21世紀の歴史――未来の人類から見た世界
d10nLabの平野さんお勧めの書籍、未来予測本、過去の歴史の振り返りとしてちょうど良いと思います。超国家や超紛争、超ノマドなど、現状の世界にどっぷり浸かった脳みそでは受け入れる難い考え方かもしれませんが、数十年先には当たり前の世界観になっているのだろうと感じます。
■階級
中心都市には必ず「クリエイター階級」と言われる存在が居た。海運業者、起業家、商人、技術者、金融業者である。この中心都市は、経済危機や戦争の勃発により他都市へ移動。
■市場形式の変遷の辿り方
・中心都市の推移9つ
ブルージュ→ヴェネチア→アントワープ→ジェノヴァ→アムステルダム→ロンドン→ボストン→ニューヨーク→ロスアンゼルス
・大量消費財の登場
食品→衣服→書籍→金融→運輸手段→家庭用電気製品→コミュニケーション・娯楽手段
・テクノロジー進展
船の舵→キャラベル船→印刷機→会計→オランダ船→蒸気機関→内燃機関→電動器具→マイクロプロセッサ
・支配的通貨
グロ金貨→ダカット金貨→ギルダー→ジェノヴァ通貨→フローリン→リーブル→ポンド→$
■台頭する国家
・経済的・政治的勢力を持つ11ヶ国
日本、中国、インド、ロシア、インドネシア、韓国、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、ブラジル、メキシコ
・経済成長を見込む20ヶ国
アルゼンチン、イラン、ベトナム、マレーシア、フィリピン、ベネズエラ、カザフスタン、トルコ、パキスタン、サウジアラビア、アルジェリア、モロッコ、ナイジェリア、エジプト
・小国だが重要
アイルランド、ノルウェー、ドバイ、シンガポール、イスラエル
■国際貿易
20年後にアジア地域での生産は世界の半分以上
コンテナ船用の港上位20港のうち、13港はアジア地域(上海、香港、シンガポール、名古屋、釜山、台湾、ダンピア、など)
■各国状況
・中国→数億人が中産階級、2025に一人当たり所得は6000ドル、法整備が急務、共産党の権力は崩壊(歴史上、70年以上権力を握る政権は存在しない)
・インド→2025に人口No.1、タタ・インフォシス・ミタルは世界的企業へ
・日本→超高齢化、1000万人以上の移民受け入れが必要
・韓国→アジア最大の勢力、北朝鮮の脅威への対応
・ベトナム→アジア第3位へ、政治・銀行・教育の改革
・インドネシア→100に及び民族間の緊張関係、汚職、教育制度
・ロシア→世界最大産油国、国家財政の半分
・メキシコ/ブラジル→巨大農業、農産物、不平等問題、汚職、教育、公共セクター改革
・アフリカ→資源大国、乾燥地帯、人材流出、1人GDPは世界の1/4を維持
・アラブ→GDP微増、人口急増、政治・宗教・女性人権の問題
■将来有望産業
保険業→国家の社会保障の補完、BOP層へのマイクロ保険
娯楽産業→不安定な現実から距離を置いてホッとしたい
■人口移動
途上国の国内で最も激しい、農村部から都心部へ
1950に100万人以上の都市は80、2015で550
2007に世界の人口の半分は都市部で生活
2015に時の区1000万人を突破する都市は2008の16から24へ(サンパウロ、メキシコシティ、ムンバイ、上海、リオデジャネイロ、コルカタ、デリー、ソウル、ラゴス、カイロ)
■21世紀の企業の在り方
企業の寿命は人々の寿命よりも断然短くなり、決められた努めを果たす専門能力を持つ者が集められる。勤務体系の柔軟性は増すが雇用自体は不安定となる。
劇団型企業の特徴として、劇団(企業)は、観客(顧客)が存在する限り劇場(企業を向かえる市場)で活躍する。劇団(企業)は、一つの演目(製品)を演じた後、解散する。
■調和重視企業
市場では解決のつかない問題を扱い、民主主義のグローバル化によって市場のグローバル化とのバランスを取り世界の行方を修正していく、のが調和重視企業(≒NPO)となる。
最初は政党や労働者組合が担い、赤十字、国境なき医師団、国際ケア気候、グリーンピース、WWF、途上国のNGOなどに移行していく。