手のかからない子
わたしは、手のかからない子でした。
母曰く、
一番上の子をしっかり育てると下の子もしっかり育つ
という教えを受けたらしく、
聞いた話によると、
わたしは一歳前にはおむつがはずれていたそうです。
子育てを始めて、
一歳より前におむつなしになるって、
どんなことしてたんだ?すごいな母!
と思いました(笑)
おむつのはなしはさておき、
わたしは物事ついた頃から、
結構しっかりしてた方だと思います。
母は手のかかる弟たちの話をするときにも決まって
「長女(わたし)は手のかからない子で…」
という話をしていたように思います。
わたしは、それがとっても嬉しくて
母が褒めたつもりはなくても、わたしは
心のなかで「やった~」と思っていました。
だから、それこそ小さい頃は、
弟の面倒をよく見ていたり、お手伝いをしたりしていたようです。
けれど、いつしかその「手のかからない子」という言葉が重くのし掛かるようになりました。
勉強は嫌いではなかったので、成績も悪くはなかったし、基本的には素直だし、問題を起こしたくなるような状況でもなかった。
でも、「母に迷惑をかけるかもしれないこと」を伝えることは、ほとんどありませんでした。
代表的な例で言うと、
・友だちとうまくいってない
・習い事やりたい
・新しい服が欲しい
・留学したい
・大学に行きたい
などなど。
だって、わたしは
手のかからない子
だから。
手のかかることは、してはいけない。
毎日、仕事や家事・弟たちの世話などで忙しい母に
迷惑をかけてはいけない。
それがわたしのアイデンティティのひとつだったから。
高校を卒業する直前、
なんとなくそんな話をする機会があり小さい頃の思いを話すと、
母はとっても驚いた顔をしてたっけ。
手のかからない子は、
手がかからないように頑張っているかもしれません。
手のかからない子は、
とても我慢しているかもしれません。
手のかからない子は、
手のかからない理由があるのです。
それは、
もしかしたら個性のひとつかもしれませんが、
頑張って作っている個性かもしれない、という視点を私たちが持っているだけで、かける言葉も違ってくるんじゃないかなぁ。
手のかからない子ほど、
親の知らないところで
ひとり孤独をかかえているかもしれません。
あなたのお子さんは、
手のかかる子?
それとも手のかからない子?
手のかかる子も
手のかからない子も
どうしてそういう状態になっているのか、
立ち止まって考えてみるのもいいですね💕