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事業所設立

2020.01.18 23:08


2003年3月

私が会社を退職することが決まり、送別会の席である人から質問がありました。

同席者:退職した後、何をするのですか?

私:私はパソコンのスキルアップを行って、それを仕事にしたいと思っているのですよ。

そのために専門のパソコンスクールにも以前から通っているのです。

同席者:そうですか。実は私の会社で今後、パソコンのセクションを拡大しようと思っているのですよ。 まだ、オーソライズが出来ていないのですが、時機がきたら、来ていただけるのでしょうか。

私:まだ、スキルが十分でないので、退職後には一生懸命やるつもりです。

退職後も少しはゆっくりしたいですし。

同席者:お互いにまだ時間が必要ですよね。

その後、私は予定通り専門学校に行くことになったのでした。

ところが、退職後、在職中の疲れがどっと出たせいか夏にもかかわらず、長い夏風邪にかかってしまったのでした。

これには本当に参りました。

風邪が治った頃、友人から電話が来たのでした。

友人:退職の挨拶状をもらったのだけれど、実は私はパソコンに弱いので個人的に教えてもらいたいのだけれど。 どうでしょうか?

私:良いですよ。

友人:では早速、新宿の私の事務所に来て下さい。

友人は新宿で不動産鑑定事務所を開設しているのでした。

私はパソコンスクールに通う傍ら、原則として週に1回、今度は友人に教える立場になったのでした。

私はテキストを使って、個人的に教えるのかと思っていました。

しかし、友人の要請は違っていました。

友人:私は取引先からパソコンでの雛形をもらって、その様式でパソコンを使ってデータを入力しなくてはならないのですよ。

ところが、その様式を一部変更することが出来ない部分があるのですよ。

従来はワープロで対応していたの、最近ではパソコンでの対応になってしまって困ってきて

いるのですよ。

ですから、毎週こちらから、課題を出しますからその解決方法を教えて欲しいのですよ。

私:そうですか。

私は早速、先方の対応に対処したのでした。

課題はワードの部分が大半でした。私の得意なエクセルの部分はほんの少しでした。

ワードの対応ではその場では解決できない事もあったのでした。

その場合には、パソコンスクールで先生に教えてもらって解決したりしたのでした。

別の友人から私の挨拶状を見て、電話がありました。

彼は川崎の鶴見で税理事務所を開設していました。

友人:今度、私の事務所に遊びに来ませんか。

私:それはどうも。 ぜひ、行かせて下さい。

その際に、私の娘も一緒に行っていいですか。

友人:良いですよ。でも、どうしてですか?

私:実は私の娘は大学に在学中なのですが、税理士試験にチャレンジしようと思っているのですよ。

それで、参考意見を聞かせて欲しいのですよ。

友人:そうですか。では場所をファックスしますので、受け取って下さい。

私:分かりました。

私と娘は友人の事務所に出向いたのでした。

事務所は想像したよりもずっと広いのでした。

私:ずいぶんと広いのですね。驚きました。

友人:ここでは都心と違い家賃が安いですからね。

私:専門書がたくさんありますね。

友人:職業ですから、最新の法律情報も必要ですしね。

私:パソコンが3台もあるのですか。

友人:そうです。事務所内を無線ランで交信しているのですよ。

私:そうですか。 素晴らしいですね。 ところで在職中に税理士試験に合格したのですよね。

その体験談を参考までに娘に教えて頂けますか?

娘:よろしくお願いします。

友人:国家試験に在職中に合格するのは大変ですよ。時間が相当かかります。

私の場合、休日中はもちろんのこと、平日でもしっかり、勉強しなければなりませんでした。

ですから、仕事で残業しなければならないとか、付き合いで飲食しなくてはならない時もあって、

結構時間がなかったですよ。

ただ、独学では合格しないと思いますよ。やはり、専門学校に通って勉強しなくてはなりませんよ。

娘:公認会計士の場合はどうですか?

