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オープン1年目

2019.12.30 22:03


12月28日、今年最後の営業を無事に終えることができました。

Kikusaさんの注連縄を飾って、また来年に向けて気持ち新たにさせて頂きました。


1月にオープンして、気が付けば年の瀬。

流されるまま、皆さんに後押しして頂きながら、この一年を乗り越えさせて頂きました、本当にありがとうございます。


ただただ日々全力で走った一年でしたが、年末を迎え、オープンからの1年を振り返ると、本当に目の前のことに精一杯で、toiというお店が一体何なのか、自分達でも分からなくなりそうでした。


当たり前のごとく、パンとコンフィチュールを取り扱うお店なのですが、なぜ対面販売なのか、なぜあの場所なのか、なぜ有機小麦を自家製粉なのか等々、自分たちの想いが一体どれくらい皆さんに伝わったのか、感じて頂けたのか、疑問です。


あのような場所でお店を始めたことで、話題性だけが先行し、肝心なものがどこか抜けているような、でもそれをどうにかできる力もなく、言葉にできない感情のモヤモヤを隠しながら日々を過ごしていた気がします。

メディアに取り上げて頂いたり、取材して頂くことが増えると、忙しそうですね、人気店ですね、とか、お店お客さん並んでるんでしょとか、パンあまりないんでしょ、って、噂だけが独り歩きしているのをひしひしと感じながら、あぁ~、そんなもんなのかなぁと。



一体何の為に、パンを焼いているのか。


日々売れ残るパンを前に、自分たちのやっていることに不安を抱きながら、それでも毎日パンを焼くことが、果たして誰かの、何かの為になっているのか、考えざるを得ません。

「趣味でやっているんですか?」とか、「普通のパンないの?」とか言われてみたり、時には入ってすぐに帰られる方もいらっしゃいました。

でも、「頑張ってくださいね!」とか、「応援してます!」とお客様に言って頂くと、うしろ向きになった気持ちをぐっと逆方向に向けることができたり、もっと喜んで頂けるように頑張ろうと、目の前を大事にする気持ちを改めて持ち直す日々でした。

地元でもあまり知られていない場所にお店があったり、薪窯だったり、自家製粉したり、イーストを使わなかったり、有機の小麦だけを使っていたりと、「ネタ」としては事欠かないお店かもしれません。


でも、その背景って、私たちが考えるほど、あまり意味をなしていないという現状を、

私たち自身が認めないといけないことを痛感しています。


じゃあどうするのか?


どうするんですかね(笑)


toiが大事にしたい想いが、皆さんにとっても大切なことかどうかは分かりません。

価値観なんて人それぞれ、そもそも伝わると思っていること自体がナンセンスなのかもしれません。


でも、黙っていれば良いのかというと、そうではないんですよね。

だからこそ、伝える努力を!

これが来年わたしたちの課題です。


今さらですが、「toi」は、

t…繋がるということ

o…美味しいこと・面白いこと

i…命を頂くということ

を繋ぎ合わせた言葉です。


来年はもう少しだけでも、toiのことを掘り下げて感じてもらえうように頑張ります!

といっても、夫婦二人で営む小さなお店、あまり期待はしないでくださいね(笑)


それでは皆様良いお年をお過ごしください。