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2019年のうちに伝えたいこと

2019.12.28 15:20

この会の定例会を始め、様々なボードゲームや知育玩具を使った活動をすることができました。活動の数々は、皆様に楽しんでいただけた、頼りにして頂けたという実感があり、またそれは、私にとってかけがえのない時間でした。関わることができた皆様に、心よりお礼申し上げます。


今年、印象的だったこと 

さて、それらの活動と並行した中で、いわゆる「発達障害」と推測されるお子さんをお持ちの方のお悩みをうかがう機会がいくらかありました。リアルのご相談もありますが、TwitterのDMやサイトのメールフォームなど、ネット上の“顔を知らない方”からの相談もありました。


なぜ、記事をご覧になり、相談をされたのか?

名だたる専門家などでもない私に、そういった親御さん方からどういった相談を受けたかというと、多少の差は有れど「ボードゲームを通して、少しでも人付き合いができないか」「コミュニケーション力を、少しでもアップさせられる方法がないか」といったものが主でした。


その力のためには社会性や認知力をあげることがどうやら必要なようだ、更にそれを伸ばすためにどうするのかと探っていくと、ボードゲームが何やらいいらしい、というところから、この会のHPや記事へとたどり着かれたご様子です。「療育機関などでボードゲームが使われていて、子どもも楽しそうに遊んでいるから買おうか悩んでいる」「買って与えても友達と遊べるかどうかわからないが、どうしたらいいか」といったご質問などもありました。 


それほどに「人付き合い」「コミュニケーション」というのは、発達障害の子どもたちにとって日々大変な項目であり、親御さん方が気にされている事柄なのでしょう。親御さん方の思いは想像以上に大きいものなのだと感じます。


「子どもにとっての、信頼できる人間関係」とは

いただいた様々なご相談の根源となりそうな事柄のひとつとして、「子どもにとっての、信頼できる人間関係とは」というお話をします。


例えば、泣いている赤ちゃんがいれば、周りの大人は、おむつを替えてあげたり、ミルクや食事を与えたり、眠くて機嫌が悪いなら寝かせようとしてみたりと、いろいろなことをして赤ちゃんが快適に過ごせるようにと解決するでしょう。そして、繰り返していくことで、赤ちゃんは、それらをすいすいとやってくれる身近な大人を信頼するようになっていき、頼りにしていくようになってきます。


その関係を継続し、少し大きくなり幼児程度にもなれば、信頼できる大人がとる行動や教えることを、積極的に取り入れるようになっていきます。ままごとなどの中で母親など身近な大人の真似などを積極的にしていくようになるのは、その人を信頼して頼りにしている・尊敬しているという気持ちや関係性が一定のレベル、継続的にあるからです。


それらは、”思いやる””やさしい”といった、耳触りの良いふわっとした言葉で表されるような関係では決してありません。ドライで合理的な、「本人が快適でわかりやすい形が継続的・安定的にある人間関係」=「子どもにとっての、信頼できる人間関係」なのです。


いつも、そこにある手立て

発達障害と思し子の多くは、音声での言語処理が適切でなかったり遅かったり、出来なかったりする子も多いです。にもかかわらず、それらの子に、筆談や絵カード、スケジュールやカレンダーなど、見える形のコミュニケーションが、日々の支援手法として確立されていることはほとんどありません。


そして恐ろしいことに、支援側のほうが、音声で伝わらないと生きていけないなどと、見えるコミュニケーション支援をしない言い訳を、発達障害と思し子の親などにもっともらしく伝え、その手法を退けることすらあります。それゆえ、すれ違いが常に起きやすい環境下に置かれることになり、子どもは不安定になり、起こさなくていいトラブルが起きてしまっているのです。


子どもにとっての信頼できる人間関係を築くのに、まずはコミュニケーション手段が必要になります。これは、「わかっているだろう」「多分言って聞かせれば取りあえずのことはおわる」「支援者側目線で便利」といった風土で、なし崩し的に音声言語で支援なし、という形になってしまってはいけません。「本人が快適でわかりやすい形が継続的にある」ことが欠かせないのです。


この会でできること

もし、そういった子と思しきお子さんをお持ちの方がこの会にいらっしゃったら、筆談をさせていただくことができます。また、当日の見通しがほしいということでしたらスケジュールを書いたり、次回のお知らせはチラシに日付を書いたりなど、見える形にさせていただきます。

主宰自身は、自閉症スペクトラムの子を育てていますので、いろいろお手伝いできることは多いかと思います。まずは遊びにいらしてください。匿名でメールをくださった方々とも、ぜひ、お話しができたらと思います。


来年、そんな日が来ますように。幸せのお手伝いが、少しでもできますように。