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生活意識の変化:ミニマリズム(Minimalism)

2020.01.03 01:07

 アメリカのライフスタイルで大きな変化を感じられる言葉に、ミニマリズム(Minimalism)という生活スタイルがあります。これはビーガニズム(Veganism)のような、個人的な思想や哲学をライフスタイルに取り入れたものであります。
 ミニマリズムとは、いったいどのうようなライフスタイルなのでしょうか。

ミニマリズムとは・・・

 生活空間は、様々な物で溢れてます。それらの中で、本当に必要な物はどれくらいあるのでしょうか。本当に必要な物とは、いったいどんな物であるのか。

 このように、生活している空間にいつも存在している物について、個人の思想や哲学に沿って、必要な物と不必要な物に分けて、不必要な物を生活空間から排除して、必要なものにだけ絞り込んで生活する思考をミニマリズムと言い、そのような生活をしている人をミニマリストと言います。


 つまり、ミニマリズムというのは、

 「私たちが最も重視する考えに関する物を意図的に促進させて、それ以外の物をを取り除き、その考えを逸らす物を身の回りから排除させることで、考えに沿った生活に集中するライフスタイル。」

 と言われています。


 一説には、日本の伝統的な生活スタイルを意識されて取り入れられたとも言われています。アメリカのミニマリストから見ると、日本の伝統的な生活空間はシンプルなデザインで構成され、その空間は必要最小限の物から成り、何らかの形で自然界と通じている物が多いとの認識のためです。

 自然に還る素材であったり、品質が良く長持ちすることも、この思想では重要な要素のようです。



昔は大邸宅で物に溢れた生活をしていた・・・

 アメリカの住宅事情は、1980年以降に建てられた住宅のうち1/4は、マック・マンションと呼ばれる量産型の大型分譲住宅です。まるでマクドナルド店舗のように画一的な大邸宅なので、マック・マンションと呼ばれてます。

 マック・マンションの目玉は、何と言ってもその広さで、床面積は最低でも約280平方メートルと広々とした玄関ホール、そして室内にはシャンデリア、庭にはガレージと、アメリカのドラマに出てくるような住宅イメージが特徴となってます。外観や内装は豪華な印象を与えるデザインとなっていますが、実際は安い建材で作られていて、施工品質も悪いなど、いかにもバブルっぽい住宅となってます。

 この住宅は、リーマンショックが起きるまで促進され、リーマンショックから7年経った2015年あたりから、再度サブプライム層がローンを組めるようになり、再び過熱していました。

 大邸宅という周りからの見た目などの評価を気にしてローンを組み縛られることで、ライフスタイルにおける自由度が下がってしまうより、個人が重視する事に関する最小限の物だけに囲まれて、それを収められる最小限の空間に居住して、ライフスタイルの自由度を高める生活、それがミニマリズムです。

 

 ミニマリストから見ると、高額なローンを組み大邸宅に住む事で、周りの評価を得られたとして何の意味があるのか?となるでしょう。

 それよりも、自分自身が評価できる生き方において、不必要な物を排除して、必要最低限の物だけに絞り込むことで、最短で目標を達成する方が価値があると考えることでしょう。



このままミニマリストが増えると・・・

 ミニマリストが大多数となった場合、アメリカの経済は衰退するという経済学者もいます。しかし、大量消費によって成り立ってきた経済に幸福があったのか?という反論もあります。このように、ミニマリズムと経済との関係を考えた場合、アメリカでは様々な議論が飛び交ってます。

 しかし、ミニマリストは不必要な物を買わないと言っているだけで、消費を否定しているわけではありません。

 ミニマリストは、人生での経験を重視します。コンサートや博物館というような経験以外にも、外食も経験のひとつとして重視されています。持つ事より経験を重視しているため、経験を得られる機会には、抵抗なく消費します。外食においても画一的なファストフードより、オーナーやシェフが拘りを持った他には無い空間の方に、消費が促進されています。

 アパレルにおいても、大量消費のファストファッションより、地球環境を考えている思想ある製品に消費傾向があります。安価な物より、長持ちする品質の良い物が好まれます。

 旅行においても、多くのミニマリストは旅行を「究極の体験」と呼び、純粋にライフスタイルを追求する人もいます。

 このように、消費するところには、しっかり消費しています。



アメリカに限らず・・・

 日本もこのような思想が増えてくると思います。ビーがニズムもアメリカで増えて一般的になってきた時に、日本も同様でもビーがニズムが増えています。

 ある国の特有な流行ではなく、時代の変化に応じて世界である種の思想が一気に広がる時代です。すぐに日本にもミニマリズムが一般的に聞こえてくるワードになることでしょう。

 これだけ物に溢れて経済的に豊かな生活が、個々の幸せとは限らない。ではどうするか・・・それは、個人の思想や哲学が、個人で実行できるイズムを実現する。

 そのような流れなのかもしれません。