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こころの病に対する日本はり医学会®︎(方式)✖誰でもできるメンタル鍼灸

2020.01.07 18:00

前半はこころの病に対する本治法を、後半はこころの病に対する標治法を書いています。

経絡治療をされていない先生は、後半から読んでください。

標治法とはいわゆる対症療法や特効穴や特殊鍼法で、流派に関係なく誰でもできるメンタル鍼灸として活用していただけますので、普段なされている治療に必要に応じてプラスしてくださいm(_ _)m

この病と対峙する上での座学として以下のリンクをご確認してください。

基礎編
臨床編

こころの病に対するよくなおる経絡治療日本はり医学会®︎(方式)

こころの病は、五志七情の大過不及が原因ですから、癒し和らげ治し防ぐためには、病因病理(機)に基づき、主たる変動経絡の虚実を弁え補瀉調整し、生命力の強化に努めます。

経絡治療ではこれを本治法とします。

証と本治法

例えば、うつ病で心虚証が立ったとします。

  1. 心包経か心経を補います。
  2. 必要に応じて相剋経を補瀉するか子経(七十五難)を瀉します。
  3. 必要に応じて陽経を補瀉します。
  4. 1➕2➕3で三経三穴要る場合もあれば、1➕2や1➕3で二経二穴で済む場合もあれば、1の一経一穴しか要らない場合があるので、マニュアル的ではなく病体に応じて進めます。

※その他の五臓の証も同様に類推します。


心虚証の場合、先ずは主たる変動経絡の生気を補います。

左大陵か左神門を補います。

選経選穴は本治法テスターを使って判定します。
用鍼は柳下てい鍼か小里てい鍼の尻尾の方で補います。

指で行う判定法
本治法テスターで行う判定法
時空弁証

次に、主たる変動経絡を整脉力豊に補うと、①相剋経に虚実が現れるか②子経に邪気実が浮いてきます。

必要に応じて補瀉調整します。

  1. 心虚証単一主証から
  2. 心虚肺実証
  3. 心虚腎実証 
  4. 心虚脾実証(七十五難)
  5. 心肺相剋証
  6. 心腎相剋証などに分化します。

理論的にはこうなりますが、臨床的には心虚単一主証か心虚肺実証が多いです。

必要に応じて、相剋経、子経の邪気実を瀉す場合の選経は病症と脉診と腹診で見極めて、選穴は肺実なら孔最~尺沢にかけて、腎実なら太谿~水泉にかけて、脾実なら陰陵泉~地機・公孫にかけて切経し、最も邪気実が客している所見を瀉します。


用鍼は柳下圓鍼かてい鍼の頭の方を使って経に逆らい引くのではなく押し進めます。

ざん鍼で瀉しても構いません。


次に、必要に応じて陽経を補瀉します。

整脉力豊かに生気を補い、相剋経まで整えると、主訴や愁訴に関連した陽経に虚実が現れます。

多くの場合は、邪気実が浮いてきます。

邪気実が確認できれば同じような手技手法で瀉します。

虚していれば補します。


是動病・所生病に、胃経が変動すると常軌を逸するとか、人に会いたくなくなるとかあるように、重ね重ね胃経に浮いてくることが多いです。

あるいは偏頭痛やため息をつくようなら胆経に浮いて来るでしょう。

脉を診ながら決めてください。

膀胱経も精神異常に関係します。

病症

脉証と腹証

その他の証については下記リンクをご覧ください。


こころの病に対する誰でもできるメンタル鍼灸

流派を選ばずに使っていただけます。

  1. 上中下の丹田を整えます。
  2. 生き霊を祓い肝鬱を解きます。
  3. 陽気を取り入れます。

などが臨床で効果がありましたが、全部をする必要はなく、病体に応じて活用してください。

上丹田(脳)を整える

上丹田はトラウマに関係します。

診断治療点である印堂で上丹田を整え、清空の穢れををクリアーにし、ひいては刻印されているトラウマを消します。

  1. 先ず、大なり小なりどんなささいなことでも構いませんので、今現在気になることがいくつあるかを数えてもらいます。
  2. 内容を聞くと邪気を受けるので、内容は聞かずに、いくつあるかだけを聞きます。
  3. 次いで、印堂にクリスタルのてい鍼を当て、天地と繋がります。
  4. 天地と繋がれたら、百会から「あー」、天突から「おー」、膻中から「うー」、中脘から「えー」、関元から「いー」と発声しなくてもいいので、意識しながら息を吐いていきます。
  5. チャクラを上から下まで降ろしたら、そこで吐くのを止めて、「患者の頭の中にある邪気よなくなれ」と頭の中で唱えて、てい鍼を垂直に抜き上げます。
  6. 気になることがいくつになったか、いくつ減ったかを確認します。

