《韓国》2020年2月14日発売『草　日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー』

『草　日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー』

発売日：2020年2月14日（金）

作者：キム・ジェンドリ・グムスク

訳：都築 寿美枝、李 昤京

解説：原 正人、吉見 義明、梁 澄子

翻訳監修：笠原 十九司

発行：ころから

貧しさゆえに売られ、戦中は慰安婦として人生を踏みにじられ、時代に翻弄されたひとりの女性の物語。

荒々しい筆致で描かれた植物や山野の風景は、

彼女の慟哭や嘆きであり、

春になり芽吹くしなやかさをも表している。

とても力のある作品。

この作品には、主人公のオクソンさんの人生を描くシーンとともに、

作者がオクソンさんに取材したときのやり取りを描いたシーンも含まれている。

慰安婦問題は今もなおさまざまな議論がなされている。

作中には、作者が日本批判をするオクソンさんに対して戸惑いを感じるシーンもあり、

客観的な視点を与えている。

さまざまな議論を抜きにして、2度と繰り返してはならないひとりの戦争被害者の物語として読むことができる。