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藤田晋 invitational RTDリーグ

王者の逆転トップ! WHITE DIVISION 第1節 1回戦A卓レポート

2016.04.27 11:00

4/23(土)20:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて配信された、RTDマンスリーリーグWHITE DIVISION 第1節 1回戦A卓の様子をお届けします。

対局者は、起家から順に

藤田 晋(サイバーエージェント代表取締役社長)

小林 剛(麻将連合μ)

佐々木 寿人(日本プロ麻雀連盟)

瀬戸熊 直樹(日本プロ麻雀連盟)

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。


いきなりだが、麻雀クイズの時間といこう。

オヤが7巡目の8mチーから仕掛け始め、あっという間に3フーロ。

この手、残る4枚は何だろうか。

なお、残る役牌は白、發、中で、中がドラ。2mをポンして打った8pが最終手出しである。

付け加えると、發王戦というビッグタイトルの決勝戦、まだビッグタイトルを持っていない若手の手牌。要は、人生がかかった大一番だ。

中と何かのシャンポン?

はたまた、白や發とのシャンポンで威圧込みの連荘狙い?

正解は・・・・







競技麻雀において、私には生で見た忘れられない手牌が2つあるが、そのうち1つがこれ。

この手牌の主、それは今から10年前の2006年、当時若手の有望株と目されていた瀬戸熊直樹である。

全6回戦の3回戦が終わった段階で、暫定トップの藤中慎一郎(現RMU)が三連勝。瀬戸熊との点差は200ポイント(20万点)ほど開いていた。

その場にいた誰もが、ディフェンディング藤中の連覇を思い描いた。

そんな藤中一辺倒の空気を完全に変えたのは、瀬戸熊のこの仕掛けだと私は思っている。

この仕掛けで三元牌を抱えた3者を立ち往生させ、必死にオヤ権をつなぎとめると、大連荘の末に大トップ。

たった2半荘で20万点差をひっくり返し、最終戦勝負に持ち込むと、逆に3連勝目を決めて發王位をもぎとったのであった。

今思えばこれが、現在「くまくまタイム」と呼ばれる瀬戸熊の大爆発を、初めて目撃した瞬間だったのかもしれない。

これほど破天荒で泥臭いことを必死でしていた若手と比較すると、現在の瀬戸熊はかなり王道を行っている。

そして、まぎれもないトッププロにまで自らを高めた。

正に「王者の風格」である。




そんな瀬戸熊が、この開幕戦では南3局を迎えてラスに甘んじていた。

しかし、当然焦りなどみじんも感じさせず、仕掛けるべき手を仕掛け、リーチすべき手をリーチする。

今局でも、ドラアンコから仕掛け始めると、佐々木のリーチをかわしてマンガンツモ。ようやく一撃が炸裂した。

そして、オーラスのオヤ番では、カン4sリーチを力強くツモって4000オール。

ど真ん中からごぼう抜きしての逆転トップを決めた。

しかし、まだまだ余力を残している、そんな表情に見えてしまう。

あのときの、大逆転に比べれば。

まずは現役最強との呼び声の高い瀬戸熊が、逆転でトップスタートを切った。

序盤からいきなり突き抜けてしまうのか!?

王者の打牌に括目せよ。

鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)