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「宇田川源流」 令和二年の年初放談「波乱万丈の世界情勢」

2020.01.04 22:00

「宇田川源流」 令和二年の年初放談「波乱万丈の世界情勢」

 この年初放談も本日で終わりにするのであるが、まあ単純に言って、「世界情勢」は「混沌(カオス)」であるといって過言ではない。ある意味で東西冷戦時代などの方がわかりやすかったという気がするが、ネット社会で、様々なところが様々なことを発信し、またネット社会というのは「自分の都合のよい情報だけを選択して入手する」ということのツールであるからマイナスの部分や自分の理解の範疇を超えた部分の情報は入ってこないということになる。

そのことは二つのことを多くの世界の人々に影響数r。一つは「同じ考えの人々のコミュニティができ国家や大きな大同団結的な組織ではうまく動けなくなる」ということになる。単純に人間というものは「身近な小さな不満を大きく発信する」ということになるので、なんでもないことが大きな事件になり、そして、それが「不公平感」とか「人権」というような問題になって戦争にまで発展する。「原因は大したことはないがなぜか大きな争いになった」問うようなことはよくあるが、これは人間のこのような性質によるものであり、そのことが大きな様々な人為的な災禍を引き起こす。特に宗教や民族が複雑に絡み合っている世界情勢では当然のことのようにそのような感じになるのである。

そしてもう一つが、「フェイクニュース」である。これは「故意にフェイクを流す」ということと「本人の思い込みで、過失によるフェイク」と二つ存在することになる。そしてそのフェイクが流されることになり「違いない」などのありえない陰謀論を生み、そして疑心暗鬼を作り出すのである。

まあ、これが大きな内容になる。そのような場合、政府やマスコミがしっかりとしていればよいのであるが、残念ながら、そのようにはなっていない問うことが大きな問題、というかマスコミも、ネットの方に流されて「故意ある思い込み」の報道を行うようになってしまうということになるのである。

さてそのような基本を見て昨年の標語を見てみましょう。

<平成31年 国際関係の標語>

・ 東アジアに関しては、トランプ大統領があと二年ということもあり、中国も北朝鮮も「面従腹背」の状態で何とか「トランプの嵐」をやり過ごそうとするが、実際にはアメリカではすでにアジアの共産主義破壊をもくろんでおり民主党政権になっても、トランプが継続しても米中対立は続く。その中で日本は、「旗色を鮮明にするように迫られる」状態になる。韓国はその中で、中国側に張り付き北朝鮮との関係しかできない状態になり、東アジアは東北部から崩れ始めてゆくが、今年いっぱいは「曇天」のまま何とか過ごすのではないか。

・ 中東やアフリカにおける日本への期待はさらに高まり、また、その内容は東南アジアにも広がることになる。しかし、日本はこれらの国々では中国だけではなくインドも嫌われていることを認識せず、結局中東やアフリカの期待に応えられない中で9月にアジア・アフリカ会議を行う。金額以外に目標の無い定見関係が続き、中国が足元を見た半日外交を繰り広げる形になる。

・ ヨーロッパでは、フランスのマクロン政権が正念場を迎え、また、メルケルだけではなくドイツでもCDUに対するマイナスの感情が非常に大きく出てくることになる、しかし、フランスとドイツは、電気供給などで連携が取れているので、その一角が崩れることはなく、イギリスとの関係上EUは安泰であるかのような外見を整える。しかし、その内情はひどく、外見を整える無理が2020年以降のマイナスにつながる。

 まずは第一の標語である。

中国と北朝鮮の面従腹背は、まさに今その農隊になっている。1月15日にはアメリカと中国の間の経済協定が結ばれる見通しになっているが、そのことが根本的な解決になっていないことはだれの目にも明らかであるし、北朝鮮はすでに混乱化しているということになる。まあ、トランプ大統領の「共産主義破壊」は、そうしなければ彼のビジネスもまたアメリカも上手くゆかないということであり、共産主義崩壊の後の「開発事業」が一つの大きな世界的(トランプ個人ということではなく)経済刺激策になることは明らかである。日本は当然に気色鮮明にすることを迫られ、安倍首相は日米同盟の重要性を再三再四主張しているが、自民党の中には二階俊博幹事長を含めいまだに中国との友好関係にこだわる人がいて、その口利きをした秋元司元総務副大臣が足元をすくわれ、今後中国企業から金をもらった5名の政治家があぶりだされ、そのうえで、大規模なチャイナゲート事件に反転する。韓国は、まあここにある予言通りに中国に頼りまた北朝鮮に活路を見出したが、残念ながら日本という後ろ盾を失って、企業が完全におかしくなり、文在寅政権は完全にレームダック化している状態である。

