柑橘スパイラル/大塚智穂
少し前に、誕生日を迎えた友人に「八朔、甘夏、スイートスプリングのタルト」をプレゼントした。ザクザクのタルトにはカカオ豆入り。こっくりとした豆乳カスタードクリームをぬり、バナナを敷き詰め、さらに豆乳カスタードを重ねる。柑橘は無農薬の八朔、甘夏、スイートスプリングをのせ、冷凍しておいたブルーベリーをのせ、八朔ママレードはアクセント程度にのせる。この「八朔、甘夏、スイートスプリングのタルト」は甘さ控えめで柑橘の爽やかさが何とも言えず美味しかった。
小豆島はオリーブで有名な島だけど、実は柑橘もとっても豊富だ。豊富すぎて溢れ出す時がある。そんな時、我が家にあつまってくる気がする。みかん祭りで散々みかんを食べまくり、食べきれないみかんは絞って絞って「みかんジュース」として飲み尽くした冬から、少しずつ春の風が吹きだした今日このごろ。ここ1ヶ月ほど、檸檬、八朔、甘夏、スイートスプリング(全部無農薬)が我が家に集まりだした。その集まり方もちょっとではなくコンテナ単位。大量の柑橘たちが加工されるのを待っている。
手初めに、一番最初に我が家にやってきた無農薬の八朔をママレードにしてみた。してみたといっても大きな八朔を10コほど、きび砂糖を使ってママレードにした。するとジップロックに3袋分のママレードが完成した。そのママレードを使って、パウンドケーキやスコーンに入れてみる。香りも良くて美味しいお菓子になった。せっかくなので、完成したおかしは柑橘をくださった方へお返しとして持っていく。すると、「まだ沢山あるから持っていって!」と新たな柑橘を連れて帰ることになるのだった。
今ある八朔を全てママレードにすると、どれだけの量のママレードが完成するのだろうか。保存用の冷凍庫の購入を本気で考えなきゃいけないレベルだ。しかも、八朔のあとには檸檬もある。檸檬はシロップ漬けにしようか。そうそう、甘夏もスタンバっている。もちろんそのまま食べてもおいしいけれど、日に1~2個が限界だ。やはりママレードにして保存するしかない。明日はきび砂糖を沢山買ってこなくっちゃ。
大塚 智穂