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ZIPANG-4 TOKIO 2020 古今折衷!? 「富士山展3.0 -冨嶽二〇二〇景-」開催のご案内

2020.01.04 08:15

はじめに 記事をお届けするに当たり、昨夏、関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号と、続く21号の記録的な豪雨で、千葉や栃木、福島など5県の34河川で浸水被害や土砂災害により亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。また、このたび我が国の世界遺産である沖縄のシンボル首里城の正殿等主要部分の全焼被害が発生。やりきれぬ国民的ショックも癒えぬ中、重ねて2019年12月4日、アフガニスタン東部で長年医療と共に当地に用水路を完成させた国民的英雄、中村哲医師の暗殺事件が続きました。余りにも大き過ぎる一連の悲報に暮れた昨今です。今私達は世界平和の為に何が出来るか…?貴方が遺した後姿から一人ひとりが何かを学び取り、その実践こそが御恩返しに繋がるものと思います。謹んで哀悼の意を捧げつつ。合掌


作品 ©山口聡一

スタートバーンによる新年企画
『富士山展3.0』が1月5日より全国20箇所で開催!

〜北海道から長崎まで、全国20箇所の多彩なスペースで若手現代美術作家の最新作から伝統的な浮世絵まで、100名以上が参加〜

参考:葛飾北斎「富嶽三十六景」


富士山は長きにわたり、日本を象徴するシンボルとしてその意味を変えながら人々の中に存在してきました。それは、有史以来、神話、宗教、政治、美術など多様な領域の記録や表現に残っていることからも明らかです。

参考:山梨から眺める富士山。2020年から遡ること数十年前?の写真です。当時はこんなに雪が深かったのですね~!温暖化の影響は富士山にも・・・


富士山の火山活動が活発であった9世紀〜11世紀、富士山は実物を見ることすら難しい崇高な霊山でした。交通網の発達により多くの人が実物を見ることができるようになると、富士登山や富士信仰が大衆化し、畏れ多いものからランドマーク的な象徴へと変容しました。その後、国家主義の時代にはプロパガンダのため大日本帝国の象徴として用いられましたが、現在の富士山はオリエンタリズムのシンボル、つまり外から見た際に日本とイコールの意味を持つ記号となり、古くから受け継がれてきた象徴的意義を喪失し、デフォルメされた絵文字的記号となっています。

参考:国指定重要文化財「絹本箸色富士曼荼羅図」 富士山本宮浅間大社蔵
参詣曼荼羅とは、神社・仏閣への参詣の様子を描いたもので、「絵解き」(絵を使って信仰を説明する)に使用されていました。

参考:国宝 聖徳太子絵伝 秦致貞筆 平安時代・延久元年(1069) 東京国立博物館蔵

※聖徳太子(574-622)は用明天皇の第二皇子で、飛鳥時代、推古天皇のもと仏教の興隆や遣隋使の派遣、十七条憲法の制定などに力をつくしました。太子の伝記『聖徳太子伝暦』が10世紀に成立したのち、その生涯を絵画化した絵伝が数多く作られました。なかでもこの作品は、現存最古かつ最も優れた聖徳太子絵伝で、11世紀のやまと絵の説話画としても貴重な遺例です。計10面からなる大画面には、法隆寺のある斑鳩の地を中心に、飛鳥や難波(現在の大阪府)、更に中国・衡山までを見渡す雄大な景観が描かれ、聖徳太子の生涯を追体験するかのような空間を作り出します。

下記参考欄の「聖徳太子絵伝」関連情報をご覧ください。


これは、日本の美術史における富士をめぐる表象とも連動しています。現存する最古の富士をモチーフとした作品、「聖徳太子絵伝(しょうとくたいしえでん) 第三面」(1069年)では、神格的な存在(聖徳太子)が成し遂げたとされる偉業、富士登頂を世に伝える役割を果たしていたと考えられており、当時の人々にとって富士登山は選ばれし者のみ成し遂げられる、特別なものだったことがうかがい知れます。その後、富士が大衆化していくとともに、領域や時代にかかわらず、水墨画の雪舟、狩野派、南画の与謝蕪村など多くの巨匠たちが富士をモチーフとして選んだことや、富士信仰の普及に伴い宗教画としても多く描かれたことにより、そのイメージが伝播されていきました。

参考:葛飾北斎「富嶽三十六景」


浮世絵が流行すると、名所画として非常に需要が高かった富士山はより頻繁に描かれたことからも、富士山が当時の人々には景勝の地として親しまれていたことが読み取れます。なかでも葛飾北斎の「富嶽三十六景」は海外へも波及し、ジャポニスムとして西洋の美術動向にも多大な影響を与え、富士山を日本のシンボルとして西洋の人々に印象づけました。

現代においても、「文展」にルーツを持つ日本の作家がその伝統を踏襲しながら富士を描いているだけでなく、草間彌生や村上隆など現代美術の文脈で活動する作家も様々な視点から富士山に着想を得た(モチーフとした)作品を制作しています。しかし、未だ西洋を中心とした現代アートで扱われる富士山は、海外からみた「富士山=フジヤマ」としての性質が強く、日本の歴史の中で形成された富士山の象徴的意義は喪失しているのではないでしょうか。

本展では、約1000年もの間、日本の表象文化と密接な関係にある「富士山」を現代の視点で捉え直すことにより、多様化した表現領域を包括した新たな日本美術の文脈を提示することを目指します。さらには、多様な象徴的意義を持つ「富士山」をテーマとすることは、「象徴貧困時代」と言われる時代において、象徴とは何かを問い直すきっかけなるのではないでしょうか 。

