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『佐高信「憲法を求める人びと⑤山城博治』(週刊金曜日2018.1.12)を読む

2020.01.16 11:36

2019年01月16日 

 佐高信氏の『「憲法を求める人びと5」山城博治さん』を拝読。山城さんは、作詞家でもある。「沖縄今こそ立ち上がろう」は、パリ5月革命にゆかりあるとも言われる「美しき五月のパリ」のメロディに、山城さんが作詩した替え歌でもある。その歌詞は、格調もあり原曲に匹敵する。

 山城さんが長期不当勾留された時、インターネットを通じて拘留抗議と早期釈放の声が高まった。私もアムネスティの署名に参加するとともに自らのフェイスブックサイトで呼びかけ、百人台の協力を得た。

 沖縄県民は戦後も変わらず続いている厳しい政治状況の中で、闘い磨かれ逞しい。翁長雄志県知事のもと結集する「オール沖縄」には驚いた。保守から左翼まで、日本の統一戦線運動史にも広範で骨太、画期的な統一戦線を結成した。2月の名護市長選、9月の沖縄県統一地方選、11月の沖縄県知事選と、今年は《沖縄選挙年》である。

 沖縄県は議会闘争と共に、市民運動の先駆性においても優れている。反基地闘争の先頭にいる山城氏は、一方では反基地のデモ隊が挑発に乗って跳ね上がらぬように、抑制しつつ機動隊とデモ隊の間に位置していた。その山城氏を米軍基地敷地内部に引きずりこんで拉致した。

 いま日本と周辺のアジア各国の間には、戦争の懸念材料が高まっている。それは北朝鮮、ではない。貴誌読書欄に執筆された書評はジョン・W・ダワー著書から、「第2次世界大戦以降2002年までに米国は263回の戦闘行為を実施」し、最近も多くの実態を紹介している。韓国、北朝鮮、中国。介入するトランプ米国と追随する安倍日本。困難さの中でも沖縄県民は「勝つことのコツは諦めないこと」として平和を保証する憲法の平和的生存権を担い続けている。その座標上にいる山城博治と翁長雄志。彼らと同時代を共有することに、喜びを感ずる。