤が使いたいと思って浮かべる赤とはコレジャナイだったりします。


因みに私は12色セットを購入して初めてホルベインの絵の具に触れた時分、赤枠(?)のクリムソンレーキを見て「え……赤無い……真っ赤って自分で作らなきゃいけないのか(´・ω・`)」となった口です。



とは言え真っ赤な赤色も、MYCの三原色があれば混ぜて作れると思います。思うのですが、チューブからさっと真っ赤な絵の具を出して使えるというのは結構嬉しいものです。飽くまで経験談。



持っておきたい色


最最低限必要な色が三原色だとして、加えて手元に置いておきたい色です。




ピーチブラック(PBk1)

12色セットに入っているアイボリブラックは温かみのある黒なので、真っ黒がほしい、コピックの黒で100番が使いたいタイプの人はこれかなと。


実際他の黒を目にしていないので一番かは分かりませんが、何色味もないシンプルな黒だと思います。



オペラ(BV10  PR122)

求めてるのは赤と白で作るピンクじゃないんだよなぁ、って人が探し求めているピンクはおそらくこれではないでしょうか。


もしくはクサカベさんのフレッシュピンク、オーロラピンク辺りだと思うので、購入可能でしたらそれらを見比べてお好みのピンク系絵の具を一本や二本持っておきたいところです。




オペラという色名は水彩に改めて触れて初めて知りました。今年ですね。


あー、ビビッドなピンクのことね! くらいの感覚でしたが。



コピックで言うRV系や蛍光色のピンクが使いたい人は持っておきたい色なのではと思っております。



それにオペラの鮮やかな発色をそのまま使いたい、でなくてもいいです。

薄塗りでも、白を混ぜて発色を抑えるでも、混色に使うでもいい。


根本的に「私はそもそもピンクを使わないのだが??」という方でなければ取り敢えずあっても良いかなと思います。    


少なくとも私は自分には作れないから一本持っときなさいと押し付けます。花びらひとひら塗るだけでも画面がぱっと華やかになって良いです。


存在感が強いぶん、イラストや塗りの傾向的に合わない方もいるかもしれないのでその辺はお好みで。



ウルトラマリンライト(PB29)

おそらくどのメーカーさんから選んでも発色が強く、コミック系のイラストを塗るにはあると嬉しい青だと思います(個人の感想です)


ディープとライトの2種類がありますが何となくでライト。

こういう差分のあるもの、大は小を兼ねる的に取り敢えず明るいほうを選びがち。

そこのところ理屈が合ってるかは分かりません。


ウルトラマリンはPB29。初めて覚えた顔料かもしれません。

だってウルトラマリンはどこ行ってもウルトラマリンなんだもの……各種メーカーさんのカタログを見ているとかなり覚えやすい分かりやすい顔料です。




コバルトターコイズライト(PB28)


オペラがピンクの尋ね人だとしたらコバルトターコイズ系は水色の尋ね人だと思っています。


画像では少し分かりづらいかもですが青と白で作る不透明な水色では物足りない人向け、純粋にイメージするTHE水色。



お好みで少々色味の違うアーチストパンカラーのコバルトターコイズもおすすめで、自分が求めていたのはこちらの水色だったりするのですが通常シリーズと違いハーフパンのみで少々お高くなります。

コピックの瑞々しさには敵わないかもしれませんが、透明水彩をやるならあったほうがいいです。癒やし。




チャイニーズホワイト(PW6)

水彩絵描きさんの中では白を使わないという方もいらっしゃいますが、不透明さがほしいときや、混色すると色が増えたような気がするので私は好きです。

ビビッドな色使いの中でもやんと淡い、色の濁った部分があると却って透明感を感じます。



もちろん思う色を作るのには試行錯誤や手間は掛かりますが、お金がかけられない内はジョーンブリヤンやシェルピンク、ラベンダーやライラックなどを直接買わず、自分好みに白と混色して作り置きしても良いと思います。


中々減るものでもないのですが混色でごりごり色数を増やしていくつもりなら大き目のチューブを買っても良いかも知れません。



そしてここで余談。



肌色、もし納得の行く色が作れないなど悩まれる場合はコピックや各々塗り易いツールで塗っても良いです。

と言うか私は未だに9割水彩・肌色だけコピックで塗ることが多々あります。



そもそも併用ができるものなのかと言うと、水彩のあとにコピックで着彩するぶんには問題ないです。


ただしコピックで塗った上から水彩でどうこうしようものなら、アルコールが飛んでない限りはずももももっと色が沈んでしまいますので絶対避けてください。コピックは最後に。



