ジェーンとジェームスその2/大塚智穂
以前、オーストラリアから日本ツアーで小豆島に来てくれたジェーン&ジェームス。実は、お別れの時に私が使っている自家製の味噌や御塩、正金醤油さんのぽん酢や八方だしをプレゼントしていた。というのも、ジェーンの妹のジョーは、「ジョーのキッチン」という歌があるくらいお料理が自慢だと聞いていた。だから、普段から私がおいしいと思って使っている調味料を使って、是非お料理をして欲しいと思ったからだ。ちょっと荷物になるけれど…と、半分申し訳ない気持ちでプレゼントすると、ジェーン&ジェームスは大層よろこんでくれて、別れ際には、愛情たっぷりのハグをしてくれた。
そんな2人から「土曜の夜、友だちを呼んでごはんを食べるから、卵豆腐(茶碗蒸し)のレシピを教えてほしい」とメールがあった。卵豆腐にグリーンレモンオリーブオイルは鉄板の美味しさで、以前2人に食べてもらったら、これは!!と感激していたのだ。私は紙にイラスト付きのレシピを描いて写真にとり、メールに添付して送信した。なんとも便利な世の中だなぁ。ジェームスからはレシピのお礼と、今回は大人数で料理をするので『卵豆腐』は作れないかもということ、いまから大きなマーケットに行って買い物をする!といった内容の返事があった。
数時間後、つぎつぎと写真が送られてきた。私のレシピに計量カップが描いてあったからと購入した計量カップ。買い込んできた大量の日本食材。みんなでキッチンに立つ写真。プレゼントした自家製味噌のもろきゅう&いちじく(以前私が振る舞ったのを再現してくれている)に、みんなで食事を楽しんでいる写真。「今回はシェフが多いから無理かも」といってた『卵豆腐』を作るジェーン&ジョーの写真などなど。次から次へと送られてくる写真を見ていると、まるで私までもが、ジョーのキッチンに立っているかのように錯覚してしまった。
そして、「小豆島で私たちに振る舞ってくれた料理が、今回みんなで集って楽しむきっかけになった。ここにいるみんなが、一緒に食事を楽しみたいと思っているよ、いつかオーストラリアへおいで」と書かれていた。(多分そんな感じ)
そういえば、前にも同じように写真を送ってくれた。
テーブルには可愛らしい黄色い花が飾られていて、庭に植えてあるレモンで作ったレモンタルトが映っていた。英語のこまかいニュアンスは分からないけれど、「同じテーブルにつかせてくれている」ことは分かった。人にお料理を出すことはあるけれど、遠く離れたオーストラリアでテーブルを共有させてくれている。その優しい気持が何とも言えず嬉しく、また一段とジェーン&ジェームスが大好きになった。そして、2人に引き合わせてくれたトシバウロンに改めて感謝を。本当にありがとう。
大塚 智穂