友人:一度に色々の科目を合格しなくてはならないので、税理士よりも大変だと思いますよ。

しかも、合格しても、税理士と違って、自分の見解、経営アドバイスが十二分に通るとは限りませんよ。 思ったより、フラストレーションがたまると思いますよ。

大企業の中では色々な制約がありますので、限られた範囲内での活躍範囲となりかねません。

確かに公認会計士の方がかっこいいですし、本来の職務を全うしている人もありますがね。

税理士の場合、公認会計士ほど、かっこよくなく、地味ですが、中小企業で自分の見解、力を発揮

して、経営のアドバイスをしたりすると、大変喜ばれ、やりがいがありますよ。

娘:大学院に行って、税理士になる道はどうですか?

友人:その方法もありますよね。 今度、法改正があり、その道も厳しくなってきていますよね。

大学在学中に試験に合格しなければ、大学院に行きながら、かつ専門学校にも通って国家試験に

チャレンジする方法は有効だと思いますよ。

何しろ、在学中に試験に合格するのは長い年月がかかりますからね。

簿記論、財務諸表論、法人税だけは最低しっかり勉強して、実務が出来るようにならないと、

独立は無理ですよ。

娘:そうですか。どうも有り難うございました。

友人:このマンションで女性の税理士の人が事務所を開設して活躍している人がいますよ。

頑張って下さい。

娘は心に期すものがあるような様子でした。

送別会から数ヶ月たってから、電話があって仕事の打診があったのでした。

システム関係の会社の部長からでした。

部長:その後、いかがですか?

そちらの事情をお聞かせ願いたいのですが。

私:私の方は今、パソコンの勉強を専門学校と独学の両方で頑張っています。

部長:そうですか。良ければ、お会いして、具体的なお話をしたいのですが。

私:そうですか。 分かりました。

先方の部長と管理者と私とで会って、今後どのような内容で契約するか話合ったのでした。

部長:パソコンでの開発要望が当方で本格化してきています。現在でも3件くらいの案件があります。

その一つから手がけてもらえればと思っています。

私:そうですか。私の事情は二つあります。

一つは私は退職してから間もないので関連会社に再就職するのは道義的な点から出来ません。

もう一つは再就職出来なければ、雇用保険を今後180日分もらう事ができることになっているのです。

部長:そうですか。それで、条件は何ですか?

私:もっと先で契約するのであれば、別ですが、今要望にこたえる方法があるとすれば、私が事務所を開設し、自由業として仕事を請け負って契約する事です。

これであれば、友人が事務所を開設し、関連会社と契約している実績もあり、問題はないと思いますが。

また、契約金額については最低、雇用保険の額を最低保証して頂ければ結構です。

部長:そうですか。でも最低保証と言っても、それ以上の要望金額はいくらですか?

私:私としては最低保証して頂ければ、そちらの契約期間、契約金額に従います。

部長:そうですか。では持ち帰って、検討し回答を差し上げます。

その後、又電話があり、先方からの金額、期間(3ヶ月)で契約することになったのでした。

3ヶ月は試用期間との事でした。私が先方の期待した仕事を出来なければ、それで契約が切れるのでした。

私は早速、税務署に個人事業の開設届を提出し、ハローワークには雇用保険の適用除外の旨の申告をしたのでした。

事務所は自宅となりましたが、とにもかくにも私の希望していた自由業での事務所開設、開業が実現する運びとなったのでした。

しかし、現実はそんなに甘くはありませんでした。

私は毎営業日、最低夜の7時まで、仕事をしなければ、期限までに仕事を消化できず、システムの開発の厳しさを(前から知ってはいたものの)実感したのでした。

妻、娘は言いました。

妻:朝早くから起きて、夜遅くまで働いて、身体には本当に気をつけてくださいよ。

もう、若くはないのですから。

雇用保険をもらっていれば、楽なのに。

年金が出れば、働かなくてもなんとか生活できるのに。

娘:お父さんは退職前より大変になってしまったのね。

退職前は部長で人を使う立場だったのに、退職後は人に使われる立場になったのね。

私:そうだよ。このような不況下では高年齢で仕事をするのは難しいのだよ。

前に「管理職でした」と言ってもハローーワークでもまず、無理だよ。

なぜなら、そのような人はたくさんいるのだから。

職人にならないとまず無理だね。 私はパソコンの職人になったのだよ。