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年季の入ったお漬物/大塚智穂

2018.12.04 16:35

昔から実家の食卓の上には必ず漬物や梅干しが置いてあった。それは大概おばあさんが漬けた物で、おばあさんは食後に決まってお茶と漬物で〆ては「お口の消毒」と言っていた。(おばあさんは健在で、御年93歳です。いまだにお茶ばかり飲んでいる)

おばあさんの漬物はとてもシンプルな2種類。1つは水菜の塩漬け。もう1つは、白菜や人参の端っこ、刻んだ昆布を入れて、塩分も控えめのとてもさっぱりした物。ときにはリンゴも一緒に和えてあったりしてサラダ感覚の漬物だった。冷蔵庫に野菜があると、何かしらの漬物に変身させていた気がする。

そんな我が家のおばあさんも、年相応に歳をとったせいで、最近はめっきり漬物を漬けることが無くなった。前回帰省した時に「おばあさん、漬物やらんの?」と聞いたけれど「まあ…ええわ。」と。年相応に物忘れもあるので、漬け方を忘れてしまったのかな、と、ちょっと寂しく感じた。

私は孫の中でもおじいさんやおばあさんとよく話していたほうだった。おばあさんは前に「漬物の塩は野菜の重さをはかって3%が良い」と言っていた気がする。それを思い出して漬物を作ったら、本当にちょうど良かった。でも、やっぱりお漬物は難しい。何が難しいのかうまく言えないけれど、年季の入った人が作るほうが断然うまい。手から何か出てるんじゃないか?と思う。ぬか漬けなんかそうだなと思う。あ、でも、わたしもこれから作り続けていたら、20年30年と年季が入ってきたときには、漬物の達人になれるかもしれない。これは続けるしかないな。

今年は暖冬だけれど、ちゃんと季節は巡っていて、白菜や大根、かぶを目にすることが多くなってきた。なんとなく、漬物が欲しいと思って作り出したら止まらなくなってきた。なかでも、白菜漬けのステーキが美味しくて「うっま!!!」と声に出たほどだった。そのために、今年は白菜漬けを何度か作ってしまいそう。あと、もう少し寒くなってきたら大根を干してたくあんも作ろうと思う。

年末年始は少し長めに帰省するので、私の白菜漬けを仕込んで、おばあさんに味見してもらおうと思う。

洗って干して、3%のお塩と昆布、赤唐辛子で漬け込みます。重しをして4~5日で水が上がってきたら、水を切ってきれいな袋に移し、空気を抜いて保存。酸味が出てきたらステーキに。鉄板にお好みのオイルでニンニクを炒め、刻んだ白菜漬けを炒め、醤油少々、最後に溶き卵。半熟くらいで召し上がれ。

おじいさんはご飯にかけて、さらに一味をふって美味しそうに頬張って食べてたな。

柔らかいかぶは千枚漬けに。

初めてのゆず大根も美味しくできました!