Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

マヤ

『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生⑨)

2020.01.19 04:37

あと数センチ…というところで、リビングの固定電話が鳴った。




廉は慌てて飛び退いた。




「よく眠ってるのに、起こしたら気の毒だ」




廉はそう呟いて、音を立てないように子供部屋を出てリビングに行き、電話に出た。




「もしもし…」




「あ、廉?俺だけど」




電話の向こうからこの家の主、登坂広臣の声が聞こえた。




なぜ、このタイミングで!?




しかも隆二の携帯ではなく、わざわざ固定電話にかけてきたのか?




様々な疑問が瞬間に廉の頭を駆け巡った。




「あのさ」




「は、はい!?」




「俺の隆二に手を出すなよ」





「えっ…ええ!?」




心臓が口から出そうになるとはこの事だ。




廉は驚いて受話器を落っことしそうになった。




反射的に部屋のあちこちをチェックする。




どこにも隠しカメラなど見当たらない。




「それは、どういう…」




「ん?いや、なんとなくね」




勘が働いたとでもいうのか?




「はぁ…」




廉は拍子抜けしたような声を発した。




「今日泊まっていくの?」




「あ、はい。隆二さんがそうしなさいって」




「そっか。風邪ひかないようにね」




「ありがとうございます」




「廉が電話に出たってことは 

隆二もう寝た?」




「…はい」




「だよね」




なぜ隆二さんの携帯にかけないんですか?




廉は喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。




「じゃ、あとよろしくね」




「はい、お疲れ様です」




廉の心はすっかり萎えてしまった。




周りが想像する以上に臣さんと隆二さんは、深い部分で繋がっているのかもしれない。




でも…




万に一つでもチャンスがあるのなら…




廉の、胸の奥に灯った恋の炎は、なかなか消せそうになかった。




つづく