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心理セラピスト*長沼美恵

日本には不機嫌で不寛容な人が多いらしい。

2020.01.09 04:21

最近、年末になると聞かれるようになった「除夜の鐘がうるさい」問題。

最初聞いた時は何事かとびっくりしました。なんと不寛容な人がいるものだと。


他にも

「保育園の子供の声がうるさい」

「近所の子供たちが遊んでいる時の声や音がうるさい」

「電車の中の赤ちゃんの泣き声がうるさい」

などはよく聞きます。


そもそも子供ってうるさいのが普通なんです。健康な証拠。

親に「静かにしていなさい」と言われて、長時間おとなしくできるような子供は不健康だと聞いたことがあります。もちろん一概には言えません。行き過ぎた放任主義は論外ですが。


閑話休題。

そして最近一番驚いたのは、東南アジアの某国にリタイア移住した日本人の「コンドミニアムの鳥の声がうるさい」というクレーム。

こちらの記事からの情報>>除夜の鐘が許せない人たちが伝える高齢化社会の真実


確かに、体調の悪い時などは子供の声などがうるさく感じることもあるでしょう。 

でも、これはそういう問題ではないと思います。




確実に言えるのは、余程の騒音でない限り、余程体調が悪くない限り、上記のような音がうるさく感じるのは、音を出している人のせいではなくうるさく感じる人の問題です。


だって、子供の声を微笑ましく感じる人もいれば、私のように鳥の声は自分の中の心地よさや幸福感を増やしてくれるありがたい存在と感じている人間もいるんですから。


しかし、なぜこんなにも不寛容になってしまったのでしょうかね。

理由は一つのわけがありません。

そして人それぞれです。


心の仕組みを学んできた私がまず思いつくのは、多くの日本人が感情を抑圧し過ぎているってこと。

それを解消せずに、自分を騙しながら生きてきたんでしょうね。生きづらいと思います。

(だからと言って人に感情をぶつけることが解消になるわけではありません)


仕事終わりにお酒で憂さ晴らししているって?

いえいえ、お酒などでは解消できません。対症療法のようなものだから。根本治療にはなっていません。これも自分を騙しているだけです。(お酒はほんの一例です)



そして、こちらの記事にもあるように、日本の高齢者に不機嫌な人が多くなっているそうです。

不機嫌であれば当然クレームも多くなるでしょう。


高齢者に不機嫌な人が多い原因の一つとして以下のようなことが考えられます。

どこかで聞いたのですがソースは忘れました。


エネルギーのある若い頃は、負の感情、感覚、思いなどがあっても心に蓋をして、100%ではないにしてもそれを抑圧できたりします。

また、若い頃は仕事などで忙しく、抑圧したものを感じなくできる環境も整っていると考えられます。


しかし、加齢とともにエネルギーが弱くなるために蓋をする力が弱くなり、感情のボタン(抑圧したもの)も押されやすくなります。必然的に激高しやすくなります。


もちろん、感情のボタンを押されて感情的になるのは高齢者だけの話しではありません。誰にでもあります。

なので、激しく感情などを抑圧している人は、今は平静を装っていても高齢者になった時にキレやすくなるかもしれません。





それに加えて、リンクの記事にもあるように、現役で働いていた頃に比べると、承認欲求を満たす機会が極端に減るので欲求不満は募るかもしれません。


承認欲求はあって当然のものですが、過ぎる場合は自己肯定感が低いことが考えられます。

自分で自分を認めていないから、他人によって自分を認めてもらう必要が出てきます。

これでは心の健康度が高いと言えません。


それと、妊娠中期頃の胎児から25歳くらいまでに育まれると言われる自律神経系の自己調整力がうまく働いていないことも考えられます。

神経系はなだらかに働くことが生きやすさに繋がるのですが、キレやすい人の場合は「闘争か逃走」のような強い興奮と凍りついてしまうような虚脱を繰り返します。ふり幅が大きいということです。


そして、この自己調整力は主に養育者との関係によって作られます。

従って、キレやすい人、ひいては生きづらい人は生育していく中で、養育者によって傷つけられたと感じることが多々あったのかもしれません。


いずれにしても、幼少期の体験が関係していると考えられます。



解決策はあるのでしょうか。


いつも言っていることですが、自分から逃げずにきちんと向き合うことじゃないでしょうか。

怒りが浮上したら、即それに反応して他人にぶつけるのではなく、その怒りに伴う身体感覚を感じることです。


でも、高齢者にそれを求めてもほとんどの人がやらないでしょうね。

しかも、悪いのは自分ではなく相手だと思っているうちは残念ながら難しいと思います。これは高齢者に限りません。


自分と向き合う気がないのであれば、楽しいことをするとか、自分の中の心地よい感覚を増やすとか、人に感謝されるようなことをするとかが入りやすいでしょうか。


高齢者ではない場合は自分と向き合うことを強くお勧めします。


養育者との関係に問題があって生きづらくなった人が自分と向き合う時には、人の手を必要とする時期があります。

そして、始める時期が早ければ早いほど要する時間が短くて済むようです。




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長沼美恵(ながぬまみえ)