癒し癒され、本音を呟く
ウィリアムは疲れていた。
大学での教鞭を執るかたわらで目的のためのプランニングを一手にこなし、己の知識欲を満たすためにも日々の勉学は欠かさない。
そんな毎日をおくることに慣れきってはいたのだが、ここ数日は想定以上にせわしない日々が続いており、朝早くに家を出て夜遅くに帰宅するような生活だった。
朝はルイスが事前に焼いておいたパンを齧りながら大学へ向かい、夜はルイスが用意してくれていた食事を軽く摘んでは短時間だけ毛布に包まって体を休める。
開校記念祭が近づいている影響もあって学生だけでなく教員までもが準備に駆り出されている状況だ。
最低限の食事と休息は取っているけれど、格段に癒しが足りなかった。
自分のことを棚に上げてルイスには規則正しい生活をするよう指示しているため、基本的に彼はどんなにウィリアムの帰宅が遅くなろうと起きて待っているような真似はせず、日付が変わるまでには眠っていることが多い。
ゆえに最近のウィリアムはろくにルイスの顔を見ることもなければ声を聞くこともなかった。
それでも同じ屋敷で生活しているのが幸いして、どうしても会いたくなったときにはルイスの寝室を訪ねて穏やかに寝入るその幼い寝顔を見てはいるが、暗くも美しい赤い瞳を目にしたのはしばらく前のことになる。
愛しい弟との時間をろくに持つことができないこの状況に、ウィリアムは心は大層疲れていた。
アルバートは疲れていた。
MI6を取り仕切る上での仮面になる貿易会社の代表取締役を仰せつかってはいるが、幽霊会社とは名ばかりでここ最近は異様なまでに立て込んでいる。
直属の上司でもあるマイクロフト・ホームズから指示される雑務が多く、それでいて部下に任せきりにするには少々難渋するものばかりだ。
アルバートが直接手を出さない限りは解決しない案件を持ち込まれ、それと同時にウィリアムの計画のためにあらゆる下準備をこなし、当然部下への配慮も忘れない。
そんなアルバートが住まうロンドンの屋敷には信頼のおける仲間であるジャックが執事として働いているのだが、通うだけの時間すらも惜しんだアルバートはここ数日会社近くのホテルに泊まり込んでいた。
適当な菓子を摘んで最低限の糖分を補給し、時折ジャックからの差し入れとして届くサンドイッチやスープなどで腹を満たす日々である。
普段であれば慣れない環境では眠りも浅くなるというのに、激務に追われているせいかむしろ熟睡できているのが憎らしいくらいだ。
それでも満足とは程遠く、体の疲労以上に精神的な疲労がアルバートの心を蝕んでいる。
可愛い末の弟と最後に会ったのはいつだろうか。
社室に飾られた家族写真の中で澄ました顔をするルイスを見て、実物の彼はアルバートを見るなり隠しきれないほどの嬉しさをその瞳に滲ませて微笑んでくれることを思い出す。
その顔を最後に見たのはもう随分と前のことで、脳裏に焼き付いてはいるけれど段々と色褪せていくような、そんな心地がして落ち着かない。
可愛い末の弟と会う時間すら持つことができないこの状況に、アルバートの心は大層疲れていた。
ルイスはとても心配していた。
敬愛する兄であるウィリアムとアルバートの双方がここ数日、あまりにも忙しない日々を送っていることを知っているからだ。
ともに生活しているウィリアムはルイスが用意している食事を一応は口にしているし、ろくに顔を合わせることもないけれど屋敷には帰ってきていることが分かる。
だがあまりにも外出している時間が長く、為すべきことが多いのだと嫌でも知れてしまうのだ。
可能ならば少しでもその仕事を手伝いたいと願うのだが、ウィリアムは大学教授としての業務をルイスに手伝わせることはない。
せいぜいが資料を必要分だけまとめる程度の手伝いしかさせてもらえないのだ。
