美しいオランダのムーズ川をサイクリングで周る10日間③
7年に一度、セントジョージとドラゴンの伝説がこの町で演じられています。さらに、Beeselは、2014年にオランダで最も環境に優しい村に選ばれ、この村の素晴らしい自然環境を楽しむことができます。
BeeselからMaasを渡ってフェリーに乗ってKesselに進むつもりが、あまりにも居心地よいヴィレッジの雰囲気に魅せられて、ベンチで長い間ゆっくりしてしまいました。
明日は雷雨になるそうなのでホテルを探していたのですが、ルールモントで開催されるストリートミュージシャンの大規模なコンサートがあるそうで、小さな町ビーセルでは、既にどこもホテルが空いていませんでした。
それなので、近くのキャンプ場に連絡を取ってみました。これが大正解でした。なぜならばいままで泊ってきた多くのキャンプ場の中で最高のキャンプ場だったのです。
夜9時には着きますと伝え、わたしたちは初めてマスルート(ムーズ川ルート)から少し外れて、5km離れたキャンプ場へ向かいます。このBeeselからは15分あれば着きます。
「ほら、とってもきれいな設備が整っているよ、見て、見て。」と子供のように案内してきます。
一泊12.50ユーロ。オーナーは農学と生物学専門の大学教授でした。現在は退職後、趣味でこのキャンプサイトを開いているとのこと。
顔は笑顔もまったくなく無表情で「もうWi-Fiにパスワードはゲットしたかい?」とわたしに聞いてきたので、「まだ、これからです。」と答えると、私の携帯にパスワードを入れてくれました。「この辺りのことはもう知っているかい?」ときいてきたので、「いいえ、初めて来たんです。」と答えると、「君の連れの人も連れておいでよ。私が色々案内するから。」と、ジョナを呼ぶと彼は私たちにスーパーの場所、近くにある美しい湖のこと、スイミングプールのこと、何から何まで教えてくれました。
話を聞くと、彼はロッテルダムの保険会社で働いていて、静かでスペースのあるこのキャンプ場が気に入っていて、毎年キャンピングカーでこのキャンプ場に来ているそう。今回も休暇をとって、3週間このキャンプ場でリラックスしているそう。
ヨーロッパやアメリカでは休暇中にキャンプ場に行ってリラックスするってごく普通。亡きミヨコとジャックアンクルもよくそうしていたなと思い出しました。
ロッテルダムからきたこの男性は、ここのオーナーは以前、農学の大学教授で、土や、植物についてとても詳しいんだよ、と教えてくれました。
オランダのキャンプ場は下の写真のカラフルな箱が見えるように通常ゴミの分別もしっかりされています。
感心したのはオランダ人はきちんとマナーを守ってました。キャンプ場のキッチンにゴミ一つ、水を一滴も残さずに綺麗に拭いてピカピカにして自分のキャンピングカーに戻ります。
ここに2日間泊りましたが、男女兼用のシャワーの髪の毛一本残す人がいなく、シャワーもトイレも洗面所も使った後、みんなタオルで拭いたり、使用後はピカピカにしているのを何度も見ました。素晴らしいマナー。
朝ごはんをわたしが準備していると、みながボナペティ!と、オランダ語で笑顔で言ってくれます。都市だとみな目を合わせないように生活していますが、町のいいところはみなほんとうに暖かいのです。
「ホワイトアスパラガスか、ホワイトアスパラガスって、暗闇で育つから白いのって聞いたことあるかい?グリーンアスパラの新芽に土盛りして光を当てないとホワイトアスパラになるんだよ。」
と、だんだん話が長くなってきてしまい・・話はオランダの洪水の話にも広がり・・話を聞いていたら、私たちのスープはすっかり冷たくなってしまいました(笑)
オランダ語分からないんです、というと、すぐにパーフェクトな英語に切り替えてくれました。さすがオランダ人!ここはアメリカ?というくらいみなパーフェクトなアメリカ発音で英語を話すオランダ人。
彼女はどうやら例のロッテルダムの男性の奥さんで、「その洗濯物どこに干すの?」と聞いてきたので、「あの木の横のベンチに干そうと思って。」と言うと、「それなら奥の納屋に、洗濯を干すものがあるから一緒に来て。」と教えてくれスムーズに洗濯が終わりました。
ドラゴンの町Beeselに自転車で戻ってお昼ごはんを食べてから、帰り道の森の中、き、きた、大雨が!
雨はものの15分ほどで止んでしまいましたが、ずぶ濡れになったので、ホットシャワーを浴びて出てくると、キャンプオーナーが、
「いやー残念だった、今年のオランダはカラッカラだから、今日こそは水まきしなくていいかなと思ったけど、すぐにやんでしまったね。」
と言うのでわたしが、「でも水たまりがあちらこちらに出来ているし、土も全部濡れているけどだめなの?」と聞くと、おじさんは自分の人差し指で、目の前の土をぐりごりと掘って、「ほら、水が浸透しているのは上の1センチがいいところ。これじゃあまだまださ。」と笑って答えた。
ここまで走った距離:142km.
後半につづきます。
写真はロッテルダム出身の親切にしてくれたご夫婦。