マイノリティリポート。
人は何故手組みホイルを求めるのか?それは更なる走行性能を求めて、というだけでなくてですね。
選択肢が無ぇんで御座います。
という業界の隅に追いやられたマイノリティーにとっての、数少ない活路であったりするから。
エトルト571と聞いて「ああ、はいはい」となる人は今や少ないのではないでしょうか?
俗に言う650cという奴ですが、気がつけば絶滅危惧種というかレッドデータブックに載ってしまっている状態で、
「そうは言っても650c、なんだかんだで手に入りますやろ〜」と選択肢を洗い出してみると冷や汗出そうな崖っぷち具合。
とは言え売れ残った死在庫や中古品まで視野に入れれば部材は何なと有りますし、
それを組み合わせれば10年後でも20年後でもまぁ・・・なんとかなるだろうさと言ってしまえる、
生命力の強さ・しぶとさもまた自転車の魅力を構成する重要な要素ではないでしょうか?
此方、お客様の御注文で誂えさせて頂いたシングルスピードのオーダーフレーム。
簡単に言ってしまうとロードジオメトリに準じたトラックフレームという事になるのですが、
まぁアッサリしていると言うかシンプルと言うかで「これぞ自転車!」って感じ、個人的に。
今や重量600g台のロードフレームなんてモノも普通に買える素晴らしい時代となりましたが、
技術の進化と共にそれを構成する規格もまた凄まじい勢いで変化しており、
10年20年と永い目で付き合いを語る事が少々難しい時代になった感もあります。
そんな中にあって、自転車の基礎骨格であるフレームを作ってくれるビルダーさんがまだまだ沢山居られるってのは、
実に有り難い事だと思いますし、同時に日本は良い国だ、とも思います。
ベーシックな自転車ならいつでも作れるし治せるし乗りたいだけ乗り続けられるしで、となれば、
今この瞬間の快楽に溺れるが如く最新スペックのマシーンに手を出すという選択もし易くなりますしね、逆に。
そんな日本自転車フレームビルド界の正面図を見れるイベント「ハンドメイドバイシクル展」が、
今年もまた東京都千代田区の科学技術館で1月25日・26日に開催されるとの事。
京都からは遠い首都東京の話ですので、皆様に「さぁ行きなはれ!是非見なはれ!」とまでは申しませんが、
東京近郊にお住まいの方や、偶然その辺りに関東出張があるわ、という方は足を運ばれては如何でしょう?
幸いな事に弊店定休日と被っておりますので、ワタクシも久し振りに東京へ足を伸ばしてみようと考えております!