中東情勢!
桜井ジャーナル
【転載開始】
■ディエゴ・ガルシアへ米軍は爆撃機を
配備しているが、イランとの戦争は
困難 2020.01.07
アメリカ軍が6機の戦略爆撃機B-52を
ディエゴ・ガルシアへ送り込みつつある
とCNNの軍事担当がツイッターに書き
込んでいる。
ディエゴ・ガルシアはインド洋の
真ん中にある島で、イギリスが不法占拠、
それをアメリカが使っている。
ICJ(国際司法裁判所)は同島を含む
チャゴス諸島をモーリシャスへ返還する
ようにと勧告しているが、米英は無視
してきた。
この島にもアメリカの秘密刑務所が存在
していると言われ、マレーシア航空370便
が消息を絶った際、この基地に降りたの
ではないかと噂された。
中東ではアメリカに従属していた国が
自立の動きを見せている。
トルコの離反は本ブログでも繰り返し書い
てきたが、サウジアラビアもアメリカから
離れつつある。
言うまでもなく、サウジアラビアは重要
な産油国であり、石油取引を利用して発行
されたドルをアメリカへ還流させる
ペトロダラーの仕組みを支えてきた。
サウジアラビアの自立はアメリカの
支配システムを揺るがすことになる。
サウジアラビアのロシアへの接近が注目
されたのは2017年10月のことだった。
サルマン国王がロシアを訪問し、
防空システムS-400の購入で合意したと
報じられたのだ。
その半年前、アメリカ海軍の駆逐艦2隻、
ポーターとロスが巡航ミサイルの
トマホーク59機をシリアのシャイラット
空軍基地に向けて発射したものの、
6割が無力化されるという出来事があった。
それがサウジアラビアの動きに影響した
可能性もある。
なお、2018年4月にアメリカ軍は
イギリス軍とフランス軍を巻き込み、
100機以上のトマホークをシリアへ 向けて
発射したが、7割が無力化され ている。
2017年には配備されていなかった短距離用
の防空システムのパーンツィリ-S1が効果的
だったと言われている。
そして2019年9月14日にサウジアラビア
を震撼させる出来事があった。
イエメンでサウジアラビア軍と戦っている
フーシ派が18機の UAV(ドローンとも呼ばれる)
と7機 の巡航ミサイルでサウジアラビアの
アブカイクとハリスにあるアラムコの
石油処理施設に大きなダメージを与えたのだ。
アメリカのマイク・ポンペオ国務長官 は
イランによる攻撃だと主張、
モハメド・ビン・サルマン皇太子のほか
イギリス、フランス、ドイツも同意している
ものの、情況証拠はフーシ派の発表が正しい
ことを示している。
そして9月29日にフーシ派はナジュランで
サウジアラビアの3旅団を壊滅させたと発表、
その際に映像も公開した。
9月14日の攻撃はアメリカ製の防空システム
が無能だということを明らかにした。
破壊された石油施設の周辺には88基の
MIM-104 ペトリオット・システムが 配備され
ていて、そのうち52基は日本も 導入を進めて
いるという新型のPAC-3。
しかもペルシャ湾にはアメリカ海軍に所属する
3隻の駆逐艦(イージス艦)が いたのだが、
攻撃を防げなかったのだ。
ところで、アメリカ軍による
ガーセム・ソレイマーニーの暗殺を受け、イラン
のゴムにあるジャマカラン・モスク には報復を
象徴する赤い旗が掲げられた。
これはイランの歴史で初めてのことだという。
イランの報復があれば、アメリカはイランの
52カ所を攻撃するかもしれないと脅しているが、
その一方でイランとの戦争を望んでいないとも
している。
イランとの戦争を始めた場合、サウジアラビア
との関係が決定的に悪くなる可能性があること
も影響しているだ ろう。
【転載終了】
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ガーセム・ソレイマーニー司令官は、
サウジに向けた、イランの重要な書簡
を携え、交渉を担った重要な使命を
持っていたと言われています。
多分、今回の暗殺はサウジがイラン
(ロシア)側につくことを阻止する
ための攻撃と考えられます。
中東でのサウジの動向は他の中東の
アメリカ寄りの国に影響を与えそうです。
アメリカは、益々世界から孤立する
方向に舵を切ったと言えそうですね。
世界覇権は、アメリカからロシア、
中国に移りつつあるようです。