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映画『ダゲール街の人々』にみた、自分の芝生を手入れする魅力

2020.01.06 23:00

2020年元旦。

忙しさからようやく抜け出して

映画館へ。


たまたま観た映画がこんなにも

心を捉えるなんて、なかなかないので


一体何に心を掴まれたのか

深掘りしてみました。


映画の見え方は人それぞれで、

その意見を交わすことが面白い。


そのうちの一つとして捉えていただけたらと思います。


1975年に公開された映画

アニエス・ヴァルダ(Agnès VARDA)監督の『ダゲール街の人々』

(原題 Daguerréotypes)を観賞。



パリ14区の下町 'ダゲール通り' の

ささやかな日常風景が切り取られた

ドキュメンタリーは、当時のフイルムの色や質感と相まって、ホッと肩の力が抜けた。



70年代パリの暮らし。徐々にそのゆったりとしたペースに、心身ともに居心地が良くなっていった。



こんなにも落ち着くのは

いつ振りだろう?


ダゲール通りに連なる商店で展開されるそれぞれの人生。



地方の小さな村出身の方々が多く、様々な出会いと経緯で辿り着いた

パリ。彼らの生活は決して華やかではなく、とても素朴。



だけれども、各々がささやかな幸せを大切に感じ、身近な人を想いあって生きている様がとても幸せそう。



彼らの心からの笑顔が

映画を見終わった今でも

心に鮮烈な印象を残している。


自分自身の選んだ道を歩むこと、

お役目を全うする姿からは

充実感さえ感じる。



ひっそりとした暮らしだけれども

生活に埋もれた小さな宝物を見つけて楽しんでいる、その力みのない軽やかさにも魅力を感じる。



そんなささやかな生活をそっと包み込むことができる社会。その余白の部分にもグッと引き込まれる。



多くの情報を取り入れ過ぎてしまうためからか、人と比べて自分は…と落ち込んでみたり。



更には効率・スピード重視とされ、

自分を見失いがちな私たち現代人からは、彼らの人間らしい地に足のついた生き方が輝いてみえるのだろう。