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大肉球曼荼羅 《第1章⑤ 翁猫探偵団》

2019.12.27 00:09

令和元年が終わろうとしています。

いよいよ来年は、2020年「AIRA」の時代が到来ですね。

 

画像の作品は、猫庭博士です。キュートな、お顔してますが男性猫です。

イベント出展の時、お客さんに「あの猫の前髪何??」と、囁かれて通り過ぎて行きました。

 

では、物語の続きを、お楽しみください。

 

《大肉球曼荼羅 第1章⑤翁猫探偵団》

 

「え、カルカナルですって!?」

 

猫沢さんから話を聞いた猫庭博士は、目をまんまるくしていました。

隣の風さんもです。

 

「このお菓子、覚えていますか?」

「あ!これは…」

「これは復刻版ですが、出どころが、ロドニア・ニャンパニー…あの子猫のタレント事務所です。これは当時、カルカナル総合商社の子会社が出していたもの、当時と同様ニャッカリイウムが使われていました」

「ニャッカリイウムですって?この時代に…?」

「あと、いまいまさっき見つけた、この食材…」

 

そう言って、猫沢さんは、風さんから受け取った物を取り出しました。

 

「一体これは?」

「ロドニアの事務所があるレトロンストリートで売られていた[パニャーン]のミックス粉、これにはウトゥサが使われています」

「なんですって!?指定危険物質ですよ!!」

「実は、私達の帰還パーティーの際に出されたデザートの一部にも、ウトゥサが使われていた事が分かりました。猫庭博士は、このケーキを食べましたか?」

 

そう言うと、猫沢さんは、超薄型タブレットをペランと取り出し、あの時、出されたロドニアケーキを見せました。

 

「いいえ」

「これはロドニアファンの菓子職猫が、差し入れとして運び込んだ物です」

「ロドニアファン…?」

「この店の店主は、ロドニアの事務所と提携し公認のスィーツを作る権利を手に入れたのだそうです。それだけなら問題はないのですが、彼の事務所から指定された業者から材料を卸し、作っているのです…」

 

それを聞いていた風さんは、ハッとして

 

「ひょっとして…あの店か?あそこは業務用卸しの店、同業者の紹介がないと入れない場所だ…」

「紹介制?誰から?」

「大衆酒場トリマスクの店主だ、あの店の材料を使うようになったら急に客が増えたと言って、これを入れると良いと勧められた…」

 

風さんは、先程、猫沢さんに渡した回収袋から、オレンジ色の液体が入った瓶を、取り出しました。

ニャイソースと書かれている、ごくごく一般的な調味料に、見た事がないラベルが貼られています。

猫沢さんは、手に取り裏面を見ると…

 

「ウトゥサの他に、ウルタミンクが入っています。これも、私達の子猫時代に使用中止になった物質…」

「ウルタミンク…昔、お袋が使ってたのだ…あの事件で回収騒ぎが起きたやつだろ!!」

 

風さんは、再び、ショックを受けたのか、泣きそうな表情で、テーブルに顔を伏せてしまいました。

 

「ウトゥサにウルタミンク…私の子猫時代、両親の店では絶対使わない調味料でしたよ…今の時代になって何故…?」

 

猫庭博士は、険しい表情…彼の両親は、昔、小さなレストランを営んでいました。

カルカナル関連企業の便利な食材や調味料を使わずとも、素晴らしい料理を作り出した名店です。

現代の猫の星の飲食店は、彼らの調理法を学び伝えられて来た店ばかり…

その仕組みの破壊が、音もなく忍び込んできているのです。

 

「なんでも、謎の科学者とやらが「この物質達は無害で安全」だと触れ回っているらしい、今、猫谷君に調べて貰っている」

「おかしいですよ!猫達は、これらの物質の本当の恐ろしさに気づいていないのですか?」

 

猫庭博士は、怒りの表情を見せます。いつも穏やかな彼を、そこまで変えてしまう、カルカナルの存在…

 

「猫庭博士「怒り」は、何も生み出しません、冷静にいきましょう。あの物質が消えてから100年(地球時間で約50年)余り経っています。既に、この物質の怖さを知らない猫達もいるんです」

「もう、そんなにも時が過ぎてるのですか…!?謎の科学者って一体、誰なんです?カルカナル一族は、まだ存在しているのですか?」

「今、調べてもらっています。私達がテラに行っている間に、何かが変わってしまったようです…寅次郎博士は「猫の星に新たな課題が生まれた」と言っていましたが…」

 

猫沢さんは、困惑の表情。

 

「猫沢博士、確か、寅次郎博士は「橋渡しの民」を探せと言っていましたね」

「そうだった!どうすれば…?」

「私の祖父の記録を辿りましょう。後日、私の研究所に来てください、そして、一緒に深き森の長(おさ)に会いに行きましょう」

「カンタスカラーナ・シダーにですか?何故」

「彼は、私達が、この星に移住した時代よりも遥か昔から、星を守っています。祖父は、何かが起きた時、いつも長の所へ行っていました」

 

猫庭博士は、キリッとした表情で、猫沢兄弟を見つめます。

二人は、コクリと頷きました。

3人は、円陣を組み肉球を合わせると

 

「翁猫探偵団(おきなねこたんていだん)再始動です!」

 

猫庭博士が、真顔で言うと…兄弟は肩を震わせていました。

 

「ぷ」

「もー!!この年齢で、子猫探偵団のままじゃカッコ悪いでしょ󾬆」

「いや、でも、翁猫もなんかさ、ぷぷ」

 

猫沢さんは、おかしくてたまりません。

 

「どっちもどっちですよ。猫庭博士、相変わらずのセンスですね」

「猫沢博士のセンスも、相当怪しいです!!」

「まぁまぁ二人とも」

 

風さんが、間に入りなだめます。

 

「明日は、ちょうど店が定休日だ、長に会いに行こうじゃないか、空も、まだ休暇中だろ?」

「ああ」

「じゃ、明日、朝イチで、お待ちしています、長の所は遠いので重装備で来てくださいね」

 

猫庭博士は、ニッコリし、リュックを抱え、自宅へと帰っていきました。

彼の服装は軽い登山服で、ゴツいブーツを履いています。

 

「兄さん、彼は相変わらずリーダー気質だね。さすが、[橋渡しの民]虎之助の一番弟子の十三郎の孫だ」

「そうだな」

 

怪しい影を落とす「天使ロドニア」に、立ち向かう為、子猫探偵団、改め、翁猫探偵団が、いよいよ動き出します。

 

[つづく]

 

 

  (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】SF物語を展開中です。

 

そんな楽しい猫の星の世界観第6弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました。

 

猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

 

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

 

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

 

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