閑話休題。



有るとはかどるかもしれない色


思う色を作るのに微調整がしやすい色



キナクリドンスカーレット(PR209)

赤のバリエーションとしてPR209は需要がそれなりにありそう、という主観で選びました。


というか自分は他メーカーさんのとある絵の具が欲しくてでもお高いから同顔料のこちらを買ったとかいうせこいあれです。


それでも思った通り、欲しかった色に近しい色味で満足しています。

その為の顔料(個人の感想です)




ビリジャンヒュー(PG7)


コピックと比べても格段に簡単に青と黄色で作れる緑ですが、個人的には青緑も黄緑もグリーン系の絵の具から色味をずらして差分の色作るほうが楽なので、私と同タイプの面倒臭がり屋さんは一本持っていても良いかと。


特に風景画ではなくコミック系の塗りがしたい場合にはいいと思います。

ただ、一本でもお安く済ませたい場合は混色で補える範囲かなぁな感じではあります。


私自身の場合、あらゆる緑はPG7をずらせば作れるのではと過信している節があるので、混色して色数を増やすにもやっぱりあったら便利かなぁと思い入れておきます。因みに12色セットにも入っている色。


PG7、実は余り使う機会がないのですが好き。



パーマネントバイオレット(PV23)

ビリジャンと同じ理由から。赤み紫に寄せるも青み紫に寄せるも中間色のチューブ絵の具があると作りやすいです。


それとクサカベさんのバイオレットもV04系の発色強い色合いでコミック系のイラストに良いです。



バーントシェンナ(PBr7)

水彩メイキングとかでイエローオーカーと並んで二大よく見るやつ(偏見)。


こちらも12色セットに入っています。下塗りにも良いですし、茶色〜と欲して一番オーソドックスな色味な気がするので。一本茶系が有ると塗りも捗るかと。




ひとまずおすすめしたいのは以上。



余り考えていなかったのですがもしかしたらお子さんへのプレゼントにも初手12色セットを買うより喜ばれるのではなんて考えてしまったり。


いやちみっこ、絶対オペラとコバルトターコイズライト大好きだよ。私がそう。



あと、有るとはかどるかも~には入れませんでしたゴールドとシルバーのラメ系絵の具2本もキラキラを集める習性のある子にはおすすめします。私がそう。




ここまでずっと12色セットのネガキャンしているみたいで心苦しいのですが、冒頭結論で上げた9色に「有るとはかどるかもしれない色」の4色を足して購入する頃には12色セットの金額を上回るのでどうにか許されたいところ。

13色で3000円行かないので初期費用としては手を出しやすいほうではないでしょうか。



さて、主観で色々書いてきました。


もし見ていて「これは混色で作れるんじゃ?」とビビッと来た方はそのぶん節約するなり、そういった方はおそらくお好みの色がはっきりしているのではと思うのでお好みの色を探すなりして頂けたら良いなと思います。



あとは、今回ホルベインさんを軸に推して参りましたがやっぱり推しておきたいのがクサカベさん。


((( みたいなパッケージが目印



途中触れましたフレッシュピンクとオーロラピンク、バイオレット、加えてパッションオレンジは中々透明水彩らしからぬ蛍光感でコミック系のイラストを塗りたい方におすすめ。



画像では伝わらないのがもどかしい……。


あとオーロラブルー辺りも青系では彩度ばりばりで需要が高そうだなとか。




ここまで紹介しておいて何なのですが、おすすめした何本かは同顔料を別のメーカーさんで揃えてしまった故に実際は持っていなかったりします。


そういう点でも顔料をちょっと気にしてみると応用が利くかもしれません。


勿論メーカーさんによって大なり色味は異なりますし、同メーカー・同顔料で振れ幅の広いものも有りますので……そこが楽しいところでもあります。ご興味ある方はどうぞ水彩沼へ。

私もまだまだ浅瀬をうろうろしております。



特に締め方が思い浮かばないのでこの辺で。

長々お読み頂きお疲れ様です、有難うございました。