【野球】内田順三・前巨人巡回打撃コーチ
乙女座の観察力、1人1人の選手をよくみて、その人に合った指導をするまめまめしさがよくでています。清原も乙女座の金星があり、好きな相手だったでしょうね✨
PL学園時代から素晴らしい選手なのは知っていた。さらに西武の首脳陣から事前に性格、練習態度などを“取材”。「欠点を言われること」「人前で指導を受けること」の2つが大嫌いだと聞いた。
獅子座のプライド!!!
まーさーにー!!!!
宮崎キャンプの一軍宿舎・青島グランドホテルの2階にバットが振れる畳の部屋があり、夜間に素振りを行っていた。浜辺の方からテレビカメラが狙っている。他の選手は遠慮があるのか、その時間は近寄らず、キヨはいつもひとりでバットを振っていた。部屋の隅でガラスに映る自分の姿を見ながら1時間ほど。私はコーヒーを飲みながら見ていた。終わった後、「キヨ、ご苦労さん」と声を掛けても返事はなく、そのまま素通り。内田って何者や? とキヨも私を探っているようだった。それから8日間、一度も言葉を交わさずに、私はひたすら観察した。すると、9日目にキヨの方からこちらへ歩み寄ってきた。
「内田さん、僕のスイングどうですか?」
内心、しめたと思った。
「昨日までの8日間、じっくりと見てたけど、バットの角度と入り方、タイミングの取り方、あとは始動の部分をイメージしてたんじゃねえか?」
感じ取ってくれたのがうれしかったのだろう。
「そうなんです。間違えてますか?」
「いや、間違えてない」
「何か気付いたことはありますか?」
「1ポイント、2ポイント、右中間に打てるのがキヨの特徴だけど、左中間にも打てるように、左膝を意識しながら軸足の右足を回して腰を回転させるのが大事だと思うよ」
「分かりました。明日から注意してやってみます」
決してオーバーティーチングにならないよう、最低限の助言にとどめた。
■年賀状に「力を貸してください」
99年、巨人が3年連続でV逸すると、左膝、左手甲、右膝と相次ぐ故障に泣かされ、成績が振るわなかったキヨに世間の非難が集中した。身内の球団幹部までキヨの人間性を攻撃していて気の毒になった。同じ一塁を守るマルティネスが残留。FAで江藤が加入した。成績と共にキヨの立ち位置は変わり、一念発起して自分を鍛えると決めたようだ。
キヨが大きな字で「力を貸してください」と書いた年賀状を送ってきたのは、肉体改造に取り組んだ2000年の正月のことだった。
(内田順三・前巨人巡回打撃コーチ)