鬼キャンは百害あって一理ナシ
スイングアームの横揺れが治まり、フレームのタンデムステップステーが干渉する事が発覚。
ステーのカットは、予算削減のためオーナーさん自身にやっていただくので、
先にできる事を進めます。
次に問題なのが、リヤサスのアライメントです。
持ち込まれたレジェンドツインが全長330mm。
SRの標準は320mmですのでこの時点で10mmサス長が伸びる事になります。
単純にケツ上がりになるのは想像に難しくないわけですが、スイングアームのタレ角もその分変わってきます。
タレ角がつきすぎるとどうなるか?と言う事になりますが、これは車体を横から見て考えると
比較的理解しやすいかと思います。
4輪で例えるなら、ストラット式のサスペンションを正面からみているのと同じことだからです。
モノサスのリンク式になるとそう簡単ではないですが、SRの場合は理解しやすいかもですね。
ま、今回は予算の都合でサスマウントの位置を直す事は出来ないので、目をつぶります。
そして、それよりも解決しなければならない問題があります。
元々のサスマウントの溶接位置があまりよくなくて、サスペンションをそのまま取り付けると、
後ろから見て、リヤサスが「ハの字」を切ってしまっているんです。鬼キャン状態。
4輪のドリフトなんかの場合ですと、キャンバー角は大切なセッティング項目となってきますが
2輪の場合は、本当に百害あって一理なし。サスのロッドの常に垂直方向以外からの荷重とネジれ
が発生している状態ですので、サスもまともに動かないし。マウントのピロボールにも予想以上の
負荷がかかってしまいます。
という訳で
キャンバーを修正する為にカラーをワンオフで作成。
ですが、これで問題解決とは簡単にいきません。
真上から見てみると、この様に、サスペンションのアッパー側がカラーを作ってオフセットしたことによって
フレームのサスマウントに半分ほどしか接地しないことになります。
従いまして、サスのアッパーマウントをキチンとフレームに接地させ、かつ外側から締め付けられるようなナットを製作し、ネジの軸力もスポイルすることなくサスペンションにもキチンと仕事がしてもらえるようなカラーを作成する必要が出てきました。