【愛知県】明治村(犬山市)
城下町犬山の郊外、いるか池のほとりにある野外博物館「明治村」は、昭和40(1965)に開村。
当時は高度成長期で開発最優先だった時代で、貴重な建築物が取り壊されるのを惜しんでその保存を図るため建築家・谷口吉郎と名鉄社長・土川元夫が協力、保存困難とされる建造物から価値あるものを選んで順次移築復元を行った。
そのジャンルは多岐にわたり、移築元の所在地も日本全国はもとより遠くシアトルやハワイ、ブラジルにまで及び、「明治村」の名の通り明治時代の建造物が中心ながら、大正・昭和初期のものも含まれている。
100万平方メートルの敷地内に、現在展示されている建造物は67件(建物以外の蒸気機関車なども含む)、そのうち重文指定が10件でそれ以外もほとんどが国登録有形文化財の指定を受けている。
【愛知県】明治村「帝国ホテル中央玄関」(犬山市)202001
20世紀建築界の巨匠フランク=ロイド=ライトの設計で、4年もの大工事の末に完成した帝国ホテルの中央玄関。
関東大震災{1923年}当日の開業から昭和42年の新館への建て替えまで、日本を代表するホテルとして国内外の政治家や著名人が利用してきた。
【愛知県】明治村「札幌電話交換局」202001
明治村「二丁目」エリアは、一本通りの両側に展示建築物が並ぶ構図。
手前の「札幌電話交換局」(明治31年築・重文)は、明治村開村時に移築が最初に決まった建造物。
重文「東松家住宅」(明治34年築)や「安田銀行会津支店」(同40年築)などが並び、奥正面が「東山梨郡役所」(明治18年築・重文)が見える。
【愛知県】明治村「東松家住宅」202001
同じ「二丁目」エリアを反対側から。
手前は「東松家住宅」(明治34年築・重文)、当時珍しい木造3階建て商家である。
【愛知県】明治村「三重県庁舎」202001
手前「二重橋飾電灯」(明治21年築)から望む「三重県庁舎」(明治12年築・重文)。
廃藩置県後の庁舎は既存の建物を間借りして利用してきたが、競って洋風の新庁舎をせ建設するようになり、「三重県庁舎」はその一つ。
間口54メートルと広大で左右対称、正面に2層のベランダという当時の官庁建築の典型。