せっかくルイスと過ごすプライベートの時間を仕事で台無しにしたくないというウィリアムの意向をルイスは理解しているし、だからこそ無理を言って手伝って兄のプライドを刺激したくはない。
ルイスにできるのはウィリアムが快適に過ごせるよう、普段よりも念入りに屋敷の管理をすることだけなのだ。
だが、ともに暮らすウィリアムは最低限の状況が把握できるにしろ、屋敷を分けて暮らしているアルバートに関してはその限りではない。
ウィリアムが通う大学の開校記念祭が終わるまではロンドンに向かうことは出来ないと予め伝えてはいたが、同じ時期にアルバートの方も仕事が忙しくなったらしいのだ。
ジャックからの電報でそのことを知り、しかもホテルに泊まり込んでまで仕事に時間を費やしているという。
しっかりと食事を摂って休めているのだろうかと、ルイスの心労は尽きることがない。
二人の兄とちゃんと顔を見て会話をしたのはいつが最後だっただろうか。
ともに食事をする時間すらまともに取れないほど忙しくしているウィリアムとアルバートの疲労が強くなければ良いのだが、そうも言っていられないのが現状だろう。
どうか二人が体を壊すことのないようルイスは願う。
そうして、早くゆっくりと過ごすことができれば良いと思う。
寂しい、などという陳腐な言葉を口に出せる状況ではないことくらいルイスは理解しているし、自分の我儘で兄らに余計な手間をかけさせてはいけないことも知っているのだ。
けれどもやはりルイスは二人のことが心配で、二人とろくに会えない現状を寂しく感じていた。
心を無くしてしまいそうなほど忙しい日々もいつかは終わりが来るもので、開校記念祭が終わると同時にアルバートの仕事もひと段落し、とどめとして断りきれなかった社交界に参加した今日の夜こそが、ようやく三兄弟にとっての休息の日となった。
屋敷の馬車は使わず抱えの辻馬車に乗り込んで、ウィリアムとアルバートはそれぞれ大きな溜め息をつく。
「今日までの激務、本当にお疲れ様でした、お二人とも」
「…ありがとう、ルイス」
「お体に障りはないでしょうか?」
「大事ない、と言いたいところだが…さすがに疲れてはいるな」
疲れてはいるけれどどこか表情が穏やかに見える二人の兄を見て、ルイスはようやく落ち着いて兄と対面できたことに心を震わせる。
ルイスとて暇ではなかったのだ。
ジャックが来てくれたことで屋敷の管理は格段に負担が少なくなったし、二人が忙しいことを知る仲間からは気遣いも貰っていた。
けれど町民からの要望や意見書は全てルイスの管轄であり、モリアーティ家の当主となるアルバートが手を離せない以上、貴族間でのやりとりはルイスに一任されているのだ。
モリアーティ家として恥じぬ行動であるよう妙に神経をすり減らしていたのは事実だった。
だがそんなルイスよりもウィリアムとアルバートは忙しくしていたのだから、その忙しさが落ち着いたのであればこれ以上に喜ばしいこともない。
「明日からは少し落ち着いて過ごせるんですよね?今晩は早めに休んで体の疲れを癒してください」
「あぁ、いや…」
「ルイス、今夜は少し付き合ってもらえるかな」
ルイスの提案に、ウィリアムとアルバートは互いに目配せをして意識を合わせた。
確かにルイスの言うとおり明日以降はしばらく休暇を取っており、早くに休んだ方が良いのかも知れない。
だがウィリアムはショートスリーパーで長く起きていることに慣れていたし、アルバートに至っては激務のせいでむしろ日頃よりも熟睡できていた。
二人が今求めているのは睡眠ではない。
ろくに顔を合わせることも出来ず、それでも健気に心配して寄り添ってくれていた末の弟の存在こそ、ウィリアムとアルバートが求めているものだった。
会うことができなかった分を含め、存分に構い倒してしまいたいのだ。
