新*今日の漢字* 「奮」
今日も静かな午前中となっています。
ゴミを出しに行ったとき先日右腕を骨折してしまったお隣の方から
ドラッグストアへ連れて行って欲しいと頼まれたので・・・
10時に待ち合わせをして、車で連れて行くことにしました。
ではその前に・・・
新*今日の漢字*
「奮」 音読み フン 訓読み ふる(う)
画数 16画 部首 大
では常用字解で調べてみましょう。
会意 金文の字形は、衣と隹(すい)と田とを組み合わせた形。
衣の中に隹(鳥)を入れ、鳥の脚に田形の器(鳥の脚を止(とど)めておく
道具)をはめ、鳥を衣の中に捕らえておく形が奮で、鳥が逃げ出そうとして
「はばたく、ふるう、はげむ」の意味となる。
奮と似た字が奪で、衣の中の鳥が逃げ出そうとするのを手で捕えようとしている
形である。
衣はおそらく死者の衣。
隹は死者の霊を象徴する鳥形霊で、その鳥を衣の中に留めることによって、死者
の霊はそこに留まるものと考えられたのであろう。
このような古い風俗は文献の上では証明することはできないが、奮や奪の古い
字形が衣の中に隹(鳥)を置く形であることからいえば、以上のように解釈する
以外に解釈のしようがなく、漢字の古い字形によって中国の古俗を復元すること
ができる例である。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 金文の字形は、衣と隹(すい)と田とに従う。
金文の奪は衣と隹と又(ゆう(手))とに従うており、奮と奪とは字形において
関連がある。
おそらくともに死喪の儀礼に関するものであろうと思われる。
[説文]四上 に「翬(と)ぶなり」とし、「すい(上下に大+隹)の田上に在る
に從ふ。詩に曰く、奮飛(ふんぴ)すること能はず」と[詩、邶風(はいふう)、
柏舟(はくしゅう)]の句を引く。
翬(き)は羽部四上に「大いに飛ぶなり」とみえる。
[爾雅(じが)、釈鳥]に「雉(きじ)の絶(の旧字体(はなは))だ力あるもの」
であるから、奮の義があるとするが、金文の字形は衣に従うていて、衣襟のなか
に、鳥(隹)のいる形である。
死者の衣襟にものを加える字は、哀・睘(かん)・袁(えん)・褱(かい)・衰
などすべて死喪の儀礼に関する字であり、奪は死者の衣襟の中から死者の霊が
鳥形霊として脱去するのを手で止める形。
奮と奪との関係において考えると、死者の襟のうちに鳥を入れ、田形の鳥の脚を
止(とど)める器を加えている形とみてよい。
これによって死者の霊を衣襟の中に留めておくことができるとされたのであろ
う。
隹は鳥形霊の観念を示すものとみてよい。
その奮飛のさまに、何らかの呪的な意味が考えられていたのであろう。
奮発・奮起・奮迅のように用いる。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
まず、今は上から順に「大・隹・田」と書いていますが、金文の時代には「大」ではなく
「衣」を書いていたのですね。
そして「奮」と「奪」は何らかの関係のある字だったようですね。
「奮」は「衣の中に鳥(隹)を入れて、田形の鳥の脚を押さえるような道具で逃げ出さない
ようにしている」のを表した字だったのですね。
また「奪」はこの鳥を手で押さえているのですね。
そして、この鳥はどうやら「鳥形霊」のようで、呪的な意味があったと考えられるのです
ね。
この鳥が逃げ出そうとして「はばたく、ふるう、はげむ」の意味になるのですね。
長い年月の間に字の形が変わってしまった一つの例なのですね。
さて今日の一枚は・・・
2年前に義姉から頂いた紅梅の盆栽を枯れないように植木鉢へ植え替えたものです。
我が家で2回目の花が咲きそうなので玄関へ移します。
のびやかに・・・いえいえ野放図に育っていますが、咲けば良しとしています。