職業訓練指導員(講師)の6つの役割_その2
職業訓練指導員(講師)の6つの役割の2つ目をみていきたいと思います。
「十訂版 職業訓練における 指導の理論と実際」には、
「第2は、訓練の計画を立案し、評価する役割である。」
と記載されております。
続けて次のように記載されております(要約)。
訓練生には訓練に対する期待がある。この期待が訓練に対するニーズであり、訓練はこの訓練ニーズを満たすために実施する。
訓練ニーズは、普通、「失業者を減らしたい」「福祉関係の職場に就職したい」等のように、漠然とした形で示される。
このように示される訓練ニーズを訓練の単位時間ごとに何を訓練するのかまで具体化するのが訓練計画である。
また、訓練評価は、訓練が訓練ニーズを満たしたかを確認し、訓練ニーズを満たす程度を高めるための改善をする活動である。つまり、「失業者を減らしたい」「福祉関係の職場に就職したい」等のニーズを満たしたかを確かめる。ニーズを満たせばその訓練は成功だ。ニーズを満たす程度が低ければ、高めるための工夫をすることになる。
2つ目の役割「訓練計画(ニーズ)」「訓練評価」は、学習サービスの国際規格であるISO29990および職業訓練サービスガイドラインにも明確に記されております。
訓練ニーズは、訓練生からだけでなく委託元のニーズもありますので、その両者のニーズを捉え間違えると計画も間違ったものとなります。
委託元のニーズとしては、就職率の向上が挙げられますが、字面だけでみると「なんでも良いから就職させる」という短絡的な視点になってしまいます。
現在、非正規労働の問題が取り上げられておりますが、まさにこれがニーズの本質ではないかと思います。
前回も述べさせていただきましたが、離職者訓練は労働市場に戻すとても大切な役割を担っておりますので、常に「本質的なもの」を考えておく必要があります。
現在、労働経済学の視点で、このことを勉強しております。自分なりに整理ができましたら、このブログで共有したいと思います。