応援チームを振り返る(ホワイトスター数字編)
続いて、群馬FCホワイトスター。
2019年の成績は
関東1部:5位(6勝3分け5敗、勝ち点21、得点39(最多)、失点31)
皇后杯:関東予選4位通過、本戦1回戦敗退
チャレンジリーグ入替戦予選大会:敗退(グループA2位、2勝1敗)
皇后杯地方予選は詳細なデータが出ず、出場時間が分からない(得点者のみ)ので、ここでは話を関東女子サッカーリーグ1部に限定する。
群馬FCホワイトスターは、2018年に関東2部を無敗で優勝。シーズン終盤にはチャレンジリーグ入替戦に進出するも、PKで昇格を阻まれた。2019年は関東1部に戦いの舞台を移したが、チャレンジリーグに引けを取らない多士済々・曲者揃いの関東1部で、最終順位は5位となった。
得点ランキング。
兼重選手が最終戦のハットトリックにより順位を上げ、得点王が2人に。佐藤選手も1ゴール差の3位。群馬FCホワイトスターは優勝した早稲田を上回る攻撃力を誇ったが、そのチーム総得点の6割をこの2人で叩き出している。名実共にリーグ最強2トップ。
出場時間。相沢選手と高塚選手が全試合フル出場。
ホワイトスターはレギュラー格が割とハッキリしていて、そこにフォーメーションの関係や疲労・仕事(関東1部だと仕事先が融通を利かせてくれないケースも)などを考慮し、数選手が出場したりしなかったりの準レギュラークラス。女子はチームとの契約に契約金や違約金が発生していないケースが多いので結構移籍・退団が頻繁に起こるというのは知っていたが、シーズン途中にポコポコ辞める上にアナウンスも無いのは正直驚いた。甲斐選手のみHPにコメントが出たくらい。
チーム内の得点者状況。
リーグ最強2トップに加え、中盤、そしてCBまでが満遍なく得点しているのもホワイトスターの強み。ただ、2トップはシーズンを通じて満遍なく得点しているのに対し、シーズン前半に得点を重ねていたCB・WB陣は、折り返しの後期第1節以降、完全に沈黙している。逆にシーズン前半に得点のなかった新井・牧井の中盤の2人が、求められるタスクが変わったのか得点するようになり、特に新井選手は入替戦予選の南葛SC戦ハットトリックも含め覚醒した感さえあった。
ホワイトスターはシーズン前半はほぼ3バック、折り返し以降は3バックで試合に入り、途中で4バックというパターン、最初から4バックというパターン、3バックとも4バックとも言えない※(相沢選手と話をして、仕組みは把握)パターンなどがあり、柔軟と言えば聞こえはいいが、迷走していたとも言える。悪夢の4連敗に関しては、正面から殴り合った早稲田戦と、決めきれないまま後半ロスタイムにカウンターで沈められたジェフ戦をそこまで気にする必要はなかったはず。なのにかなりいじったことと、小髙選手のロングパスと守備範囲の広さを前提とした布陣の中で、小髙選手が欠場した2試合で計13失点と大敗を喫し、チームの基盤が揺らいでしまったのが痛かったように外からは見えた。その後、前述の※陣形で神奈川大学戦には大勝。これを熟成させていくのかと思いきや、皇后杯は見ていないので分からないけれど、入替戦予選では4バック固定に。アンクラスに痛恨の逆転負けを喫し、予選敗退。夫馬監督が解任?された後も4バックは継続、最終戦も4バックで臨み、2点リードを追い着かれ上位進出の夢は断たれた。
正直、ホワイトスターの4バックは、欠陥とまでは言わないものの無理があるように見えた。元々の3バックが全員本職ではなく(だから得点力も高い)、その3バックをそのまま左にスライドして右WBを右SBに下げたのがホワイトスターの4バック。リベロとして中央に位置し、3バックの時は左右前後のカバーリング、長短のパスを王様のように優雅にこなしていた相沢選手が、4バックになった途端にプレーが窮屈そうに見え、それがリズムの悪さとなり守備時のミスにも繋がる場面が散見するようになった。3バックの「幅」と、4バックの「幅」は明らかに違うし、4バックにしたことで左右のバランスも悪くなった。小髙選手がラインの裏をカバーする前提で上げていたDFも、ずるずる下がることが多くなり押し上げも効かず、オフサイドの取り損ねも多くなった。更に3バックの時は3人がほぼずっと出場していたので連携も取れていたが、4バックの右SBが日替わり状態だった為、連動に乏しく熟成も出来なかった。当初の予定通り、4バックは試合中のオプション程度にしておけば良かったのに、連敗中に何かが狂ってしまったのか・・・。4バック固定は自分達の持ち味を削ぎ、新たな4バックでの進化もないままシーズンを終えてしまった感がある。
最後に、ホワイトスターの前半・後半のシュート数と、被シュート数の比較。
( )内は失点数、赤字は失点したセル。