【名古屋市】有松(緑区)
有松は慶長13年に東海道鳴海宿と池鯉鮒宿の間に尾張藩によって茶屋集落として開村。
東海道を往来する旅人の土産物として絞り染め(有松絞)が考案され、生産と販売により町が繁栄した。
天明4(1784)年の大火で焼失後に再建されたのが現在の町並みで、緩やかにカーブした街道沿いに紋問屋の商家が並び、シークエンス(景観の連続性連続性)を感じさせる街並みである。
大火の教訓で、旧来の茅葺き屋根を瓦葺に改め、壁や軒裏を塗籠とし、卯建を設けるなど防火に配慮した商家が多い。
平成28(2016)年、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
【名古屋市】有松「竹田家住宅」(緑区)202001
名古屋市指定文化財の竹田家は、慶長13(1608)年創業の有松絞り問屋。
主屋が1階が連子格子、2階が虫籠窓のある黒漆喰塗り。
しかし、圧巻なのがそれに続く黒漆喰塗りの土蔵だろう。
【名古屋市】有松「服部豊家住宅」(緑区)202001
服部家は、「井桁屋」の屋号で寛政2(1790)年創業した有松絞り問屋。
「竹田家」と同様に、東海道沿いに広い間口の敷地を持ち、中央に二階建ての主屋を配し、井戸屋形、門、土蔵など11件が愛知県文化財指定を受けている。
なお、写真右奥にも白壁の土蔵が見えるが、こちらは別名義のものだという。
服部豊家住宅に2つの土蔵が並ぶが、右側は分家の「服部良也家」の土蔵。
【名古屋市】有松「小塚家住宅」(緑区)202001
文久2(1862)年頃築、小塚家か寛文年間に有松に移住し、「山形屋」の屋号で有松絞の商家として明治まで営んでいた。
切妻平入2階建ての主屋に表蔵が並び、主屋には海鼠壁や虫籠窓が見られる。
【名古屋市】有松「岡家住宅」(緑区)202001
幕末に建てられた「岡家住宅」は主屋の間口が広く、2階に優雅な塗籠漆喰塗の縦格子窓がある。
一棟の住宅としては有松で一番大きな建物である。
【名古屋市】有松(緑区)202001
商家に挟まれている細い路地。
路地沿いにも二重に蔵造りが続き、間口のみならず敷地の奥行きの広さも感じさせ、絞商家の富の高さをうかがわせる。
【名古屋市】有松「中濱家住宅」(緑区)202001
元々は明治5年から絞り問屋「ヤマヨ」を営んでいた山田家の所有だった。
平成16年に中濱家が有松絞販売の店舗兼用宅として購入した。
国登録有形文化財。
【名古屋市】有松「神半邸」(緑区)202001
「中濱家住宅」の並びにある絞り問屋「神半半次郎邸」。
最近までベーカリーとして利用されていた。
【名古屋市】有松「唐子車山車庫」(緑区)202001
有松には3か所の山車庫があり、氏神である「有松天神社」の大祭で繰り出される山車が保管されている。