王者の逆転トップ! WHITE DIVISION 第1節 1回戦A卓レポート
4/23(土)20:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて配信された、RTDマンスリーリーグWHITE DIVISION 第1節 1回戦A卓の様子をお届けします。
対局者は、起家から順に
藤田 晋(サイバーエージェント代表取締役社長)
小林 剛(麻将連合μ)
佐々木 寿人(日本プロ麻雀連盟)
瀬戸熊 直樹(日本プロ麻雀連盟)
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
いきなりだが、麻雀クイズの時間といこう。
オヤが7巡目の8mチーから仕掛け始め、あっという間に3フーロ。
この手、残る4枚は何だろうか。
なお、残る役牌は白、發、中で、中がドラ。2mをポンして打った8pが最終手出しである。
付け加えると、發王戦というビッグタイトルの決勝戦、まだビッグタイトルを持っていない若手の手牌。要は、人生がかかった大一番だ。
中と何かのシャンポン?
はたまた、白や發とのシャンポンで威圧込みの連荘狙い?
正解は・・・・
競技麻雀において、私には生で見た忘れられない手牌が2つあるが、そのうち1つがこれ。
この手牌の主、それは今から10年前の2006年、当時若手の有望株と目されていた瀬戸熊直樹である。
全6回戦の3回戦が終わった段階で、暫定トップの藤中慎一郎(現RMU)が三連勝。瀬戸熊との点差は200ポイント(20万点)ほど開いていた。
その場にいた誰もが、ディフェンディング藤中の連覇を思い描いた。
そんな藤中一辺倒の空気を完全に変えたのは、瀬戸熊のこの仕掛けだと私は思っている。
この仕掛けで三元牌を抱えた3者を立ち往生させ、必死にオヤ権をつなぎとめると、大連荘の末に大トップ。
たった2半荘で20万点差をひっくり返し、最終戦勝負に持ち込むと、逆に3連勝目を決めて發王位をもぎとったのであった。
今思えばこれが、現在「くまくまタイム」と呼ばれる瀬戸熊の大爆発を、初めて目撃した瞬間だったのかもしれない。
これほど破天荒で泥臭いことを必死でしていた若手と比較すると、現在の瀬戸熊はかなり王道を行っている。
そして、まぎれもないトッププロにまで自らを高めた。
正に「王者の風格」である。
そんな瀬戸熊が、この開幕戦では南3局を迎えてラスに甘んじていた。
しかし、当然焦りなどみじんも感じさせず、仕掛けるべき手を仕掛け、リーチすべき手をリーチする。
今局でも、ドラアンコから仕掛け始めると、佐々木のリーチをかわしてマンガンツモ。ようやく一撃が炸裂した。
そして、オーラスのオヤ番では、カン4sリーチを力強くツモって4000オール。
ど真ん中からごぼう抜きしての逆転トップを決めた。
しかし、まだまだ余力を残している、そんな表情に見えてしまう。
あのときの、大逆転に比べれば。
まずは現役最強との呼び声の高い瀬戸熊が、逆転でトップスタートを切った。
序盤からいきなり突き抜けてしまうのか!?
王者の打牌に括目せよ。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)