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大肉球曼荼羅 《第1章⑥ 森の長に会いに》

2020.01.12 11:28

いよいよ2020年が、始まりましたね。

今年もよろしくお願いいたします。

 

今回の画像は、2019年の個展にて発表した「森の妖精猫」普段は使わない色鉛筆を使用し、製作しました。

評判の良かった1枚です。

 

では、物語の続きを、お楽しみください。

 

《大肉球曼荼羅 第1章⑥ 森の長に会いに》

 

翌日の早朝、猫沢兄弟は、猫庭博士の自宅へと向かいます。彼の家は、深き森の少し奥にあり秘密のトンネルを抜けた所、ここは、かつてカルカナルに命を狙われた東の猫の民達が、隠れ住んでいたシェルターがあった場所、現在は、その一部を猫庭博士が研究所兼自宅として使っています。

 

「ふぃー 遠いなぁ」

「兄さん、休憩する?」

「いや、トンネルが見えてきたじゃないか、もう一息だ」

 

二人は、黙々と進み、トンネルに入ると、時空がネジ曲がったような奇妙な感覚に襲われます。

 

「まるで、トリックアートの中にいるみたいな気分だな…」

「このトンネルは、この森に招かれた者だけが通れる異空間、私達のご先祖は、この森に守られていたんだ…」

 

トンネルの先に、まるで、絵本の世界に出てくるような建物が現れました。

 

「おはようございます。猫沢です」

「いらっしゃい、お待ちしていました」

 

猫庭博士は、にっこりと微笑むと客室に招き入れます。

風さんが、どっかりとソファーに腰かけると、スッと、猫庭博士が、ニャーティーとスーニャンを出してくれました。

 

「んまい!!」

「ありがとうございます。焼き立てのニャンベリースーニャンです」

 

猫沢さんも、熱々のスーニャンを頬張り、顔がほころびます。

猫庭博士は、早速、祖父の十三郎博士の書斎から持ってきた資料を広げ

 

「これは祖父が残した「橋渡しの民」の記録です。昨夜、見つけました」

「なんと󾬆」

「当時、虎之助博士を筆頭に7人の「橋渡しの民」達が活動していました。テラの時と同じように彼らはチームを組み、カンタスカラーナ救済を成し遂げています」

「では、現代に繋がる「橋渡しの民」を探すにはどうすれば良いのでしょうか?」


しばらくの沈黙の後…


「あぁっっっ!!!」

 

突然、猫庭博士は、すっとんきょうな声をあげました。

 

「猫居博士の事を忘れてました!!そうです!彼は、虎之助博士の直系子孫!!!彼に聞けば、手がかりが見つかるかもしれません!!」

「にゃ!!!そうだった!!!すっかり忘れてた…何故か、私の頭の中では、虎之助博士と豹之助博士の繋がりを忘れてしまう…」

 

うっかり猫沢さんは、早速、通信機でメッセージを入れます。

 

「よし!これで大丈夫「橋渡しの民」の件を伝えた」

 

ホッとする横で、風さんが、

 

「豹ちゃんて虎之助の子孫なのか?ただの裕福なボンボン科学者だと思ってた」

「兄さん、彼は、ヒョウヒョウとして見えるけど、実は凄いよ」

「ひょえー」

 

猫沢さんの友猫、猫居豹之助は、先祖代々イクサフィーゴを管理する一族のひとり

彼は、学生時代、猫沢さんの研究に魅了され、長年の付き合いになり現在に至ります。

 

「祖父の記録では「橋渡しの民」達には、目立った特徴はなく普通の民として生まれ、覚醒時期を迎えた者が、テレパシーでサインを送り仲間を呼び寄せてたそうです。虎之助博士が最初の覚醒者です」

 

猫庭博士は、丁寧に付箋をしておいたページをめくり、一枚の集合写真を手に取りました。当時の橋渡しメンバーと共に、猫庭博士そっくりの若き日の十三郎博士と、凛々しい虎之助博士が写っていました。

 

「テラでは、大きく覚醒時期がずれてしまっていたが…」

「イクサフィーゴと連動して行動するチームでしたから、私達の星でのイクサフィーゴクローン開発の影響でずれてしまったんですよ…」

「と言う事は…もしかすると、あのクローンに生えたカルカナルの芽は…」

「新たなる課題と言うタイムラグ…?ひょっとして私達は、なんらかの法則を、無視してしまったからかもしれません…寅次郎博士は、現代の、この星に生まれた「橋渡しの民」の力を借りよ。と言っていましたね…」

 

猫庭博士と猫沢さんは、お互いの顔を見合せ、うなずきました。

風さんは、テラでの出来事を、全く知らないのでチンプンカンプンでしたが、なんとなく、心当たりがあり、1年ほど前から店によく訪れる猫の顔が浮かんだのです。

3人は、しばらく雑談をし区切りがついたところで、出掛ける準備を整え、いざ、出発

 

「さぁ、行きましょう!長(おさ)の元へ!」

 

猫庭博士の指差す方向に、先程、通ってきたばかりのトンネルが有りました。

 

「え、また戻るんですか?」

「はい」

 

トンネル抜けて、元の景色へ…

 

「ここから南へ進むと「マンタの森」へ辿り着きます」

「マンタの森?」

「マンタに乗って長の元へ行くのですが、森に向かう途中が、少しばかり険しいので足元に気を付けてくださいね」

「マンタって猫を乗せるんですか?」

「いいえ、普段はそんな事しませんよ。今回は特別です。マンタの頭(かしら)にお願いしたんです。歩いて行くには遠すぎます。1日では辿り着けません…」

「そんなに遠いのかい??」

「遠いです」

「あの、さっきから、疑問に思ってたんですが…猫庭博士の家の近くにある大木が、長ではないのですか??」

「いいえ、あの木は長の子供です。大昔、虎之助博士が長から小枝を1本貰い、カシイの木に挿し木した分身のようなもの」

「分身…?」

「さぁ行きましょう!!」

 

3人は、森の奥にズンズンと進んでいきます。

 

[つづく]

 

  (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】SF物語を展開中です。

 

そんな楽しい猫の星の世界観第6弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました。

 

猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

 

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

 

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

 

 猫の額さんのHPは、ここをクリック↓