交流分析*自我状態
事例 仕事が長続きしないことに悩む タダヒコさん
タダヒコさんは、現在42歳独身。就職活動中です。タダヒコさんはこれまで、8回転職をしてきましたが、どの会社も自分に合わず、1年~3年勤めては、自主退社することを繰り返しています。タダヒコさんが「会社が合わない。」と感じる原因は、仕事の内容や勤務形態ではなく、職場の人間関係が大きな理由でした。上司と合わなかったり、職場の仲間とトラブルになったり、勢い余って辞めざるを得なくなるなど、対人関係上でのトラブルが大きな原因になっていました。
やり取り
私「それではこれから、交流分析を始めます。
まずは、【自我状態】に着目していきましょう。」
タダヒコさん「自我状態ってなんですか?」
私「簡単に言うと、私たちの【傾向】です。この傾向は、大きく分けるとParent 親のP・Adult 成人のA・Child 子どものCの3つに分けられます。
この3つの自我状態がタダヒコさんの中にいる…。と考えるのです。」
タダヒコさん「私の中にですか?」
私「はい。例えば、自分の部下のミスで、上司に怒られたとします。その時、部下に対して、腹を立てる人もいれば、誰かを責める前に今できることを冷静に考えようとする人もいますよね。そして、中にはただ上司に怒られることが怖くて不安になる人もいると思います。」
タダヒコさん「そうですね。」
私「初めの腹を立てるのが、親的な関わりのP。次が現実検討が強い冷静なA。そして最後が、子どものCの自我状態と見ていくのです。」
タダヒコさん「あー。なんとなく想像がついてきました。」
私「それでは、今日一日を振り返って、どんな場面でP・A・Cが出てきたか、思い出して見ましょう。」
タダヒコさん「はい…。今日は午前中職安ですごく待たされた挙句、自分より後から来た人に順番を抜かされたので、怒りました…。これは、ルールを守れって怒ったので、Pですね。」
私「ほかにはありますか?」
タダヒコさん「電車に乗って来たんですけど、満員電車で、携帯電話で大きな声で話している人がいたので、注意しました…。これもPですね。」
私「タダヒコさんは、Pが働きやすい傾向を持っているのかもしれませんね。タダヒコさんが、
人間関係でトラブルになる場所で出てくる自我状態はどれですか?」
タダヒコさん「…Pですね。私は正しいことを言っています。ただ、相手がいろいろ言い訳をしてきて、言い争いになることがよくあります。」
私「そうだったんですね。」