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「宇田川源流」 また荒れ模様となった北朝鮮情勢の「今後の展望と日本」

2020.01.06 22:00

「宇田川源流」 また荒れ模様となった北朝鮮情勢の「今後の展望と日本」

 一昨年、昨年と米朝の関係は劇的に良くなった。しかし、この年末にいきなり悪化して言った。これはいったい何なのであろうか。

北朝鮮は、年末に異例の「党中央委員会総会」を四日連続で行った。2019年最後の四日間でなぜか突然このようなことを行うのはかなり異例である。そしてその中で「積極的で攻撃的な措置」を決断したということである。

昨年の後半から、米朝の実務者協議かなり何回も行われてきていたが、しかし、それがうまくゆかなかった。結局のところ、「朝鮮の非核化」ということを求めるアメリカと、「核を保有したままでの経済支援」を求める北朝鮮との間にはかなり大きな隔たりがあった。いや、大きな隔たりではなく、「根本的な違い」があったということになる。トランプ大統領は、金正恩委員長と直接の会談を行い、そのことによって、何らかの感触を持っていたに違いない。しかし、その官ら彼の感触が「空振りに終わった」というような感じになっていたのではないか。

このような場合、二つの可能性がある。一つ目トランプ大統領の見間違いということであろう。もちろんこの可能性は少なくない。ある程度良心的でなおかつ相手を信用するということから始める商売人のトランプ大統領が「史的唯物論」を振りかざし、信用とかマナーといった目に見えない価値をすべて否定するというような習慣が存在する金正恩委員長を見誤ったとしてもおかしくはない。

もう一つは、金正恩委員長が北朝鮮の国内を把握しきれていない。つまり、金正恩委員長がトランプ大統領と同意しても、北朝鮮の中の人々が同意しなければ、それはうまく作用しないということになる。金日成や金正日の時代とは全く異なる状況で、基本的には金正恩委員長が独裁的な支配を北朝鮮国内において行っていないということになる。もっと言えば北朝鮮の国内は、「合議制によって支配されている」というようなことになるのではないか。

このどちらかの結果、担当者の具体的な内容になるということはうまくゆかない。そのような状況が今回できてしまったのではないか。

北朝鮮の金委員長、「攻撃的な措置」の必要性を強調

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、開催中の党中央委員会総会で、「主権と安全」を保障するため「積極的で攻撃的な措置」が必要だと訴えた。国営メディアが29日、伝えた。

 北朝鮮では28日から、党中央委員会総会が開かれている。この時期の開催は異例。

 総会は同国の最高議決機関の1つとされる。ただ、絶対権力者の金氏が打ち出す政策を承認するだけのものと広くみなされている。

 国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、総会は30日も続く見通しだと報じている。

  「新年の辞」を前に

 金氏は過去、年頭に発表する「新年の辞」で、非核化をめぐる重要方針を明らかにしている。来年も同様の方針発表があると予測されている。

 その直前に開かれた今回の総会で、金氏は「現在の状況において必要とされている、国家の主権と安全を完全に保障する」ため、「積極的で攻撃的な措置を取る必要性」があると強調した。

 ただ、「攻撃的な措置」の具体的な中身については触れなかった。

  米は「行動で示す」

 北朝鮮の非核化をめぐっては、同国がアメリカとの交渉を打ち切り、核実験を再開するとの憶測が出ている。

 北朝鮮は、アメリカが年末までに非核化交渉で譲歩を示さなければ、「新たな道」を進むと表明している。

 一方、アメリカのロバート・オブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は29日、金氏の発言が報じられる前に米ABCテレビに出演。

 北朝鮮の核開発について、「アメリカはすぐには判断しないが、そうした状況になれば、これまでどおり行動を取る」と述べた。

 さらに、「金正恩がそうした手法を取るなら、アメリカは極度に残念に思うだろうし、残念さを行動で示すだろう」と話した。

(英語記事 Kim Jong-un calls for 'offensive' security policy)

2019年12月30日 BBC

https://www.bbc.com/japanese/50943663

米長官"正恩氏は平和選択を"

 【ワシントン時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が「新戦略兵器」開発を警告したことに対し、トランプ米大統領は31日、「彼は約束を守る男だと思う」と語った。非核化に向けた合意を守り、米朝協議を継続するよう促した形だ。「正恩氏とは非常に良い関係にある」と改めて強調した。滞在先のフロリダ州の別荘「マールアラーゴ」で記者団に語った。

 ポンペオ国務長官も31日、FOXニュースのインタビューで、正恩氏が衝突と戦争でなく、平和と繁栄を選ぶことを願っていると述べた。ただ、CBSテレビのインタビューでは、正恩氏が核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の再開を示唆したことを受け、「もし(実験中止という)トランプ氏との約束を破棄したのなら、深く失望する」と述べ、けん制した。 【時事通信社】

2020年01月01日 13時06分 時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-516361/

 北朝鮮もアメリカも「平和的な解決」を望むということは間違いがない。抽象的な合意に関して言えば、そのことを否定するものはいないであろう。しかし、まさに「具体性のない大同団結は意味がない」ということであり、アメリカと北朝鮮では「平和的解決」の意味が全く異なるということになる。単純に、北朝鮮は「核兵器をもって大国と対等な外交を行うこと」を平和的といっているのに対して、アメリカは「核兵器を持たない外交交渉での平和的解決」のことを言っており、その根本的なところが全く異なるということになるのではないか。

そのようなことを考えれば、トランプ大統領と金正恩委員長の間における合意と、担当者における合意が全く異なるということになるのである。

さて、そのようなことはある程度予想がついていたということになる。では、今回の件が何が問題なのか。つまり上記に書いたように「金正恩の支配体制がぜっていではないということ」が明らかになったということになる。以前の北朝鮮であれば、トップと話せばよかったが、実際に金正恩体制になってから様々な問題が発生していることは間違いがなく、また、その内容に関して見誤っていることが少なくないのではないかという気がしてならないのである。

つまり「米朝首脳会談」といえども、それは「権限のある人と交渉を行ったのか」ということと、同時に、「金正恩との合意はしっかりと守られる状況に北朝鮮国内で行われている野か」ということが最も重要なのである。そしてこれは他人ごとではない。

日本も拉致問題など様々な交渉を行わなければならない。当然に「権限があるものとして交渉を行っている」ということになるが、実際に、その後党中央委員会総会での承認が必要などということになったり、あるいは、そのような決定も簡単に覆されてしまうということになってしまえば、そのような外交交渉を行っても意味がないということになり、日本の外交戦略を根本的に見直さなければならないということになる。つまり「拉致問題」を「金正恩委員長と合意をしても意味がない可能性がある」ということになり、その口承そのものが国内向けのパフォーマンスに過ぎないというような状況になりかねないということになるのである。

ではそれはどのようにして知ることができるのか。一つは、他の国が北朝鮮とどのように交渉をしているかの情報を集めなければならない。実際に北朝鮮の国交は国連加盟国のうち150ヵ国を超えているのであり、決して孤立などはしていない。日本のマスコミのこれらの「孤立している」という報道は、何を根拠にそのように言っているのか、あるいは何の根拠もなくイメージと妄想で報道番組を作っているのかは不明であるが、しかし、そのような国交をしている国があるのであれば、その情報を得ることをしなければならない。そして、誰と交渉することが最も近道か考えないといけないのではないか。

日本は「他人の振りして我が振り直せ」ではないが、しっかりとそのような外交を行うべきではないか。