「宇田川源流」<現代陰謀説> オーストラリアに亡命した中国のスパイの後日談と台湾の関係
「宇田川源流」<現代陰謀説> オーストラリアに亡命した中国のスパイの後日談と台湾の関係
毎週金曜日は陰謀説である。まあ、陰謀説といいつつもスパイや情報部員工作員の話が非常に多くなってきているのであるが、そのような「報道されない裏の動き」がしっかりと見ていなければ、世の中はわからない。
日本人は「建前」と「自分の頭の中で作り出した常識という枠」の中でしか物事を考えることができず、実際に、起きていることなどがあっても「ありえない」などと根拠もなく決めつけて、真実を否定してしまう人がほとんどである。
実際に、日本の格言の中にも「事実は小説よりも奇なり」というような言葉があり、様々な偶然が重なったり、あるいは、人間の気まぐれなどもあって、人間の想像をはるかに超えるようなことが起きることは少なくない。実際に、様々なことが行われている現場を見ると、本当に「小説より奇なり」ということはありうるという体験が少なくないのである。
そのように考えると、「人間を外見で判断すること」「人間を肩書で判断すること」「先入観をもって人や事件を見ること」などがすべてタブー視されることになるのであるが、なかなかそのことが打破できず、どうしても決めつけてしまったり、あるいは先入観で判断してしまったりすることが少なくないのである。
さて、そのスパイの世界はどのようになっているのか。実際にスパイがニュースになるということはないので、ほとんどの人は映画などに出てくるスパイのイメージになってしまう。しかし、日本の忍者も現代のスパイも、本来は「目立たないこと」が至上命題であり、武器の使用は、基本的には「逃げるときの道具」であって、相手を殺したりするものではないのである。
そのように考えると、どのような工作が行われているのか、また、その仕事がどれくらい細分化されているのかなどはなかなか興味深いところになってくる。もちろん、その中にも気まぐれなどが出てきてしまい、「小説より奇なり」が出てくるのであろう。
中国当局、亡命中の元スパイに脅迫か 台湾政界大物が直接関与の疑い=豪メディア
昨年11月にオーストラリアに亡命した中国の元スパイ・王立強氏は台湾野党の大物政治家から脅迫を受けた、と豪紙・シドニー・モーニング・ヘラルドは8日に伝えた。それによると、王氏は昨年12月25日、「自分が中国のスパイだ」などの発言を撤回するようにと脅かされた。撤回しない場合、「中国に送還され、命に危険があるかもしれない」という。オーストラリア当局は調査に乗り出している。
同紙の報道によると、王氏を脅迫したのは、台湾政界の大物、野党国民党の蔡正元・副秘書長と中国人ビジネスマンの孫天群氏の2人。報道は王立強氏が2人それぞれと会話した内容を公開した。
王氏は昨年11月、自身が中国当局のスパイであり、当局の指示で2018年台湾統一地方選に介入したと暴露した。1月11日の台湾総統選に関しても、メディアへの浸透、政財界人物の買収などの命令を受けたという。同氏の暴露は台湾で大きな波紋が広がった。
報道によると、王氏は2氏から、前言を翻すビデオ声明を発表するよう求められた。さらに、台湾与党民進党から利益提供を受けたとの嘘の証言も要求された。それに従えば、「王氏の家族が処罰されることはなく、同氏の債務も帳消しにされる」という。
報道は、中国当局の王氏に対する脅迫は、11日の台湾総統選をかく乱する意図があるとの見方を示した。
一方、蔡正元氏は9日、国民党の中央党部で開催された記者会見では、脅迫の事実を否定した。王氏とスマートフォンのチャットアプリでビデオ通話をしたことは認めたものの、「弟を諭した感じの会話」だったとした。ビデオ会話のほか、孫天群氏と豪紙記者との電話録音も公開した。
蔡正元氏は記者会で、孫天群氏から聞いた話として「王立強氏は民進党の邱義仁・前秘書長から大金をもらったと言った」「民進党が王氏に対して、今後台湾での長期滞在を約束した」と話した。
孫天群氏は、香港にある中国創新投資公司の向心・最高経営責任者(CEO)のビジネスパートナーだという。王立強氏は昨年11月の告発で、中国創新投資公司は中国軍が管理する情報機関であり、向心氏は高級スパイだと話した。
蔡氏が公開した孫氏と豪紙記者との通話内容によると、孫氏は王立強氏に声明を発表するよう求めたと認めたが、「脅迫はしていない」とした。ただ、孫氏は会話の中で、王立強氏に「向心氏に危害を与えるな」と警告した。