疲れているときこそ性欲が昂ぶるというが正にその通りで、けれども兄の体を心配するルイスがセックスよりも睡眠を取ってほしいと考えているのは明らかだ。
それならばせめてただ同じ時間を過ごしたいと考えるのは自然なことで、ウィリアムとアルバートはせっかく煩雑さから解放された今日という日を、ルイス含め三人過ごすことで癒されたかった。
「パーティでは悪酔いしてしまいそうであまり酒を楽しめなかったからね、屋敷に戻って少し飲み直したいんだ。付き合ってくれるかな」
「そういえばアルバート兄様もウィリアム兄さんも、今日はほとんど飲まれていませんでしたね…それならば買い置きのチーズとチョコレートがありますし、ワインとウイスキーの用意もあります」
「それは良かった。三人でゆっくり飲み直そうか」
「分かりました」
アルバートの言葉に貯蔵庫に保管してある酒を数種類思い返し、あまり度数の高くないものにいくつか当たりを付ける。
やたらに度数が高いものより、ほんのりと酔うことができる種類の方が今夜はいいだろう。
ルイスは帰宅してからの時間を三人で過ごせることに笑みが深まり、そんな弟を見てウィリアムとアルバートはささくれ立っていた心がじんわりと丸くなるのを感じていった。
「にいさん、にいさま」
ルイスは酒に強いわけではないが特別に弱いというわけでもない。
ある一定量を超えてしまうまでは素面で過ごしている。
だがその一定量を超えてしまったとき、普段のしっかりとした一面を無くして随分と甘え上戸になってしまう。
初めてアルコールを嗜んだときに発覚したそれはウィリアムとアルバートを驚かせたが、兄の命令を破ることはしないルイスの性分を理解しているため、どちらの兄もいない場で過度なアルコールを飲まないよう言い聞かせてきたおかげで、今までに問題らしい問題は起きていない。
むしろ普段は隠されている本音を知る良い機会であり、存分に甘える様子を楽しむ意味でもウィリアムとアルバートは三人だけの晩酌の場を設けることがあった。
精神的に疲労しきって癒しが足りなかった二人が求めたのは己に甘えるルイスである。
「おしごと、おつかれさまでした」
ふんわりと赤らんだ頬でとろんとした微笑みを浮かべ、ウィリアムとアルバートに挟まれて機嫌良さそうにルイスは言う。
やっと会えた、と嬉しさばかりがルイスを覆っている。
両手はそれぞれの兄と指を絡めて繋いだままだ。
「ありがとう、ルイス」
「久々に会えて嬉しいよ。君も息災で何より」
兄に勧められるままワインを開け、傍に最愛の兄が二人いるという安心感から次々と赤く芳醇な液体を飲み込めば、あっという間にほろ酔いになったルイスがそこにいた。
ウィリアムとアルバートの思惑通り、酔ったルイスは二人から離れようとせずぎゅうと両手を握りしめていた。
その力強さが嬉しくて、二人は同じだけの力を込めてルイスの細い指を握りしめている。
隣から香るシャボンの香りと濃密なアルコールの匂いが体に染み渡るようで、求めていた癒しがすぐそこにあるという現実があまりにも有り難く感じられた。
「ここ数日、少しも君に触れることができなかったね」
「いえ、べつにかまいません。それだけいそがしかったんですから」
「だが、キスの一つも出来なかっただろう?物足りなくはなかったのかい?」
「…それは、…その、すこしだけ」
隠すことも誤魔化すこともせず素直に本音を吐露するルイスを見て、二人は冷えていた気持ちがぐんと熱くなるのを実感する。
少しだけ視線を逸らして、でも視界にはその姿を入れていたいのか、問いかけたアルバートと繋いだ手元に目をやりながら俯くルイスを前に、アルバートではなくウィリアムが横から彼を抱きしめた。
あまり表に出さないルイスの本音を前にして我慢が効かなかったのだろう。