まさにこの第一の標語は「怖いくらいに当たっている」ということになるのではないか。自分でも、こんなことを言っていたのかと驚くばかりである。

では第二の標語である。

中東やアフリカで日本の期待感が強まっていること、そして中国が嫌われていることは間違いがない。同時に、日本はなぜか中国を気にして、あまり独自に動くことがないので、これらの国々との間でその期待に応えられていない。日本企業や経済界が、「中国離れ」を期待されているのは、まさに、アメリカからだけではないというような状況になっており、そのような状況が完全な内容になるのでないか。経済は地涌といいながらも日本の政治と全く逆の方向を向いて走り、そして、アメリカから目をつけられて、そのうえで、日本瀬オフに保護を求めても、さすがにそこは自己責任ということになるのではないか。多くの人が中国の危険性を言っているにもかかわらず、そのような状況を考えないこと自体、非常におかしなものである。

ある意味で二つ目の標語もしっかりと「当たっている」ということになる。

では第三の標語を見てみよう。

先に行っておくが、この三つ目の標語も「完全に当たっている」ということができる。我ながら、自分の予言がまさにそのようになっているのがなかなか面白い。

あまり日本では報道されていないが、フランスでは大規模なストライキとデモが発生しており、そのためにマクロン政権は完全にレームダック化して窮地に立たされている。一方ドイツも、すでにメルケル首相が国政をうまくコントロールできない状態になっているがEUそのものはなんとなく安泰であるかのような状況になっている。そのような中で1月31日にイギリスがEUを離脱する。今年はEU崩壊元年となるのではないかといわれており、まさに、そのような兆候は大きくみられることになる。もしも崩壊が止まるとなれば、それはイスラムあるいはロシアのEUへの進出ということになるが、それもオリンピックですべて棚上げになるのではないか。まあ、そのような意味で、EUはある意味で窮地に立たされていることは間違いがなく、イギリスが大きく動くことになるのではないか。

さてこのように見てくれば「中国」「北朝鮮」「EU」という「社会主義・全体主義・集団主義・グローバリスト」が崩壊するというような流れが大きく見えている。実際に、それらの流れは、あまり大きな内容になっているものでもなく、また、そのような報道も学説もあまり出てきていないことになっているが、しかし、スコットランドやカタルーニャの独立運動を見ていればわかるように「細分化される世界」「緩やかな連合体による政治」が行われるということになり、グローバリズムとエスニシズムの大きな争いが出てくることになる。人権を重視しながらグローバリズムにすること自体が格差を生むことになり、ある意味でエスニシズムを否定しきれない潮流が生まれているということになる。

同時にトランプ大統領を含め「多くの国家がその方向性を支持する」ということになる。そして「国家」ということがまた大きく見直されることになるではないか。21世紀型国家の新概念が生まれるようになり、そこに向けて徐々に集約されてゆく、今はまさにその「端境期」になるのではないか。

世界は、俗にいう「Great ZERO」つまり「大国無き世界」となってから、世界は、しばらくの間「テロとの戦い」というような標語を使って「見えない仮想敵」を作っていた。しかし、この「テロとの戦い」を使って国力を伸ばしたのが、中国共産党の勢力である。「great」になり切れない「極」が存在するが、一方で建具指摘には「グローバリスト」「ナショナリスト」とともに「エスニシズム」が台頭しつつある。エスニシズムとは、まさに「民族自決」「民族独立」であり、つまりは、イギリスにおけるアイルランドやスコットランド、スペインにおけるカタルーニャ、中国におけるウイグル・チベット、内モンゴル、ロシアにおけるチェチェンやコーカサス、サハ共和国など、またはイラク北部やトルコの一部を舞台にしたクルド人の御区立などの独立運動であり、そのほかにも様々な「民族独立運動」が存在する。現在はテロリストといわれるものの中にも様々な「民族自決運動」が存在し、それらは第二次世界大戦以前の欧米による植民地主義、そしてその植民地区割りによる近代国民国家政策によるナショナリズムが存在しない「部族」や「遊牧民」というような血族的な集団や民族的集団で独自の生活習慣や紛争解決集団が存在するというような場合に、その内容がしっかりと出てくることになるのである。

