TCHをご存知ですか?
上下歯列接触癖=TCH=Tooth Contact Habit =上下の歯を接触させている癖
「歯ぎしり」や「食いしばり」で上下の歯を、力を入れてかみしめているという状態や本当に軽く触れているだけの状態をTCHといいます。
力が入っていなくても、軽く触っているだけのような状態が「持続的」に続くと歯の痛みの原因になります。
1. 噛み締め 食いしばりによって 知覚過敏、歯の破折、顎関節症がおこる
冷たいものや熱いものを食べるとき歯がしみる、噛み締めると変な感じがすることを理由に来院される患者様がいらっしゃいます。
歯茎が下がって歯の根が露出していてその部分がしみれば、知覚過敏症です。
歯の一部が磨り減ったようになくなっています。
以前はこのような症状は歯ブラシのかけすぎによって起こるとされていました。
近年知覚過敏の最も大きな原因は 歯を常に接触させている癖であることがわかってきました、これが進むと歯の亀裂や破折そして顎関節痛が起こります。
2.家庭でできる簡易 診断
診断は歯茎部の欠損や知覚過敏と下記の症状があればTCHが強いと考えます。
下記の症状が無くても強い場合もあります
家庭での診断方法
1・口腔内の頬に歯のならびに沿った白い線がある
2・舌が下顎の歯の形に沿って波をうつように変形している
3・食事中以外で歯と歯をくっつけたまま離せられない
4・下の歯の裏のあたりにボコボコとした骨の隆起がある
歯を常に接触されていると口腔内が陰圧になり、頬の内部が吸い寄せられて歯に密着します、そして歯のラインにそって頬に線がはいります。
また舌は下顎の歯列に押し付けられて、歯の形に沿って変形します(舌の縁の形は丸くU
の字です)
簡易的な診断ですので、ちゃんとした診断は歯科医院で受けましょう。
3. 治療法
ほとんどのケースでTCHの自覚はありません。
上記のようなはっきりした症状があるにもかかわらず
「私は絶対にそんなことはやっていない」といわれることもあります。
無意識でやっていることを止めるのは非常に困難なことです。
まず噛み締めを気付いていただきます。
そしてそれを1日5分でも良いので止めるように努力してもらいます。
付箋などに「歯を離す」と記入し普段いるところに 何ヶ所か貼り注意を促します気付くようになったら貼ってあるところを少なくしましょう。
寝ている間も食いしばり歯軋りで寝ている可能性もありマウスピースを作ることもあります。
日中マウスピースをいれると、安心して食いしばりがひどくなることもあり、日中のマウスガードは最後の手段と言えます。
私(院長)も昔はTCHでしたが付箋を家のパソコン・洗面所の鏡・キッチン・冷蔵庫の扉や職場のロッカーに貼ることにより意識改善し今は離さないと気になるくらいになりました。