ウィリアムに抱きしめられてより頬を赤らめて嬉しそうに顔を綻ばせるルイスを見て、アルバートはつられるように二人ともを抱きしめる。
「ん、…にいさん?にいさま?」
「僕もさすがにルイスが恋しかったよ」
「私もだ。こうして抱きしめることができて嬉しく思うよ」
「ん…」
二人の兄に抱きしめられ、窮屈な気持ちよりも満たされる気持ちでルイスの心はいっぱいになる。
寂しいと思っていた気持ちが掻き消されていくようで、その代わりに愛おしい気持ちで溢れてしまいそうだ。
緩んだ口角のまま、ルイスは回ったアルコールのふわふわ感を楽しみながら兄らを抱きしめ返す。
一方のウィリアムとアルバートにとって、ここ数日は寂しいというだけの単純な話ではなかった。
もう一人の自分と言って良いほどの存在であるルイスの気配だけを感じる日々は確実にウィリアムの精神を消耗させており、いつだってすぐ近くにいる状況だというのにすれ違う日々は正に心を無くす寸前だった。
傍にいるのにろくに会えず、触れることも叶わないなど今までにない経験だ。
腕の中にいる慣れた温もりを思い切り抱きしめて、思う存分に甘やかして構い倒してあげたいという気持ちを改めて実感する。
我慢させていただろうにそんな素振りを見せず、影から自分を支えてくれていた弟の健気さに愛しさが溢れ出しそうだった。
縋るようにルイスを抱きしめるウィリアムを見て、アルバートは彼がどれだけ切羽詰まっていたのかを理解した。
アルバートとてダラムとロンドンという距離を隔てての久々のルイスだ。
初めて自分に恋という感情を教えてくれた末弟のことを一際大事に想っているが、ウィリアムにとってのルイスはそれこそ生きる目的そのものだ。
比べることなどできるものではないが、それでもアルバートとは一線を画して別次元にいる弟たちだと思う。
そのことを悔しく思うでも嫉妬するでもなく、ただただ純粋に二人の繋がりが綺麗で尊いと思うのは、アルバートが二人を大事な家族だと認識しているからなのだろう。
恋と愛、それぞれの想いを乗せながら、アルバートは弟二人を思い切り抱きしめた。
どちらの弟も心から大切だというのに、欲を感じるのはルイスだけというのも不思議な話だ。
それだけ感情というものは理解しがたいものなのだろう。
「…にいさん、にいさま。キスはしないのですか?」
そうして三人で静かに抱きしめあってお互いの体温を分け合っていると、ルイスからぼんやりと声が出る。
話の流れとしては間違ってはいないけれど、まるでねだるようなその言葉に驚かないはずもなかった。
「…しないのですか?」
むぅ、と拗ねたように瞳を伏せているルイスを見て、ウィリアムとアルバートは思わず固まった。
できることなら全てを貪ってしまいたいが、酒に酔った流れでルイスを抱くような真似はできないし、したくもない。
つん、と尖った桃色の唇がとても魅惑的に二人を誘っていて、けれどもルイスは誘っているつもりはないのだろう。
純粋に「キスの話をしたのにキスはしないのだろうか」という疑問があるだけなのだ。
酔って普段よりも高い体温の体を抱きしめて、先に思考を取り戻したウィリアムがルイスの顎を指で引き寄せた。
「ふふ。しようか、ルイス」
「ふ、ぅん…っ、ぁ」
瑞々しい感触をしているのに味わう吐息はアルコールに満ちていて、油断すればウィリアムの方こそ酔いを増してしまいそうなほどだ。
生々しく触れ合う舌を大胆に絡めてあげれば気持ち良さそうに合間で声が漏れてくる。
久々のキスはとても甘く、それでいて熱に満ちていて火傷してしまいそうなほどだ。
ウィリアムがルイスとのキスを堪能していると、アルバートも機嫌よくルイスの体を抱きしめ直して後頭部に唇を落としていた。
細い金髪に顔を埋めて密着するように触れていけば、それに合わせてルイスの体がぴくりと震えて次第に力が抜けていく。
