宮城蔵王・遠刈田温泉の旅館三治郎さんで過ごした年末年始・後編
2020年の元旦を遠刈田温泉にある旅館・三治郎さんで迎え、初日の出を遊歩道で眺めるところまでお伝えいたしました。ここから後編に入ります。まずは元旦の早朝、旅館の後ろにある遊歩道でのご来光シーンをもう一度。
自由が丘公園遊歩道というちょっとした登山道を、霜柱をミシミシと踏みしめながら登ったところで、木々の間から初日の出を目にすることが出来ました。
展望スポットの足元には霜がびっしり。ここにはちっちゃな湯神神社と古峯神社がありました。もう少し西へ向かうとビオトープ公園がひろがります。
陽が昇って蔵王連峰も明るくなってきました。西へ向かって進んできた遊歩道を南に折れて今度は下っていきます。
遠刈田公園のキャンプ場から国道457号線に出ると、可愛らしい建物が見えます。遠刈田幼稚園です。その後ろの蔵王連峰には雪を被った屏風岳も見えました。国道沿いに旅館へ戻ります。
もう一度、蔵王刈田嶺神社の前を通って・・・。
旅館の玄関に着くと、ちょうど餅つきで盛り上がっていました。さあ、すっかりお腹が空いたので元旦の朝食をいただきましょう。
食事処ではきれいに朝食が並べられていました。柿なますや昆布巻き、数の子、松前漬けや黒豆に美味しいカサゴの干物です。
そうこうしているうちに、つきたてのお餅で出来たお雑煮とあんころ餅も配膳されました。何もかも美味しい。
実はこのあとすみかわスノーパークが主催する樹氷ツアーへ行くはずが、暖冬のため雪不足で敢えなく中止、温泉街をそぞろ歩くことにしましたが、松川沿いの蔵王おろしが強いのなんの。
松川に架かるこけし橋が見えます。
こけしには幾つかの系統があり、育った温泉街によって微妙に異なるのだそうです。ここ遠刈田では遠刈田系で、橋の向こうに工房やお店が多く並んでいます。
松川の川沿いにあるサイクリングロードをとぼとぼと山の方へ向かうと、さらに突風が吹き付けてカラダが芯まで冷え切ってしまいました。川の向こうにみえるこけしはみやぎ蔵王こけし館の入り口だと思います。
早朝にも通った国道に出ると、ビールとソーセージのレストラン・ベルツが元旦営業しているではありませんか。
しっかりしたきれいな山小屋でできたレストランですっかり暖を取り、遅いランチをがっつりいただいたあとはお店の女性と楽しくお喋りしました。
せっかくだから『神の湯』へ入ってみようと思いましたが、元旦の共同浴場は激混みのため入るのを辞めて今度は近くにある『壽の湯』へ向かいます。
ところが『壽の湯』の方も周りにクルマがびっしり。
『壽の湯』も同じ遠刈田温泉株式会社が管理維持する共同浴場で、お値段は神の湯と同じ330円。こちらは少し小さくて、入り口から既に男湯と女湯に分かれています。こちらは熱いお湯しかないそうです。
諦めて旅館に戻る途中で、キャロルという凝った建物に入った明るいセレクトショップを発見。私たちが登山の装備なのをご覧になったお店の女性が親しく話しかけてくださいました。
なんとその女性は蔵王の山々が大好きでガイドをなさっているというチャーミングな方でした。お店の入り口では美味しそうなジェラートも販売していました。一旦宿に戻って4つある貸切風呂の中のひのき露天風呂に入ったあと、浴衣に丹前でもう一度キャロルさんへ行き、好みのフルーツを選んで作るジェラートを購入して部屋に戻って美味しくいただきました。
元旦の夜の食事も豪勢で、またもや燗酒が進みます。このほかお造りに煮物、ふぐの唐揚げ、焼き魚と続き到底食べきることが出来なかったのが無念であります。
翌朝も早起きして朝5時台に満天の星空のもと、宿の浴衣と丹前に下駄の出で立ちで今度こそ共同浴場の『神の湯』を訪れてみました。かなり大きな施設で、浴槽は熱いお湯(45度くらい)とぬるいお湯(42度くらい)に分かれています。お湯は褐色調ですが透明でとても温まります。宿に戻るころ、東の空が明るくなってきました。
急いで部屋に戻り、カメラを抱えて5階客室のラウンジの窓から外を見ると蔵王連峰が桜色に輝き始めました。屏風岳の稜線もくっきり見えます。
そうして1月2日の快晴の朝、社長の大宮さんが自ら入れてくださる朝茶を振る舞っていただいたあと2回目の美味しい朝食をいただきました。ここ、三治郎さんは確かに静かに時間が流れていて、気持ちよく接遇下さった社長さん始め職員の方々に感謝しながら帰宅の途についたのでした。おしまい。