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「宇田川源流」 スンニ派の国々と仲良くしながらイランと交渉できる世界で唯一の国日本の中東における信用

2019.12.24 22:00

「宇田川源流」 スンニ派の国々と仲良くしながらイランと交渉できる世界で唯一の国日本の中東における信用

 先週、12月20日、21日に、イランのロウハニ大統領が来日し、安倍首相と会談をしている。

日本では、なぜか伊藤詩織という人の、民事の強姦未遂事件の訴訟判決ばかりが報じられて、実際に初鹿という立憲民主党の衆議院議員が猥褻行為で書類送検したことすら触れない状態である。外国のことといえば、せいぜいアメリカのことばかりで、全くイランのことなどは報道しない状態になっており、あまり知っている人が少ない状態なのだが、一応ネット上はそれなりの報道はされている。

まあ、日本における、特にテレビの報道空間のゆがみ方は半端がなく、世界的、国際的感覚やその危機感が完全に欠如しているもので、まあ、日本のテレビ報道の知識だけをもって海外に行けば、確実に恥をかくことになると断言できる。それほど国際常識からずれているといって過言ではない。

この、イランのロウハニ大統領と、安倍首相の会談は、かなり重要であり、場合によっては、来年の中東情勢や、イランとアメリカの関係などを一変させる可能性があるというような確率のあるものであり、同時に、世界情勢をも変える可能性があるような重要性を持っている。

逆に、それくらいの重要性がなければ、イランの政治を完全に掌握しているロウハニ大統領が、わざわざ、日本に来て交渉をするはずがない。そもそも来る必要がないのである。

よくよく思い出していただければ、今年、6月12日、安倍首相がイランを訪問し、ハメネイ指導者、そしてロウハニ大統領との会談の真っ最中に日本の化学薬品を積んだタンカーが何者かに襲撃された。犠牲者はいなかったものの、日本のタンカーが襲撃されたという、まあ、憲法9条論者にはまったく信じられないような話が出てきたのである。

そのことからホルムズ海峡周辺において、「シーレーンの安全性に疑問が出る」ということになり、アメリカはそのことをもってイランの責任を追求することをしようとしていたが、日本は最後まで「誰が行ったかは不明」として、ただ安全対策を提案していた。

その関係から半年して、ロウハニ大統領が来日したのである。


来日したイラン大統領、海自中東派遣「日本の意図を理解する」…安倍首相と会談

 安倍首相は20日、来日したイランのロハニ大統領と首相官邸で会談し、海上自衛隊の中東派遣について説明した。ロハニ師は「自らのイニシアチブにより航行の安全確保に貢献する日本の意図を理解する」と応じた。

 イラン大統領の来日は、2000年10月のハタミ大統領(当時)以来19年ぶり。首相とロハニ師の会談は10回目で、米ニューヨークで9月に行われて以来だ。

 首脳会談は、夕食会を含め、約3時間行われた。首相は会談で、日本関係船舶の安全確保に向けた情報収集態勢を強化するため、自衛隊を派遣することを説明した。米国主導の海洋安全保障構想には参加しないことも伝えた。ロハニ師は「透明性をもってイランに説明していることを評価する」と述べた。

 両首脳はまた、中東地域の緊張緩和と安定化に向けて協議した。首相は、米国とイランの対立を念頭に、「中東地域の緊張の高まりが継続していることを強く懸念している」と語った。「日本としては、中東地域の緊張緩和、地域の情勢の安定化のためにできる限りの役割を果たしていく考えだ」とも述べ、外交努力を続ける意向を伝えた。

 首相はそのうえで、「核合意の完全な履行とともに、地域の平和と安定のために建設的な役割を果たしていくことを強く期待している」とロハニ師に求めた。

 ロハニ師は、首相による6月のイラン訪問を「重要だった」と振り返った。核合意については「非常に重要な合意だ。だからこそ、米国の一方的で非合理な離脱を強く非難する。日本をはじめ世界各国が核合意の順守、維持に向けて努力することを願う」と述べた。

2019年12月20日 23時25分 読売新聞

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12213-505394/


 少なくとも、今回の会談中に日本のタンカーがホルムズ海峡で襲撃されたということはない。日本は、6月のタンカー襲撃後、アメリカの提案する「融資連合による治安維持隊」とは別に、日本の自衛隊は日本のタンカーやホルムズ海峡の周辺警備を行うために、独自に派遣することを行い、またそのことを、かなり透明性をもって履行してきている。

間違いなく、イランに対しても、またアメリカに対してもすべての情報を公開し、その情報の公開によって「商船の安全管理」以外にはまったく関係がなく、当然にイランに対しても襲撃の意志がないということを行ってきたのである。

まあ、偶然ということもあって、上記のように今回の中においては全く襲撃はなかった。これは一つの成果であるということができる。

さて、6月の襲撃に関しては、他のレポートを書いているのでそちらに譲ることにするので、何か欲しい人は、何らかの会合で私に直接話していただきたい。

いずれにせよ、イランの人なのか、あるいはテロリストなのか、それとも第三国なのか別にして、イランと日本、そして日本を通してイランとアメリカが仲良くしては困る人々がいて、その人々が、このような襲撃を行ったことは間違いがない。つまり、イランとアメリカが仲良くなりなおかつ、武器をもって日本のタンカーを襲撃することをいとわない勢力とはどのような所なのかということになる。そこが真犯人である確率は少なくない。

一方「中東の安定化」ということは日本にとっても重要である。はっきり言って、上記に書いてあるような日本国内の猥褻事件などよりもはるかに重要であり、ジャーナリストであるならば、当然に何が世界の平和のために重要かということはわかるはずだ、まあ、そのような行動がとれない人々が多く、それが、日本のマスコミの多くの姿勢であることを残念に思う。

首相は、米国とイランの対立を念頭に、「中東地域の緊張の高まりが継続していることを強く懸念している」と語った。「日本としては、中東地域の緊張緩和、地域の情勢の安定化のためにできる限りの役割を果たしていく考えだ」とも述べ、外交努力を続ける意向を伝えた。<上記より抜粋>

実際に、中東が安定しないということは、石油が日本に来ないということになる。

何度も書いているが、6月にタンカーが襲撃されたホルムズ海峡を通るものは、日本の輸入している石油の80%以上であることは間違いがない。それがなければ、電気も物流も滞る状態であり、日本としては、極端な言い方をすれば「縄文時代に戻る」ということである。そのような事をさせる訳にはいかないのであり、そのためには中東の安定化が必要である。

しかし、中東の安定のためには「シーア派とスンニ派」「民族・部族の違い」「テロ・原理主義」「国家としての経済」「石油に関する考え方」「砂漠と水」など様々なことを考えなければならず、そのうえで、各々の立場の意見をすべて情報を入れておかなければならない。どこかの一つの立場でものを語っても解決しない。

その意味において日本は、それらすべての立場の人々と話すことができ、なおかつ平和裏に多くの事へ提案できる立場にある「世界でも貴重な国」である。

その立場をどれくらい活かして物事を考えるのか。そして、その中東でのイニシアティブを日本の外交にどのように生かすのか、そのことが令和二年の外交の中心になってくるのではないか。

人の繋がりをどのように考えるのか。日本の信用や日本の国家のことをどのように考えるのか。そのようなことが全くわかっていない人々は、猥褻事件で一喜一憂していればよいのかもしれない。