脱力したように凭れかかるルイスの体を受け止めて、アルバートは心ゆくまで髪や首筋に唇を落としていった。
「ん、は…」
「…これ以上はまた明日にしようか」
「…あした?」
「もう夜も遅いし疲れてるだろう?ゆっくり休もうか」
「ぼくより、おふたりのほうがつかれていますよ」
酔って尚、二人の体を気遣うルイスに笑いながらウィリアムとアルバートは視線を合わせた。
まだまだ甘えたなルイスを堪能したい気持ちもあるが、楽しみは明日に取っておくのも悪くないだろう。
ガウンに縋り付く腕を好ましく思いながら、アルバートはルイスの頬へキスをする。
ウィリアムも彼に倣うようにもう片側へとキスを落とし、そうして今この時間だからこそ聞ける本音を聞いてしまおうと口を開いた。
「ルイス、しばらく会うこともできなかったけど、何かしたいことはあるかな?」
「したいこと…?」
「私とウィルで叶えられることならば叶えてあげよう」
「…」
ウィリアムの提案に便乗するようにアルバートも声を出す。
生来より兄気質な二人はルイスを甘やかすことに余念がないのだ。
最近はろくに構うこともできなかったのだから、少しでも時間があるのならば弟の希望は叶えられるだけ叶えてあげたいと思う。
ふたりの兄からの提案の答えを纏まらない思考で考え始めたルイスは、ウィリアムの手を握りながら体をアルバートへと凭れかける。
そうして出た答えは一つだった。
「…いっしょにごはんをたべたいです」
おふたりのこうぶつをつくるので、ゆっくりしょくじをしましょう。
呂律の怪しい発音でちゃんと言葉を紡いだルイスの顔は一切の照れがなく、本当に心から望んでいるのだということがわかった。
会うことすら難しかったのだから一緒に食事を摂ることも勿論できなかった日々こそ、ルイスにとって一番の負担だったかもしれない。
自分が作る食事を残さず食べてくれるウィリアムとアルバートの姿を見て、少なくともこの二人の体を作っているのは自分なのだという自負があった。
ちゃんと役に立てているのだと、暗にそう思うことで満たされていたのに、ここ最近はウィリアムが食事をする姿もアルバートが食事をする姿も見ることができていない。
最低限食べていることは分かっているけれど、自分の作った料理を自分の前で食べてほしいのだ。
だから、三人で一緒に食事をしたいと思う。
行儀は悪いかもしれないが、他愛もないことを話しながらゆっくりと兄弟だけの時間を過ごしたい。
ルイスが兄に望むのはそれだけだった。
「…明日は一日オフだから、食事は全て一緒にとろうね」
「そうだな。楽しみにしているよ、ルイス」
「…おまかせください!うでによりをかけてつくりますね!」
可愛い弟の可愛い願いを聞いて、いつまで経ってもこの子は無垢なままなのかと驚きを隠せない。
欲にまみれた考えがいっそ恥ずかしくなるほどに純粋で、だからこそこんなにも自分を惹きつけてやまないのかと納得もしてしまうのだ。
二人は胸に広がるふわりと甘い気持ちを自覚して、自然と浮かぶ微笑みを自覚しながら腕の中にいるルイスを抱きしめた。
(んん…あさ…?)
(おはよう、ルイス。酔いは残っていないかい?)
(昨夜はつい飲ませてしまったからな…調子が悪ければ今日一日休んでいると良い)
(お、おはようございますウィリアム兄さん、アルバート兄様。体調は問題ありません。すみません、飲みすぎてしまったようで…)
(僕たちが勧めてしまったからルイスのせいじゃないよ。ところでルイス、今晩はルイスの作ったフィッシュパイが食べたいな)
(フィッシュパイも良いが、久々にルイスの作った兎肉のローストを味わいたいものだな)
(…夕食のリクエストですか?珍しいですね、お二人がリクエストをするなんて…)
(ふふ、たまにはね)