人命救助
会社の仕事が終わって、仕事の仲間と夜、芝の居酒屋にいった時の話です。
『目黒の部署』のマネージャー:例えば、海や川で人がおぼれている時に助けられる力があるのに、助けないと殺人罪と同罪になるのを知っていますか?
皆:それは本当ですか?
でもそれで、自分がおぼれてしまう危険性もあるじゃないですか。
マネージャー:その場合には誰かの助けをよばなくてはいけないのですよ。
知らんふりするのは罪なのですよ。
実際に人を助けるのは大変ですがね。
実はこの前、こんなことがあったんですよ。
マネージャーは次の話を始めたのでした。
マネージャー:私が電車のホームにいた時にある男性がホームから線路に落ちたんですよ。
大変だと思ったんですが、以前に韓国の若い男性が線路に助けに行って、すぐ来た電車に
二人とも死んでしまった事件がありましたよね。
それで、周辺の誰も今度は助けようとしなかったんですよ。
だから、助けを呼ばなくてはならないが、そのうちに電車が来てしまうんですよ。
どうしよう。
すると、意を決して若い男性がすぐに線路に助けに行ったんですよ。
危険をかえりみず、勇敢でしたね。
そして、倒れた男性をホームに引き上げて、自分もホームに戻ったのですよ。
幸い、それまでに電車が来なかったのです。
そして、助けた男性は名前も告げずにさっさといずこかへ行ってしまったのですよ。
かっこ良かったですね。
私:死んだら、新聞、ラジオ、テレビのニュースになるけど、助かったらニュースにならないんですね。
そんな会話があって、何日か過ぎた後の『芝の部署』でのことです。
朝一番で、社内の電話が鳴ったのでした。
マネージャーが電話をとりました。
『芝の部署』のマネージャー:そうですか。わかりました。ご丁寧にご連絡をいただき、どうも有り難うございます。
電話が終わり、マネージャーが皆に言いました。
マネージャー:内の若い社員が朝の通勤途中で人助けをしたとの報告がバス会社からあったのです。
なんでも、彼がバスを降りる時に乗客の一人が倒れたのだそうです。
そして、意識がなくなったそうです。彼とバスの運転手が対応し、彼がすぐに救急車を呼ぶ手配をしたそうです。 そして、救急病院で手当てをうけたのですが、心筋梗塞だったそうです。
もし、対応が遅れれば命がなかったかもしれないとの事でした。
バス会社としては、このことで彼が会社に遅刻してお咎めがあってはいけないと連絡して来たのでした。
マネージャーは(出張でアメリカのロスアンゼルスにいっている)部長に『部下が人命救助した事実』をEメールで送ったのでした。
そしてこの事実は会社内にニュースとして、知れ渡ったのでした。
その後、私は彼に会ったのでした。
私:凄い人命救助でしたね。会社内で評判ですよ。
彼:どこでも話の種にされてしまって。
彼はとまどっているようでした。
そして、何事も無かったかのように仕事を続けたのでした。
いつでもどこでも若い人の情熱は輝いています。