作品 メインビジュアル ©玉山拓郎


■ サテライト展

2020年1月5日(日) 〜 1月19日(日)

■サテライト展参加会場

salon cojica(北海道)、oomachi gallery、福島・ミューラル・ヴィジョン(以上福島)、AI KOKO GALLERY、銀座柳画廊、ギャラリー広田美術、SHI-TEN coffee、shop&gallery FL田SH、東京大学先端科学技術研究センターROCKET HOUSE、PUBLICIS WALL GALLERY、marumasu銀座店、MEGUMI OGITA GALLERY、EUKARYOTE、四谷未確認スタジオ(以上東京)、米神ミヅカブラ(神奈川)、ArtSpace&Cafe Barrack、GALLERY MIKAWAYA(以上愛知)、the gallery @engawa KYOTO(京都)、洋食と珈琲の店トロル(長崎)

サテライト展示では、日本各地から参加スペースを募り2020年1月5日〜1月19日の期間中のいずれかで、それぞれの会場が企画、キュレーションする展覧会やアートイベント、ライブパフォーマンスなどを開催します。


お問い合わせ
富士山展事務局:art@startbahn.jp


■ セレクション展

2020年2月2日(日) 〜 2月8日(土)
11:00 〜18:00 (会期中無休)
T-ART HALL 140-0002 東京都品川区東品川2-6-10

セレクション展会場では、サテライト展にて展示された作品からピッカーによって選出されたものを集め、今回の富士山展を総括する展覧会を開催します。
また同時に、これからのクリエイティブを支える先端テクノロジーを用いた作品や、現れつつある新たな感覚を持った世代を紹介する企画展を開催します。


■公式ピッカーによるセレクションと過去作品を再展示

今回は様々な領域の第一線で活躍するピッカー7名にご協力いただき、新作や過去の富士山展出品作品の中から、気に入った作品をセレクトしコメントをいただきます。これに加え、過去の富士山展の出展作品なども再展示し、過去最大規模の富士山展を開催します。また360度VRコンテンツを使用し全国のサテライト展示アーカイブもご覧いただけます

富士山展3.0公式ピッカー:伊藤亜沙、椹木野衣、武田秀樹、四方幸子、飛鷹全法、宮津大輔、山下有佳子 参加作家:飯田竜太、市川透、大坂秩加、坂爪康太郎、鈴木ありさ、西島大介、長谷川愛、増田セバスチャン、ほか


■新鋭若手作家4名によるショウケース展示

インターネットが普及した後の世界に育ち、その発展ともに成長した世代は仮想空間をも身体の一部として扱う新たな身体感覚など、前世代と比べていくつもの特異点な特徴を持っています。そのような世代の表現の特徴を大きくまとめるとすれば、なにか一つに固執することなく、多層的な思考回路をもちながらそのレイヤーを軽やかに横断することだといえます。本セクションは、新生代の振る舞いをもって象徴を再考することで、この時代における象徴の持つ意味を模索することを試みる展示です。

参加作家:岸裕真、黒川岳、玉山拓郎、村松佳樹


■8Kプロジェクタールーム

作品 ©Takuro Tamayama

作品 ©おかず

デジタルアートプラットフォームNEORT x 超高精細映像機器を展開するアストロデザイン x スタートバーン協働による8Kプロジェクタールームを設置します。


またこの開催にあわせ、ハッシュタグ「#fujisanten3」をつけてNEORTとTwitterに、富士山からインスパイアされたアート作品を投稿すると、投稿された作品の中からいくつかの優れた作品が、現地の会場で展示されるキャンペーンを行っています。

参加作家:おかず、久保田哲也、ツミキルーム、釣部東京、Almina、°F/efu、ほか


企画・監修: 施井泰平(スタートバーン株式会社代表取締役)

芸術監督: 隅本晋太朗(東京芸術大学大学院 国際芸術創造研究科)

主催: スタートバーン株式会社

お問い合わせ:art@startbahn.jp



参考

8Kで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」

〈8Kアートビューアー〉 法隆寺宝物館 資料室(中2階)

※公開期間を2020年1月末まで延長します(日本語版のみ)

タブレットを使った操作で、国宝「聖徳太子絵伝」の見たい部分を拡大したり、聖徳太子の生涯の物語から該当する場面を呼び出したりすることができるアプリケーションです。1面およそ縦1.9m×横1.5mの国宝絵伝を、計28区画に分割して撮影し、画像をつなぎ合わせて1面で18億画素の高精細画像データを作成しました。2面で36億画素という高精細画像データがリアルタイムで処理され、大型8Kモニターに高精細画質で映し出されることで、作品の細部までじっくり鑑賞することができます。


日程 2019年10月29日(火) ~ 2020年1月31日(金)
会場 法隆寺宝物館-資料室
時間 9:30~17:00 ※毎週金曜、土曜、11月3日(日・祝)、4日(月・休)は21:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで 休館日月曜日 ※11月4日(月・休)は開館、翌5日(火)は休館
観覧料金一般620円(520円)、大学生410円(310円)

※総合文化展観覧料および開催中の特別展観覧料(観覧当日に限る)でご覧いただけます

主催 東京国立博物館、文化財活用センター
コンテンツ制作文化財活用センター・NHKエデュケーショナル
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)


 国宝「聖徳太子絵伝」 法隆寺宝物館 第6室(2階)
※原作品の展示は2019年11月24日で終了しました 



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



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