五能線での夕日
友人と3人で会食したときの五能線での話です。
五能線は秋田県北部の東能代駅から青森県津軽地方の川部駅までの約150キロを結ぶ日本海沿いを走るJRの線です。
私:今度、東北の奥入瀬とか、十和田湖とかに行ってみたいと思っているのです。 東北には五能線があって,観光として有名になっていますよね。
友人:私は東北に行ったときに五能線に乗ったのです。
私:そうですか。 パック旅行にはあまり、そういうプランがないですよね。
友人:そうです。ですから、自分で夫婦二人用の旅館と切符を手配して行ったのです。 行ったのはかなり前のことです。
私:どういう方法で行ったのですか?
友人:奥入瀬、十和田湖、八幡平などの観光後に、JRに乗って、東能代駅を目指したのです。
五能線は一日に数本しか運行していなくて、夕日の見える線は1本だけです。
冬にもなると吹雪などで、不通になる事が多く、無能線とまで言われるくらいです。
私:そうですか。
友人:海に沈む夕日は日本海だけです。 太平洋では海からの朝日は見えますが、海に沈む夕日は見えません。
私:それはそうですね。
友人:日本海でも五能線はほとんど日本海に沿って、列車が走っていて、その海沿いの景観が素晴らしいと言われているのです。 そして、海に沈む夕日こそ、絶景中の絶景と言われているのです。
私:それで、見られたのですか?
友人:それが大変だったのです。
東能代駅まで行くと五能線が事故で予定時刻に出発出来なかったのです。
私:それで、どうなったのですか?
友人:結局、40分遅れで出発することになったのです。 ところが、私が目指した絶景スポットの駅には日暮れて着くことになってしまうのです。
私:それは大変ですね。
彼は駅員に言ったそうです。
友人:私は一日一本のこの電車に乗るのは絶景スポットの駅で海に沈む夕日を見て、写真を撮ることです。 それが、無駄になってしまうではないですか。
何とかしてください。
運転手:分かりました。 私にお任せください。
友人は半信半疑だったそうです。
私:それでどうなったのですか?
友人:列車に乗ると乗客は少なかったのです。 そして、驚いたことに、客席が前後ではなくて、横になっていて、すべて日本海を向いていたのです。
私:しゃれた趣向ですね。
友人:そうです。 出発したら、徐々にスピードを増して、ついに、絶景スポットの駅まで40分短縮して、到着したのです。
私:凄いですね。 今では考えられませんね。 良かったですね。
友人:そうです。 日本海に沈む夕日。 それは素晴らしい光景でした。 感動しました。 そして、そこで手持ちのカメラで写真を撮ったのです。
ところが、あわてていたためか、レンズのキャップをとるのを忘れていたのです。
私:そんな、馬鹿な。 それは、それはとても残念でしたね。
友人:そうなのですよ。 残念!
今度生まれたら
2006年9月
墓参りした後の、帰りのバスの中で、後ろの座席で二人の中年の女性が話しているのが、聞こえてきたのでした。
女性A:あなた、今度生まれ変わったら、男に生まれたい? それとも、女に生まれたい?
女性B:考えたこともないわ。
女性A:私は今度も女に生まれたいわ。 男は大変よ。 男は女を養わなくてはならないでしょ。 そのための仕事が大変よ。 営業の場合だと、成績を上げなくてはならないし。 もし、成績が上がらないと、上司に叱られるし。 残業はあるし、夜はつきあいはあるし、難しいお客様への接待もあるわ。
時には土日も付き合いで、ゴルフもしなくてはならないのよ。
そして、朝から、晩まで働かなくてはならないのよ。
自由時間もないのよ。 勉強しなかったら、出世もできないし。
女性B:そうね。
女性A:それに比べて、女で結婚できれば、生活の心配もないし、大して、働かなくていいのよ。 昼間は暇だしね。
それなのに、隣のアパートの女性は文句ばかり言っているのよ。
昼間は夫の悪口ばっかりよ。 生活を支えてもらっているのは誰のお陰と思っているのかしらね。
以上の話を友人にしたら、友人は次のように言ったのでした。
友人:その女性はよく、わかっているね。 妻も今度生まれたら、女に生まれたいと言っていたよ。
私の娘は勿論、女ですが、以上のような考えを持っていません。
私:なんで、そんなに、勉強し、仕事に頑張っているの?
女として、楽に生きる選択もあるのじゃない?
娘:私の友人に早くから結婚している人もいるけれど、夫に頼った生活でしょ。
人生は必ずしも、順調な場合ばかりではないし、場合によっては頼りになっていた人がいなくなる場合もあるでしょ。 そうしたら、生きるのが、急に困難になるわ。
結婚すれば、夫に頼っている以上、必ずしも、自由にはいかないわ。自由に物を買ったり、自由に旅行したり、好きなことを自由にできるわけでもないし。
学問、技術と職を持って、自分で稼いでいれば、そのお金をどう使おうと自由でしょ。
リスク回避のために頑張っているのよ。
娘はしきりに女としての自由とリスク回避を強調したのでした。