道島塾長の”VIVA! 80's” -vol.40- /プリンス
道島です。
本年もよろしくお願いいたします!
今年もプリンスから、スタートです。というのもこの年末年始の休みにようやく、プリンスの83年、84年の詳細な活動記録をまとめた、プリンス研究者のデュエイン・チューダールの書『Prince and the Purple Rain Era Studio Sessions: 1983 and 1984 (Prince Studio Sessions)』を読み終えましたので、その感想を少々、ご報告させていただきたいと思います。
ちなみに、作者のデュエイン・チューダールは昨年末発売になった『1999:スーパー・デラックス・エディション』の未発表トラックに関して、詳細な楽曲解説を書いていて、これが面白かったので、プリンスのレーベル担当者として、これはずっと読まなくてはいけないと考えておりましたが、なにせ555ページもあるということで先延ばしにしておりました。気合を入れて読みましたが、期待通り、大変興味深い内容でした。
タイトルからもわかるように、この本はまるで日記のように、1999ツアーの途中の1983年1月から、パープル・レイン・ツアーの途中の1984年12月までの間、プリンスのパープル・レイン時代と呼ばれる時期に、プリンスがコンサートやリハーサルをこなしながら、どのように膨大な楽曲をレコーディングしていたか、詳細に書かれています。
LAのサンセット・サウンドのエンジニアだったペギー・マクリアリーと、ミネアポリスのプリンス専属エンジニアだったスーザン・ロジャースを初め、関係者のインタビューから当時のプリンスの活動の様子がわかります。
この期間に、プリンスのキャリアに決定的な影響をもたらす映画『パープル・レイン』を作っただけでなく、サウンドトラック・アルバムを作り、さらに映画に出演するザ・タイムの『アイスクリーム・キャッスル』、アポロニア6のアルバム、さらにさらにシーラ・Eの『グラマラス・ライフ』まで作り、ほとんど次作『アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ』も、ザ・ファミリーのアルバムもほとんど完成させていたというプリンス、凄すぎます。
個人的には、アポロニア6のアルバムに想定されていた「マニック・マンデイ」や「グラマラス・ライフ」が他のアーティストに提供されたり、「テイク・ミー・ウィズ・ユー」もアルバム『パープル・レイン』に追加されたりする経緯が大変興味深かったです。ザ・タイムの一連の騒動により、いかにバンドが崩壊していったかも、かなり克明に書かれています。これを読みながら、ワーナーから再発になった『パープル・レイン DELUXE - EXPANDED EDITION』や『オリジナルズ』を聴くと、より楽しめると思います。英語でかなりのヴォリュームですが、プリンス・マニアの方にはおすすめの一冊です。
Prince - Manic Monday (Official Music Video)
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