ニュースから災害時のペット同伴を考える
熊本の地震から10日が過ぎました。
被災地では、まだまだ不安な生活が続いていると思います。すこしでも早く、皆様に平穏な生活が戻る事が出来るよう、お祈りするばかりです。
今回も、ペットとの避難について、考えさせられました。
ニュースで、このような記事がありました。
『ペット連れの被災者が行き場に困っている。
一般の避難所では鳴き声や糞(ふん)尿(にょう)をめぐるトラブルが絶えないためだ。
熊本市は「殺処分ゼロ」をいち早く掲げた“動物愛護先進都市”。ペット連れの避難者を受け入れる動物病院も登場しているが、疲労がたまる避難所生活での“共存”の難しさが浮かぶ。』
人に水がないのに、ペットに水を与えるのか、などの苦情が出ているとのこと。
私達、動物とともに生活している者にとっては、ペットも家族の一員ですが、
ペットのいないご家族にとって、また飼ったことのないご家族にとっては、救急事態に動物に愛情を注ぐことが許されない価値観、、、
をお持ちのかたもいらっしゃいます。
🍀🍀🍀
のっぽ動物病院のFacebookでも取り上げていますが、環境省は今回の災害を受け、
ペット同伴で避難できる、災害時のガイドラインを作成しました。
このようなガイドラインが出来た事は、ペットをお連れの方々にとって、非常に助かるニュースとなりました。
『環境省は21日までに、大災害時はペットの犬猫は飼い主と一緒に避難させることを原則とし、地方自治体に態勢整備やルール作りを促す「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン(指針)」を作成した。』
しかしこれはガイドラインであって、法律ではありません。
また、ガイドラインに記載されている、とは言っても、ペットのご家族様が周囲の目を気にしていると、やはり心身ともに落ち着かず、負担がかかるのではないでしょうか。
避難所への同行も、一週間位が限界のような気もします。
個人でこのような活動をされている動物病院もあります。
本当に頭が下がります。
熊本市の龍之介病院さんのニュース。
🍀🍀🍀
また、福岡県獣医師会が、熊本県獣医師会を支援し、一時的にペットを保護したニュースもありました。
その後も、Facebookやtwitterでは、支援や連携プレーが多く見られ、同じ日本獣医師会員としてとても心強く思いました。
『広がる支援 福岡県獣医師会が犬猫一時保護 /福岡』
毎日新聞より
災害時に「連携を取り、協力していく」という事がどれだけお互いの励みになるか、再確認した次第です。
公益社団法人としての獣医師会が、
災害時に認められた形の『ペット専用の避難所』を作り、
獣医師達が中心となり、ペットのお世話をできる環境を作るのが1番良いのではないかと思うのです。
湘南獣医師会では、その為の候補地が上がっており、更に話を固めていこうとした折の、今回の熊本地震でした。
🍀🍀🍀
2012年、我々湘南獣医師会が鎌倉市と災害時の動物救護活動に関する災害協定を結んだ折の記事です。
災害時のケアが出来るよう、皆で知恵を出し合い、ペットとご家族様の負担が減る方法を考えていかなければならない、と改めて考えています。
皆様のご意見なども、是非お待ちしております。
のっぽ動物病院の花壇です。
すこしでも皆様の気持ちが和らぎますよう…。
のっぽ動物病院 院長 永田浩之