HARMORでサイン波のリード。(SINE LEAD)
サイン波を出す方法はいくつかありますが、フィルターにサイン波のジェネレーターがあるので、今回はこれを使いました。
まず、Timbreのclipを一番下まで下げて、Timbreの出力を切ります。

フィルターは上側のF1を使います。
kb trackを右クリックしてresetします。
FREQを右クリックしてType in value...を選び、0.141にします。
ofsを右クリックしてresetします。
RESとoscがボリュームなので、好みに調整します。(片方が0だと音は出ません。)
これでサイン波が出ます。
※Defaultからの設定方法です。フィルターのシェイプで周波数が変わります。初期状態のCustom shapeの場合、FREQを0.105にします。
このままだと無機質なので、アナログ感を加えていきます。
Timbreのrandを右いっぱいに回します。(100% running)

HARMORの初期状態では位相(音の波)の出発点が固定なので、毎回変える設定にします。
ADVのrampを調整してアタックを付けます。

0msにすると鍵を弾くたびにパツパツ鳴ります。
数字を大きくしていくとパツパツが小さくなるので、好みに調整します。
FXのDistortionをClassicにします。

厳密なサイン波ではなくなりますが、倍音が付加されて優しい音になります。
これだけでかなりアナログ感が出ます。
パツパツと鳴るクリックノイズが気持ちよさを出しているのが判ります。
HARMORは完全にコントロールされているデジタルシンセですが、コントロールから解放することでアナログシンセっぽい音も出せます。
最後にアーティキュレーションを好みに設定します。
GlobalのlegatoやPortaを点灯します。
LEGATOのtimeを好みに調整します。
VIBRATOのdepthを好みに調整します。
VIBRATOのdepthを右クリックしてEdit articulatorを選びます。
ENVに表示されたPitch vibrato depth > Envelopeを調整します。
Enable Envelope(左下の丸い小さなスイッチ)をONにするだけでもビブラートがかかり始めるまでの間ができていい感じになります。
もちろん、更に追い込むこともできます。
PHASEのrandを100% runningにした理由。
100% runningにすると位相が回り続けるので、バリエーションが産まれます。
Defaultでは発音の度に波形の位相をリセットしています。
※位相=波形(音の波)の周期です。例えば三角波は「斜めに上がって斜めに落ちる」を繰り返すので、三角に見えます。位相が回り続ける=三角が描かれ続けるので、発音するタイミングによって三角の麓(ふもと)だったり、天辺だったり、途中だったりします。そのために発音時のバリエーションが産まれます。
rampを0msにした理由。
発音の度に波形をぶつ切りにするので、クリックノイズが出てアタックを強調できます。
これが楽器っぽくてたまらない人もいると思います。
クリックノイズを小さくしたい場合はrampを少し上げたりdeclickで調整します。
※rampは設定した時間をかけてクロスフェードする感じです。declickはフェードインです。
注意点があります。オートメーション、エンベロープ、Pluckのような時間経過で音質を変化させる機能を使うと断続的にノイズが発生します。ある程度数値を上げるとマイルドになります。Defaultは25msです。