民進党は同日、蔡正元氏の会見終了後に記者会見を行い、「(王立強氏を脅迫しなかったなら)なぜビデオ声明を強要し、声明内容を示す文章を与える必要があるのか」などの疑問を呈した。
出席した管碧玲立法委員(国会議員)は豪メディアの報道をまとめた資料を掲示し、「蔡正元氏と孫天群氏は、脅迫を通じて、向心氏が中国当局のスパイではないと説明したい」のだと述べた。同委員は「中国当局が台湾に拘束されている向心氏を救い出すと同時に、国民党とともに総統選に介入するという狙いがある」と主張した。
台湾政府は11月25日、桃園空港で向心夫婦の身柄を拘束し、台湾からの出国を禁止すると発表した。
簡舒培台北市議は記者会で、「国民党の副秘書長を務める人物が中国共産党に協力し、王立強氏を脅迫し、民進党に濡れ衣を着せようという企ては、国際的なスキャンダルだ」と強く批判した。
豪警察当局(AFP)はすでに捜査を始めた。同報道によると、警察側の幹部は、同国の防諜機関と特別捜査チームが「外国勢力による影響力の拡大およびスパイ活動を注視している」と述べた。
(翻訳編集・張哲)
2020年01月11日 11時32分 大紀元時報
https://news.nifty.com/article/world/china/12241-525433/
さて以前この陰謀説でご紹介したオーストラリアに亡命した中国のスパイの話である。
上記の記事はその後日談である。
さて事件の概要は、王氏は昨年11月、自身が中国当局のスパイであり、当局の指示で2018年台湾統一地方選に介入したと暴露した。1月11日の台湾総統選に関しても、メディアへの浸透、政財界人物の買収などの命令を受けたという。<上記より抜粋>というものだ。
この発言に対して、それを撤回するように求められたということになる。
まあ、平たく言えば、記事の最後の部分で出てくるので良くまとまっているのでそれを引用する。
簡舒培台北市議は記者会で、「国民党の副秘書長を務める人物が中国共産党に協力し、王立強氏を脅迫し、民進党に濡れ衣を着せようという企ては、国際的なスキャンダルだ」と強く批判した。<上記より抜粋>
まさにこういうことなのである。
問題は主犯が「国民党」なのか、あるいは、「中国共産党」なのかということが大きな問題になり、その結果に関してはこのように書かれている。
豪警察当局(AFP)はすでに捜査を始めた。同報道によると、警察側の幹部は、同国の防諜機関と特別捜査チームが「外国勢力による影響力の拡大およびスパイ活動を注視している」と述べた。<上記より抜粋>
さて、事件としてはこのようなものであるが、実際には「起業家」「マスコミ」がグルになれば、どのような事実も作り上げてしまい、そしてそのことで印象操作を作り出すことができるということが大きな問題なのである。つまり「マスコミ自身がフェイクニュースを作り出し、そして中国共産党から買収されて国益を損ねる主体になりうる」ということになってしまうということであって、それはオーストラリアや台湾だけではなく、日本にも当てはまることなのではないか。
いや、実際に相手が中国ではないにしても、例えば慰安婦問題、例えば徴用工問題など、正しい報道がなされないのは、何なのか、そのようなことをしっかりと見なければならないし、また犯罪を犯した在日外国人が「通名」で報道されるのはいったい何なのか、そのマスコミの「印象操作」そのものが、この台湾に来て亡命したスパイのやっていることと同じである。
まさに「マスコミによる印象操作被害」ということをしっかりと考えなければならない。民主主義の国家においては「マスコミ」が「民主の意思決定の一つの大きな道具」になりうるものであり、「第四の権力(三権分立の次という意味)」というように言われることもあるほどである。
そのようなことに対して、なかなか「陰謀を仕掛けられている」というような感覚にならないのが国民であり、そのように「マスコミの既成概念と先入観」で簡単に左右されてしまうということが大きな問題になるのである。
まさに「衆愚」をうまく演出されるということでありそれをこのスパイは暴露している。当然に「犯罪者共犯」として、この実業家たちが名前を出している。日本にこのようなものが出てきた場合、様々なコメンテーターなども出てくるのかもしれない。
まあ、そのようなことを仕掛ける国が現在の世の中であるということ、もしかしたらそのような国の方が多いということを知っておく必要があるのではないか。