宮城蔵王・遠刈田温泉の旅館三治郎さんで過ごした年末年始・前編
2019年12月31日から2020年1月2日まで宮城県刈田郡(かったぐん)蔵王町(ざおうまち)、遠刈田(とおがった)温泉にある『かっぱの宿』旅館・三治郎さんに2泊3日でのんびり過ごして参りました。写真は1月2日の朝7時、日の出から数分後に旅館の5階ロビーの窓から見た遠刈田温泉の町並みと雄大な蔵王連峰の眺めです。
遠刈田温泉はJR仙台駅から南西約45キロメートル離れたところにあり、バスに乗ると約1時間で到着します。私たちは東北新幹線を仙台駅で降り、西口バスターミナル33番に発着する宮城交通高速バス(通称ミヤコーバス)に乗車して遠刈田温泉へ向かいました。バスの便が少ないので注意が必要で、行きも帰りも満席の状態でした。東北新幹線の白石蔵王(しろいしざおう)駅からは約27キロでバスで40分かかります。東京方面からクルマですと東北自動車道の白石インターチェンジから30分ほどで到着するそうです。
遠刈田温泉はとても静かでこぢんまりとしています。でも「蔵王おろし」の風がとても強いので、この時期は晴れていても風花がチラチラと舞っています。
バスの停留所の近くに公衆浴場の『神の湯』と観光案内所のあるちょっとした広場があり、視界が開けています。
観光案内所には入室するスペースがなく、窓口の窓を開けてカウンター越しに中に居る方とご相談する方式です。とても丁寧で親身になってご対応下さいました。
神の湯から300メートルほどの目と鼻の先、緩やかな坂道の途中に旅館三治郎がありました。
明るい曇り空でしたがあられが舞っています。ここが入り口です。
チェックインの午後3時よりも少し前でしたので、しばらくロビーでお茶をいただいてから部屋に通されました。こんなに大きな施設で部屋数は23しかないのはオドロキです。
館内にはあちこちに新年を祝うしつらえがあります。
西館の312号室にもこんなにきれいにお正月の花が飾られていました。
ロビーとレストランのある2階から3階の客室へ行く途中に飾られた沢山の遠刈田のこけしたち。
別のショーケース内には多数の河童コレクション。
客室は4階と5階にもあり、遠刈田温泉の町を望む少し高い立地のため度の部屋からも町並みと山々を見ることが出来るうえ、4階にある温泉施設も全て眺望が良く開放感があります。これは一番西側の『かっぱの湯』、小さいですが露天風呂も備えています。
これは明け方に廊下で撮影したものです。一日中空気が冴えわたっていてヒンヤリした露天風呂ではお湯の温度が絶妙でリラックスしながらいくらでも入っていることができます。夕食前にはこの空に三日月と金星がきらめき、それでいて蔵王おろしで細かい雪が舞っているという何とも幻想的な風景にうっとりしてしまいました。
廊下を西館に向かうと、日中は日帰り客も受け付けている『湯の里』という大浴場と付帯施設があります。
西館にある『かっぱの湯』と『桃源の湯』は男女が時間で交替しますが、こちらは交替しません。
女湯の方に付いている岩風呂は広々としていて、お湯の質も温度もとても気持ちよくて長時間浸かっていてものぼせることがありません。
夕食も朝食も『かまど』という食事処でいただくのですが、細かく仕切られた半個室となっているのでプライバシーが保たれていてよかったです。大晦日のメニューは目も舌も楽しませてくれるもので燗酒が進みました。途中、はずれなしの福引きが回ってきて大盛り上がりです。食後は部屋で少し休んだあと、もちろんまた入浴。そして夜11時には『湯の里』の茶屋にて、別に注文していた年越しそばをいただきました。
おそばをいただいたあと、カウントダウンにロビーに下りたのですが人影はまばら、カウンターに座って心優しい社長さんから枡に祝い酒を注いでいただいてゆったりした気分でお話を伺っていると、静かに年が明けました。こんな密やかな年越しはついぞ経験したことがありませんでした。
元旦の朝は6時前に起床し、着替えて蔵王刈田嶺神社へ初詣。ここから自由が丘遊歩道を上って蔵王連峰の眺望スポットを目指します。前日の雨で遊歩道がしめっていたためか、遊歩道には霜柱がびっしり。さくさく踏みしめているうちに少しずつ東側が明るくなります。
遊歩道から東の山並みを見ると、空が燃えるようです。いよいよご来光です。
初日の出のあと、お日さまが少しずつ上っていきます。
遠刈田温泉の家々の壁にもようやく朝日が当たり始めました。この辺で、『宮城蔵王・遠刈田温泉の旅館三治郎さんで過ごした年末年始』の前編を一旦終了します。後編に続きます。