天地との繋がり方を記します。

頭の中で「私は天と地と繋がっています。生かされていることに感謝します」を三回唱えます。

「天地と繋がったら教えてください」と唱えて、繋がるまで待ちます。


天地との繋がりがわからなければ、それはそれでいいので、てい鍼を当て6呼吸数えてた後に「患者の頭の中にある邪気よなくなれ」と唱えて、てい鍼を垂直に抜き上げます。


同じく効果判定します。


クリスタルのてい鍼としていますが、水晶で頭に当てて不快な感じがしないものであれば何でもいいです。

中丹田(心こころ)を整える

中丹田はこころに関係します。

こころとは、人だけが持つ自我自意識で神とします。

言霊で中丹田を整え心神を鼓舞し、肝魂を発動させます。

患者自身にやってもらいます。

  • 男は左の労宮を膻中に当て、右の労宮を丹田に置きます。
  • 女は右の労宮を膻中に当て、左の労宮を丹田に置きます。
丹田の探し方は、臍に労宮を置き、無心で下にスーッと下ろすと府に落ちたところで止まります。

そこがあなたの丹田です。


男女別のスタートボジションで言霊を唱えます。

  1. 先ず、「私は自分の体が一番大事」を三回唱えます。
  2. 次いで、「私は自分の体を自分で治す」を三回唱えます。
  3. 最後は、ポジションを変え、男は左の労宮を丹田に置き、その上に右の労宮を重ねます。女は右の労宮を丹田に置き、その上に左の労宮を重ねます。「これで私の体は安心安全完全」を三回唱えて終えます。

🎦言霊の実技動画↓

下丹田(胆きも)を整える

​下丹田は、刀でいえば鞘(さや)です。

上中の丹田が収まるところです。

下丹田が安定している人は胆(きも)が据わっています。

下丹田が不安定な人は胆が据わらず動揺します。

この動揺を肝風とします。


下丹田を安定させ、上中の丹田の納まる鞘を作り、胆を据わら、動揺から解き放ちます。


  1. 先ず、うつ伏せでふくらはぎを把握して痛みを確認します。必ず反応があります。
  2. 次いで、左右の上後腸骨棘を押さえて圧痛の強い側を確認します。
  3. 圧痛の強い側の沢田流小腸兪に、打鍼用のてい鍼を当て“神・気・精”と槌を弱すぎず強すぎず気持ちよく三打します。
  4. ふくらはぎの痛みを確認します。適応側があっていれば、痛みが消失または軽減します。

これで仙腸関節が調整され、骨盤がそろいます。

下丹田は機能でいえば収斂・納気です。

形でいえば骨盤がその器です。


🎦龍仙打鍼の実技動画↓

生き霊を祓い肝鬱を解く

生き霊とは、オバケではありません。

現存する他人からの妬み、ひがみ、怨みつらみ等を指します。

社会生活が始まる就園児から生き霊を受けています。

東洋医学では肝鬱とします。

今の言葉でいえばストレスです。

夢分翁はこれを三毒としています。


  1. 先ず、霊台を取穴し、圧痛を確認します。必ず反応があります。
  2. 霊台の圧痛を確認して、真上に途香を適量のせ、なくなるまで擦ります。
  3. 龍仙打鍼と同じく最初にふくらはぎの痛みを確認しておいて、治療後痛みの有無を持って効果判定します。

※途香がいる方は検索してください。特別なものではないので簡単に手に入ります。


霊台は、脾の熱が出てくるツボですが、霊が出入りする要所でもあります。

生き霊という名の邪気を祓い、最強の外邪である肝鬱を解きます。


また、生き霊が影響していなくても、単純に精神的な疲弊があると、督脉上に反応が出てきます。

特に『素問』刺熱論篇にあるように、五臓の反応が出てくる、身柱~至陽の圧痛を取ると、体が楽になります。

督脉上はまんま脊柱上ですので包含される自律神経を整える経です。

圧痛が和らぐまでお灸をします。

太陽気功でセルフケア

​特にうつ病の患者は陽気が不足しています。

眼神が衰退しています。

太陽気功を行い陽気を取り入れます。

  1. 先ず、男は左目の前で、女は右目の前で、掌を太陽に向けて両手の重ねます。
  2. 次いで、その手を左右に広げていくと母指と示指でピラミッドができます。
  3. そのピラミッドを太陽と目の間に置き、目が収まるサイズにピラミッドを調節し、太陽の光を目に取り入れます。
  4. そのままゆっくり9秒数えてください。九は陽の極みです。
  5. 男は左目→右目、女は右目→左目の順に行います。

毎日思い出したらその都度やってもらいます。

段々と元気になってきます。


🎦太陽気功の実技動画↓

終わりに

誰でもできるメンタル鍼灸は流派に関係なく使っていただけます。

日本はり医学会方式を習得していただければ最高です。


一人でも多くの方が救われますようお祈り申し上げます。