 まさに横串的には、国家における「極」または「大国を目指した覇権主義のぶつかり合い」があり、それが顕在化してきている。これは米中貿易戦争やアメリカにおけるロシアゲート事件というような話があり、また、中国覇権主義や香港民主化弾圧に対する国際的講義などにも表れているということになる。このように見てくれば、ブレグジットやロシアにおける工作なども様々に見て取れることになるのではないか。

 一方縦軸として考えられるのは、上記にも上げた「民族自決」でありスコットランド独立などの動きが活発化してくることになる。その縦軸も「民族」だけではなく、その同じ民族が「キリスト教とイスラム教」というように、宗教で分裂するなどより個人主義的な、または血族的な細分化による自決権が出てくるのではないか。

 このほかにも「遊牧民」や「キャラバンとオアシス国家」など、ネットなどの道具の規模が大きくなればなるほどこれらの動きが大きくなってくる。特に、もともとは「国家における統一通貨」ということによって、通貨の統合や両替や為替の問題が出てくることによって、国家や政府が商業や貿易を管理することができていたが、カード決済(日本でも中国の聯銀カード決済が多くの店でできている)や暗号通貨などによる決済ができるようになり、または翻訳機などによって言語的な隔たりが薄くなってくれば、より一層これらの「細分化」が進むことになる。

 逆に細分化が進んだ世界になると、イギリスのコモンウエルス 的な「緩やかな国家連合」と「中心的権威における心因的(敬意)支配」が力を発揮する時代になってくることになる。

 日本国において、これらのことを先見的に考え例えば天皇という「中心的権威と心因的支配」ができるような政治的な動きや国際的な動きのできる政治家がいれば、もう少しまともな外交と国際関係ができてくることになると思われるが、実際に、そのような戦略的な動きは情報がなければ何もできないので、これらの動きはかなり難しいものと考えらえる。

 このような観測の中で令和二年の世界情勢を見てゆきたい。

・ オリンピックまでは派手な動きはない。そこで2019年の動きの終結とそれを取り巻く国内環境の整備に多くの国が動くことになる。一つには、イギリスのブレグジットを中心にした動き、イランの核疑惑に関する動き、そして米中貿易戦争の「一時棚上げ」問うことに関する動きが大きく流れることになる。

・ 国内整備ということに関しては「アメリカの大統領選挙」と「中国のポスト習近平をめぐる争い」が大きく動き、イギリス亡き後のEUの混乱ということが大きな課題になる。いずれも内向的な政治になってくるが、それが外交的な動きになる時には、国内調整がうまくいっていない状況からの物であり、日本はそれらの一挙手一投足に右往左往することになる。

・ テロはバグダディの死によって治まる方向性があるが、香港のデモ、憂い売るなどのデモ、スコットランド独立の動き、カタルーニャの政変、など、様々なところで大きな「独立運動」が起きるようになる。台湾と中国共産党の関係も大きな問題となり、これらがオリンピック後に大きな混乱となって出てくることになる。戦争にまでは発展しないものの、一触即発の状況が続いて令和二年が終わるのではないか。

 まあ、少し過激に書いてみたが、結局最終的には「中国はいつ暴発するのか」「ロシアはどのように動くのか」「中東のテロは終わるのか」そして「アメリカ大統領選挙はどのようになるのか」ということが大きな基軸になり不確定要素が多いということになるのではないか。いずれにせよ「激動」と「カオス」の元年が令和二年の世界情勢ではないかと思う。そのような中で日本と日本人はどのように動くのか。大きな問題である。